食事をおいしく食べられるのも胃腸が元気であればこそ。むかつきや食欲不振の原因と対処法を知って、食欲の秋を心ゆくまで楽しみましょう。

提供／ゼリア新薬工業株式会社

胃腸からのシグナルに敏感になろう

胃や腸は不調があるとき、働きの低下を自覚しやすい臓器です。

食後に一時的に胃がもたれるのは食べ過ぎや飲み過ぎによる消化不良が多いもの。また、胃痛や食欲不振は自律神経の乱れが影響することもあります。胃痛は自律神経の乱れによ って、胃液のバランスが崩れ、胃酸が多く分泌されるためです。胃の粘膜を守ってくれる粘液が減ってしまうと、胃の内壁に炎症が起きやすくなり、胃炎などにつながることも。辛いものなど刺激物でも起こるので要注意です。

一方、腸の不調の代表といえば便秘と下痢でしょう。一般的には 3 日以上排便がない状態を便秘ととらえることが多いようです。便秘にはさまざまな原因がありますが、多いのは腸のぜん動運動が弱いタイプ、自律神経の乱れによりスムーズに便が運ばれないタイプ、いきむ力が足りず便が出にくいタイプです。

下痢は何らかの原因で腸のぜん動運動のバランスが乱れ、便のもとに含まれる水分が吸収されずに排出されるために起こります。原因は水分やアルコール、刺激物の過剰摂取、食べ過ぎ、ウイルス性腸炎、ストレスによる自律神経の乱れなどが考えられます。

胃腸の不調は、ほかの病気が原因の可能性もあります。症状が長引いたり、胃腸や便の様子がいつもと違う場合は専門医を受診するようにしましょう。

脂っこいものを食べるとムカムカする理由

胃と腸、肝臓は門脈という血管でつながっており、胃腸で消化吸収された栄養素はすべて門脈を通って肝臓に運ばれています。その後、肝臓で貯蔵されたり、代謝されて体が利用しやすい物質に作り変えたあと、全身に届けられているのです。

とくに肉の脂身や油脂などにも含まれる脂質は消化に時間がかかり、胃腸への負担が大きくなります。脂質の多い天ぷらだと消化されるのに 4～5 時間かかるといわれています。

脂質を消化吸収するときは、肝臓で作られる胆汁が大きな役割を果たします。そのため、何らかの理由で肝臓の調子が悪くなれば、胆汁の分泌が悪くなり、脂肪の消化吸収が妨げられ、胃もたれや下痢などを引き起こします。

食生活の見直しから胃腸を元気に！

食事の内容は胃と腸、両方にとって大切です。調子が悪い時は、冷たいものや辛いものなどの刺激物は控えて。栄養のあるものを適量、よく噛んで食べて、胃腸を整えましょう。

食べ物はよく噛むほどに細かくなって唾液と混ざり合うことで、消化されやすくなります。また、噛むことで満腹感を得やすくなるほか、胃液や唾液をはじめとする消化液の分泌を高めるなど、さまざまな効果が得られます。

腸内環境を整えることも大切です。調子を崩しやすい人は発酵食品や乳酸菌などを含む食品を取り入れるとよいかもしれません。

食生活以外では、ストレスは自律神経を乱し、胃や腸の不調を招くことにつながります。なるべくリラックスする時間を持つように心がけましょう。

また、腸のぜん動運動を促すためには、適度な運動が有効です。ウォーキングなど、運動習慣を取り入れましょう。便秘の人は、朝起きたときなどに白湯かコップ1杯の水を飲むのもよいでしょう。