ストレスが消える「家事のやめ方」|がんばらないほうが快適に!
やらなきゃ! と思いながらもはかどらない家事。毎日のストレスになっていませんか? こだわりを手放す “がんばらない方法”なら、家事の負担も心も軽くなって暮らしも整います。
目次
からだにいいこと読者268人に聞いてみました
読者の約9割が、家事がストレスだと回答。家事が負担なだけでなく、心の余裕のなさや、がんばっても認められないことに悩む声も。
家事をがんばらなければ、心の負担は軽くなる!
「多くの女性が“やって当たり前”という思い込みや“こうすべき”というこだわりに縛られて、余計な家事までこなしています」と、生活コラムニストのももせいづみさん。
いくらやっても終わらない家事。まじめな女性ほど1人で抱え込み、自分で自分を追い詰めてしまいがち。
「家事は快適に生活するためにやるもので、がんばりすぎて心の余裕をなくし、イライラしてしまっては本末転倒です。自分を犠牲にしてまで家事をやる必要はありません」
家事のストレスを減らす第一歩は、努力の方向を“やる”から“やらない”に変えること。
「やって当たり前と思っている家事のなかには省いてもいいもの、効率化できるものも。発想を転換し手間のかかる家事を減らしていけば、心と時間に余裕ができます。がんばらないほうが、暮らしは整いますよ」
自分を縛る思い込みやこだわりを手放し、家事をがんばらない生活に変えていきましょう!
家事をやめられる4つのヒント
多くの女性の心を縛る“しがらみ”。4つのヒントで「家事をやめる」思考にスイッチを!
ヒント1 「思い込み」を捨てる
家事がストレスになる原因の1つが、自分自身の思い込み。思い込みを捨てれば心がラクに。
家事をがんばる人に多いのが、“こうすべき”というこだわり。本やネット、SNSの情報を見すぎるのも、余計なルールを増やす要因に。役立つものは取り入れつつ、「自分が快適ならオッケー」と割り切ることが大切です。
1人で家事を引き受けて「誰も手伝ってくれない」と感情的になっても、自己嫌悪に陥るだけで何も解決しません。家庭という“組織”のマネージャーになったつもりで、ラクしたり家族に手伝ってもらえたりする方法を考えて。
そもそもすべての家事を完璧にこなすのは難しいもの。大切なのはできない自分を責めるのではなく、できていることに目を向け、できた自分を褒めること。苦手な家事は、やらないで済む方法を考えるか、家族などにお願いしましょう。
やる気が出ないときは、朝のうちにその日の目標を書き出し、できたら大きな花丸をつけて「がんばったね」「よくやったね」と自分を褒めて! 必ず達成できる、小さな目標にするのがポイント。
ヒント2 「やりすぎ」を見直す
まじめに取り組むほど、不要な家事まで掘り下げがち。心当たりがないか振り返ってみて。
マイルールが多すぎる
“こうすべき”というマイルールが多すぎると、ルールにがんじがらめになり、家事の負担も心の負担も増大! マイルールを作るなら「これだけは譲れない」ことだけに絞って。
手順が複雑で時間がかかる
家事を掘り下げるほど、手順がどんどん複雑化。時間や手間がかかるうえに、まわりの人に手伝いをお願いしにくくなります。手順はできるだけシンプルにするのが、やりすぎ防止に。
人のやり方が許せない
人がやった家事に対してわざわざやり直しをするのは、マイルールに縛られすぎの傾向が。「家事のスタイルは人それぞれ」と大らかに構えることが、自分の負担も心も軽くします。
海外と比べても日本は家事をやりすぎ
海外では積極的に外食やテイクアウトを利用する、家事のプロに外注するなど、効率を優先。いっぽう日本では「家事・育児は女性の役割」という考えがまだ根強いことに加えて、清潔好きな国民性から、家事をやりすぎる傾向にあります。
多くのことに電気、水道を使う家事は、やりすぎるとソンやムダを生んでしまいます。
光熱費がかさむ
たとえば洗濯機を2回まわすと、約300リットルもの水を消費することに。家事をやるほど光熱費がかかるため、節約の面からも、家事は最低限にするのが鉄則です。
ゴミ、排水が環境を汚す
家事はゴミや排水を出す行為の1つ。やりすぎると、地球環境にさらなるダメージを与えます。家事を減らすことはエコにもつながるため、家事のしすぎはNG!
ヒント3 「思考グセ」を直す
脳に負担をかけ、心の余裕を奪う“無意識”の思考グセ。意識的に変えていくことが大切です。
思考グセは、日々の行動で変えることができます。できることからやってみて!
頭の中で家事のことを考え、「やらなきゃ」と“そわそわ”するだけで大きなストレスに。そわそわする時間を少しでも減らすことが、心の余裕につながります。
生活空間にいると目に留まったことに手をつけてしまい、心と体が休まりません。思い切ってその場を離れて、気になることが視界に入らないようにしてみて。気持ちを切り替えやすくなります。
脳の容量には限界があり、多くのことを記憶できません。今すぐやらなくていい家事はメモしておき、余裕のあるときに1つずつ手をつけて。メモにあることだけやることが、“キャパオーバー”を避けるコツ。
朝起きたり帰宅したりして、すぐに家事に手をつけると気持ちだけが前のめりに。心に体がついていかずイライラが募ります。まずはお茶を飲んで心を落ち着けるなど、意図的にひと呼吸置きましょう。
「食事の準備をしなくちゃ」と漠然と考えても、体は動きません。立ち上がる→キッチンまで歩く→鍋を火にかける……と、まずは具体的な行動をイメージして。重い腰を上げやすくなります。
ヒント4 「やめ家事」を増やす
日常の家事のなかには、やらなくていいものもいっぱい。まずは、どれか1つでもやめてみて。
朝ご飯に火を使うのをやめる
忙しい朝に、火を使った調理をするのは大きな負担。主食(ご飯やパン)とお気に入りの調味料、付け合わせなどがあれば十分です。必要なものをトレーにのせて冷蔵庫に入れておけば、サッと出し入れできて便利。
献立作りをやめる
ポイントは、献立を考える時間自体をなくすこと。「木曜日はカレー」「土曜日はパスタ」など、曜日でざっくり献立を決めるとラク。たった1日でも献立を考えない日があれば、心身の負担が軽くなります。
作り置きをやめる
作り置きは菌が発生しやすく、手間をかけた割に家族からは「また同じもの?」と不評なことも。旬の生野菜に、お気に入りの塩やみそ、ドレッシングをつけて食べたほうがおいしく、栄養価も高くて◎。
外干しをやめる
洗濯物はできるだけ洗濯機の近くに干したほうが、運ぶ必要がなくてラク。突っ張り棒などを利用して、近くに簡易な物干し場を作りましょう。扇風機や除湿機を使えば乾きが早いうえに、生乾きのにおいも防げます。
畳むのをやめる
毎日使う下着類は、ボックスへの放り込み収納がラク。家族がいる場合、各自のボックスを用意すると自己管理の意識も芽生えます。シャツなどのトップスはハンガーに干し、そのまま片付ければ簡単。
すべての部屋の掃除をやめる
こまめに掃除したほうがいいのは、ホコリやカビが発生しやすい台所と寝室。ほかの場所は、汚れが気になったときに掃除すれば十分。どうしても隅々まで掃除したい場合は、曜日を決めてやりましょう。
使いやすい道具を手に取りやすい場所に
掃除道具は、多少値段が高くても使いやすいものに。使い勝手が良く、やる気も出ます。また、掃除道具は戸棚などにしまわず、すぐ手に取れる場所に置いたほうが家族にもお願いしやすくなり、ラクに!
イラスト/ハルペイ
(からだにいいこと2021年6月号より)