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片付けられない原因別「先延ばし・無駄買い」を軽減する方法|西原三葉さん 汚部屋改善レッスン
「片付けをやらなきゃと思ってもできない」「無駄買いしてしまいものが増え続ける」…といった悩みはありませんか? 片付けられない原因別に、それぞれのタイプに役立つヒントを紹介します。
目次
片付けられない原因別 3つのタイプ
片付けに対してやる気が起こらない、片付けてもすぐにリバウンドするといったお悩みを抱えている人は多いものです。片付けられない原因は人によって様々ありますが、大きく分けると下の3タイプに分けられます。
(1)ものを捨てられない「もったいないタイプ」
(2)片付けは明日から「先延ばしタイプ」
(3)ものを元の場所に戻せない「出しっぱなしタイプ」
自分の特性を知り、それに合った方法を試すことで、片付けに対してのストレスが軽減する可能性があります。
次から紹介する原因別の3タイプは、片付けが苦手な場合、複数のタイプに当てはまることがあります。そのときは1つに限定せず、複数のタイプの片付け方法を参考にしてみてください。
ものを捨てられない「もったいないタイプ」
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・なんだかもったいない
・まだ使えるのにな…
・捨てるのはかわいそう
といった罪悪感を抱きやすい人は「もったいないタイプ」です。
例えば、着られないほどたくさんある洋服や、山のように積みあがった本や雑誌、書類、捨てられず溜まっていくレジ袋など、どんなものでも“もったいない”と感じてしまいます。このタイプは、家にどんなものが、どれくらいあるのかを把握できていません。
背景には、親に「ものを捨てること=悪いこと」「ものを大切にしなさい」と教育された、子どもの頃に好きなものを買ってもらえなかったなど、成長過程でのしつけや環境のほか、本人の性格からくる「ものに対するこだわり」や、「ものに感情移入してしまう特性」などが、複雑に関係しています。
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片付けは明日から「先延ばしタイプ」
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片付けがしたいのに、
・なかなか体が動かない
・やろうと決意してから気が付いたら数日経っている
ものを捨てようと思ったときに、
といった“持ち越しグセ”がある人は、「先延ばしタイプ」です。
このタイプは、片付けに対して苦手意識や抵抗があるので、なかなか気力が湧きません。部屋が散らかっているにもかかわらず、片付けられない自分を責めて、ますますやる気を失ってしまいます。
他にも、ふだんの生活で体の疲れや過度なストレスを感じている人は、片付けだけではなく、食事やお風呂すらもわずらわしくなることもあります。
他人から見ると「やる気がない」「なまけもの」と思われがちですが、苦手なことだと“やる気物質”が正常に分泌しないという、脳の問題が原因の場合も。自分の意思では解決できないうえに、他人からも理解されず、悩みが深くなるケースがあります。
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ものを元の場所に戻せない「出しっぱなしタイプ」
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ふだんの生活で、
・ものを取り出しても元の位置に戻せない
・床やテーブルの上にものが散乱している
・ゴミをゴミ箱に捨てられない
などで困っている人は「出しっぱなしタイプ」です。
このタイプはそもそも、ものの置き場所を決めていないので、使ったものを出したままにしがち。そもそも定位置が決まっておらず、決まっていても「ものを元に戻す」という習慣が身についていないことなどが原因です。
どこに戻したのかを忘れて、使いたいときに見つからず探すことに…。無くしものや探しもの、忘れものが多く、同じものを何回も買い直してしまうことも多いかもしれません。
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ストレス・不安からくる「衝動買い」も片付けられない原因に
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ご紹介した3タイプのほかに、片付けられない原因として「衝動買い」もあげられます。
買い物をすると、
・いらないものまで買いすぎてしまう
・家にストックがあっても安いとつい買ってしまう
などに当てはまる人もいませんか? 衝動買いをどうしてもやめられない人は、ストレスや不安など、心の問題が関係していることもあります。ものを手に入れた一瞬の快楽で、不安や苦しみ、悲しみなど、不安定な心を埋め合わせていると考えられます。
そのため、無駄買いが多くなったり、無計画で買い物をしたりして、家にものがあふれ続けます。個人差はありますが、衝動買いがやめられず悩みが根深いときは、専門カウンセラーのカウンセリングや、心理療法などが必要なケースもあります。
「もったいないタイプ」が片付けるときの工夫
「もったいないタイプ」の人が、最初から思い入れがあるものを捨てると、大きなストレスになります。いきなりものを捨てられるようにはなりません。少しずつ“捨てる”という行為に慣れることが大切です。まずは、自分にとって捨てやすいものから捨てて、手放す感覚に慣れましょう。
例えば…
・賞味期限が切れた食品
・期限切れのクーポン券
・古いチラシ、DM
・傷んだ洋服
など、自分にとって捨てても困らない身近なものから捨ててみてください。また、家に同じものがいくつもある場合、それを集めて確認すると「こんなにあるなら少し捨ててもいいか」と自分自身を納得させることもできます。
ものを捨てることが苦手な人のほとんどは、“もったいない精神”を持っています。不要だけれども捨てたくないものは、寄付したりリサイクルショップなどに出すのもおすすめです。
もったいないタイプの中には、大切なものを捨ててしまい、片付けがトラウマになってしまう人がいます。自分にとって捨てたくないものは、無理に捨てなくてもOK。捨ててしまうと、片付けそのものが心の負担になり続けます。
捨てたくないけれどすぐには使わないものは、一旦捨てずに取っておきましょう。ただし、箱や袋に何が入っているかラベリングしたうえで、クローゼットの奥など、頻繁に出し入れしない場所に収納を。この収納場所がいっぱいになったタイミングで見直して、捨ててもいいと思えたタイミングで手放せば、心の負担になりません。
ものを捨てる基準は人それぞれ。自分の中で執着が低いものを捨てるだけでもかなり部屋がスッキリしますよ。
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「主婦なのに、どうして私は片付けられないの?」と自分のことを責めてはいませんか。片付けたい気持ちはあるのに部屋をうまく片付けられない理由と、キレイを保つコツを紹介します。
「先延ばしタイプ」が片付けるときの工夫
「先延ばしタイプ」さんは、片付けに対しての苦手意識を減らすことが重要です。このタイプの人は、自己肯定感が低く、片付けられない自分を責めてしまい、それがストレスになることがあります。
苦手意識を減らすためには、片付けに対してのハードルを下げることが重要。そのために、認知行動療法を用いた「カウンセリングシート」を用意しました。質問に答えることで、ネガティブな思考のクセに気づき、少し気持ちが楽になるかもしれません。
次の質問を読み、答えを紙に書き出してみてください。
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質問に答え終わったあと、少しでも片付けに対する抵抗感が減っていれば成功です。気持ちが変化したら、小さなスペースからでもいいので片付けを実践してみてください。そして、前に進めた自分を、褒めたり認めたりしてください。
ご紹介した「カウンセリングシート」は、私が片付けコンサルティングで普段から使っているものです。「先延ばしタイプ」だけでなく、片付けが苦手な人の多くに有効ですので、試してみてください。
「出しっぱなしタイプ」が片付けるときの工夫
「出しっぱなしタイプ」さんは、1日5分でもいいので、ものを元の場所に戻す“リセットタイム”を設けましょう。
疲れているときは、脱いだものを脱ぎっぱなし、出したものを出しっぱなしにしてしまいますが、5分だけでもいいので
・食事するテーブルの上をキレイにする
・ゴミをゴミ箱に捨てる
・床に散らばったものを片付ける
といった時間を作りましょう。それも面倒くさい人は、床に置いたものを端に寄せるだけでもOK。5分がむずかしいなら1分でもいいので、毎日習慣化することが大切です。
「出しっぱなしタイプ」さんは、片付けようとしても他のことに気を取られてしまうことがあるため、“リセットタイム”にはタイマーを使うのがおすすめです。
また、出したものを元に戻せないのは、定位置を決めていないことが原因の一つ。収納場所を決めて、名前を書いたマスキングテープでラベル付けすると、使ったものを片付けるクセがつきやすくなります。
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よく使うものは、ワンアクションで出し入れできる場所に収納しましょう。
「衝動買い」がなかなかやめられないときは?
衝動買いがなかなかやめられない人は、必要なものを買うことではなく、ものを手に入れるという一時的な快楽がクセになっている可能性があります。
そのため、例えば…
・買う前に必要かどうか考える(何に使う? 同じものを持っていない? 他のもので代用できない?など)
・“買い物リスト”を持参し、書いてあるものしか買わない
といった対策をしてみましょう。また、衝動買い、無駄買いの原因を減らすことも重要です。
最後に、片付けられずに悩んでいる人はあなた一人ではありません。家事代行に依頼したり、友人や家族に手伝ってもらうのも一つの手。まずは、片付けられない自分をよく理解することが“汚部屋改善”への近道です。
イラスト/いしかわひろこ
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床が見えないほど部屋が汚すぎて、片付けたくてもあきらめモードになっていませんか? 今回は、そんな汚部屋を効率よく片付ける方法を解説します。
[ 監修者 ]