管理栄養士監修|体の中からきれいになる食習慣と「老けないレシピ」
管理栄養士でインナービューティープランナーの木下あおいさんが、体の中からきれいになる食べ方をレクチャー。腸と肌はもちろん、心もよろこぶ「老けないレシピ」もご紹介します。
体の中からきれいになるために大切なのは?
人間の体は“食べるもの”でできています。体の中からきれいになる「インナービューティーダイエット」とは、幸福感に満ちた美しい自分自身になるために、体を「腸」と「心」の内側から整える、継続可能な食事方法のこと。
人間が幸福を感じる物質は、およそ90%が“腸”でつくられていると言われています。つまり腸をきれいに、そして健康にするものを食べれば、自然と心もハッピーになれるということです。
だからインナービューティーダイエットでは…
・季節の野菜を丸ごと食べる
・伝統的な発酵調味料を使う
・素材の味を引き出す
“きれいな腸”のために、この3つのポイントをとても重要視しています。
そのうえで、インナービューティーダイエットでは、「何を食べたらよいか」という基本的な知識を押さえておくことが重要。とはいえ、「あれを食べてはダメ」「これも食べてはダメ」では、長続きしません。
「なぜそれを食べないほうがいいのか」という理由をきちんと知っておくと、「自分の体を大切にする」という確かな価値判断の基準が身につきます。「食べたいもの」=「体にいいもの」を自然と選べる考え方にシフトできるのです。
体の中からきれいになる「4つの基本」
体の中からきれいになるために、おすすめしたい基本の食習慣がこちら。スーパーで買い物をするときや、料理をするとき、外食で食べるものを選ぶときも、この4つを覚えておくだけで“インナービューティー”を目指せます。
(1)発酵調味料で善玉菌を増やす
味噌や醬油、塩麴といった発酵調味料は、腸を整える善玉菌を増やしてくれます。「自分の体を大切にする」人ほど、発酵食品を毎日しっかり摂っています。味噌や黒酢、みりん、塩麹といった発酵調味料の中から、自分に合うものを見つけてみてください。
(2)食物繊維で善玉菌を増やす
野菜や海藻類、玄米に多く含まれる食物繊維は、腸を整える善玉菌のエサとなる重要食材。「食べなきゃいけない」ではなく、おいしく感じられるよう、なるべく季節の旬野菜を摂りましょう。素材の味を引き出すレシピがあれば、鬼に金棒です。
(3)精製されていない食材で酸化を防ぐ
体内で糖がたんぱく質と反応し、「AGEs」と呼ばれる老化因子に変化してしまう糖化は、美肌の大敵。白米や白砂糖、小麦など精製された食べ物は糖化を促進してしまうので、玄米や丸ごとの食材など精製されていない食べ物を摂るようにしましょう。
(4)油の加熱をできるだけ避けて酸化を防ぐ
体の中の酸素が酸化して活性酸素になると、老化や病気を引き起こす原因に。そうならないために、できるだけ新鮮な油を生で使うのがポイントです。マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸ではなく、亜麻仁油やオリーブオイルなど植物性の油をいただきましょう。
腸と心がきれいになる食べ方
体の中からきれいになるためには、“腸”の健康がカギ。腸がきれいなら、心まで健康になれます。腸の善玉菌を増やして、糖化と酸化を防ぐ──。そのための食べ方習慣を、いくつかピックアップしました。
毎食の半分以上は野菜を摂ること
常備しておきたいのは保存がきくキャベツ、たまねぎ。大根、かぶは、買ったらまず葉と実の部分を切って別々に保存をします。レタスは、栄養価を考えて、サニーレタスではなく緑の濃いリーフレタスをチョイス。肌荒れに効果抜群の青菜(小松菜、ほうれん草、チンゲン菜、ニラ)、免疫力が高く旨みになるきのこもお忘れなく。そのために、冷蔵庫に野菜を常備しておきましょう。
時間がないならブロックスチーム
時間がなかったり、手際がよくない方におすすめなのが、ブロックスチーム。ひとつの鍋で一度に2~4レシピ分の食材を蒸し煮する作戦です。火が通ったら取り出して、それぞれ調味料やほかの食材と和えて完成。鍋の中は混ぜませんが、食材の旨みは混ざって掛け合わさるのでおすすめです。著書の中でも、蒸し煮を使うレシピを多く紹介しています。ぜひ、掛け合わせを楽しんでみてください。
基本はノンオイル、油は後からかける
油は加熱すると酸化してしまいます。基本はノンオイルで調理して、油を使いたいときは後からかけましょう。私のお気に入りは亜麻仁油。ちなみに、亜麻仁油は40℃くらいですぐ酸化するため、加熱NG。必ず冷蔵庫で保存してください。後がけで“たら~り”がおすすめです。
おやつは太らない時間に
一番太らない時間帯は15時です。おやつの理想はくるみ、アーモンド、あたりめ、スムージーなど。お菓子がやめられない場合は、まず既製品を買わないこと。代わりに自分で作ったり、ナッツやドライフルーツにシフトしていきましょう。プルーンなど大きなものを食べると満足感を得られます。糖質の高いカシューナッツ、ピーナッツは控えて。食べる個数は決めておいてくださいね。
夕食はたんぱく質を中心に
体の修復は寝ている間に行われるので、特に夜は忘れずにたんぱく質を摂りましょう。たっぷりの彩り野菜と豆腐を中心に、基本的に炭水化物は食べません(ダイエット中は特に!)。
太りたくない人のための「ダイエットレシピ」
体の中からきれいになる食べ方を取り入れた、「ダイエットレシピ」を紹介します。ダイエット中はもちろん、体型をキープしたい方も参考に!
鶏むね肉のハンバーグきのこソースがけ
パンチのある味つけで油不使用でも満足感
【美人をつくるPOINT】
鶏むね肉におからをプラスしてヘルシーに、ソースににんにくを加えることで満足感があるハンバーグに仕上げました。硬くなりやすいむね肉を柔らかくするために発酵調味料を活用。代謝アップのため、香味野菜もたっぷり使ったレシピです。
レシピ作成:前田恵子
【材料(2人分):1人分約162Kcal】
鶏むねひき肉…180g
しめじ(石づきを取って半分に切る)…50g
えのきたけ(石づきを取って半分に切る)…50g
A|塩麴…大さじ1
|酢…小さじ1
B|おから…50g
|たまねぎ(みじん切り)…30g
|豆乳…大さじ2
|しょうが(すりおろし)…1かけ
C|にんにく(すりおろし)…1かけ
|醤油…小さじ1
|水…50ml
米粉…小さじ1(同量の水で溶く)
酒…大さじ2
ブラックペッパー…お好みで適量
【作り方】
(1)ポリ袋にひき肉、Aを入れてよくもみ、Bを加えて混ぜ、丸く成形する。
(2)鍋に酒、えのき、しめじを平らに入れて(1)をのせ、塩ひとつまみをふって蓋をし、弱火で蒸し煮にする。
(3)肉の表面に色がついたら裏返し、7分ほど中まで火を通し、器に盛る。
(4)(3)の鍋にCを入れてひと煮立ちさせ、水で溶いた米粉を加えてとろみをつける。
(5)(3)に(4)のソースをかけ、お好みでブラックペッパーをふる。
鮭と野菜の味噌蒸し
ちゃんちゃん焼きをヘルシー仕立てで
【美人をつくるPOINT】
低カロリーで良質な脂質やたんぱく質が豊富な鮭と、たっぷりの野菜を摂れるメニュー。鮭には食欲抑制効果、血糖値の急上昇を防ぐホルモンの分泌を促すEPA、中性脂肪やコレステロール値を抑えるDHAが豊富です。
レシピ作成:山口清夏
【材料(2人分):1人分約160kcal】
鮭(切り身)…2切れ
たまねぎ(くし形切り)…100g
しめじ(石づきを取って小房に分ける)…50g
キャベツ(一口大に切る)…50g
にんじん(いちょう切り)…30g
A|しょうが(すりおろし)…1/2かけ
|味噌…大さじ1
|酒…大さじ1
青ねぎ(小口切り) … 1本
【作り方】
(1)鮭は塩(分量外)をふって数分おく。Aは混ぜ合わせておく。
(2)鍋に水大さじ2、たまねぎ、しめじ、キャベツ、にんじんを入れて塩ひとつまみをふり、蓋をしてたまねぎがしんなりするまで弱火で蒸し煮にする。
(3)キッチンペーパーで鮭の水気を拭き、1切れを3~4等分に切って(2)に加え、片面が白く色が変わるまで弱火にかける。
(4)Aを回しかけて落とし蓋をし、数分火にかけて味をなじませる。
(5)火を止めてざっくり混ぜたら器に盛り、青ねぎをちらす。
お豆腐のヘルシー和風ロールキャベツ
だしをとった昆布としいたけもin
【美人をつくるPOINT】
豆腐とおからを使ったヘルシー仕立て。たんぱく質を効果的に摂取できるよう、ビタミンC豊富な柚子こしょうをトッピング、味にもアクセントをプラスしました。
レシピ作成:有坂真里絵
【材料(2人分):1人分約162Kcal】
キャベツ…4枚
A|豆腐…1丁(300g)
|たまねぎ(みじん切り)…1/2個
|おからパウダー…大さじ4
|しょうが(すりおろし)…1かけ
|塩麴…小さじ2
|こしょう…少々
|葛粉…小さじ2
水…400ml
昆布(乾燥)…3g
干ししいたけ…2個
醤油…大さじ1/2
酒…大さじ1
柚子こしょう……適量
【作り方】
(1)鍋に水と昆布、しいたけを入れ、弱火で加熱してだしをとる。Aは混ぜ合わせておく。
(2)(1)の鍋にキャベツを入れ、しんなりするまで火を通す。
(3)(1)でだしをとった昆布としいたけを取り出し、細かく刻んでAに混ぜ合わせる。
(4)(3)のタネを4等分し、(2)のキャベツで巻いていく(必要であれば爪楊枝で留める)。
(5)(2)の鍋に醬油と酒、(4)を加えて蓋をし、弱火で10分ほど加熱する。
(6)器に盛り、柚子こしょうでいただく。
老けないための「アンチエイジングレシピ」
肌を内側から美しくする「アンチエイジングレシピ」。抗酸化食材をたっぷり使った老けないレシピです。
鮭のごちそうサラダ
抗酸化食材たっぷり。ポイントは生でいただくこと
【美人をつくるPOINT】
鮭のアスタキサンチン、レモンや赤パプリカのビタミンC、スプラウトのスルフォラファン、にんにくには抗酸化作用があります。調味料に漬け込んだ鮭は、少量の水で蒸し煮にしてもおいしいです。
レシピ作成:谷口あゆこ
【材料(2人分):1人分約340Kcal】
鮭(刺身用/薄切り)…200g
アボカド(半分に切り、種を取って薄切り)…1個
パプリカ(赤/角切り)…1/2個
スプラウト…ひとつかみ
A|味噌…大さじ1と1/2
|酒、レモン果汁…各大さじ1
|醬油…小さじ1
|にんにく(すりおろし)…1かけ
|ブラックペッパー…少々
亜麻仁油…適量
【作り方】
(1)Aを混ぜ合わせておく。
(2)鮭を食べやすい大きさに切り、Aに漬け込む。
(3)器に(2)、アボカドを交互に盛ってパプリカ、スプラウトをのせ、亜麻仁油をかける。
大豆と根菜のだしトマト煮
バランスがso good!体にやさしい贅沢煮込み
【美人をつくるPOINT】
野菜をコトコト煮込むことで、抗酸化食材がたっぷりいただけるレシピです。だしの旨みでたんぱく質もしっかり摂れる、体が喜ぶ一品に仕上げました。
レシピ作成:藤沢 愛
【材料(2人分):1人分約238Kcal】
鶏むね肉(1㎝角に切る)…100g
大豆の水煮缶…1缶(120 g)
れんこん(1㎝角に切る)…40g
たまねぎ(粗みじん切り)…1/4個(50 g)
干ししいたけ(戻してみじん切り)…2個
トマト(1 cm角に切る)…1/2個(70g)
トマトピューレ…30g
醬油…大さじ1
酒…小さじ1
しいたけの戻し汁…1/2カップ
にんにく、しょうが(すりおろし)…各1/2かけ分
味噌…大さじ1
米油…小さじ2
【作り方】
(1)鍋に水大さじ2、たまねぎ、トマト、れんこん、しいたけ、にんにく、しょうがを入れて蓋をし、全体がしんなりするまで弱火で蒸し煮にする。
(2)しいたけの戻し汁、大豆、鶏肉、トマトピューレ、酒、醬油を加え、ひと混ぜして煮詰める。
(3)味噌を溶き加え、1分ほど火にかける。
(4)器に盛り、米油をさっと回しかける。
切り干し大根のはりはり漬け風
手軽にできる副菜で、摂りたい栄養素をコンプリート
【美人をつくるPOINT】
切り干し大根のビタミンB1・B2、食物繊維、鉄分たっぷり。にんじんのビタミンA、腸内環境を整える昆布の水溶性食物繊維に、発酵調味料をかけ合わせた一皿です。
レシピ作成:津波真澄
【材料(2人分):1人分約104Kcal】
切り干し大根(さっと洗ってざく切り)…25g
にんじん(せん切り)…40g
だし昆布(細切り)…5cm角
A|酢…大さじ2~
|醬油麴…小さじ2
|鷹の爪(種を取って小口切り)…1本
|水…100ml
【作り方】
(1)ジッパーつき保存袋にAを入れて混ぜ合わせる。
(2)(1)にその他の材料を入れてもみ合わせ、1時間以上なじませる。
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レシピ考案/日本インナービューティーダイエット協会 撮影/佐藤貴佳
[ 監修者 ]