マリオネットラインの原因は?筋トレやマッサージで改善する方法
口元から下に伸びる「マリオネットライン」は、目立ってくると老け見えの元凶に……。マリオネットラインの原因となる8つの生活習慣と、顔の筋トレやマッサージなど、セルフケアで改善する方法をご紹介します。
目次
マリオネットラインとは?
マリオネットラインとは、両方の口角からあごに向かって下に伸びているシワのこと。個人差はありますが、30~40代から気になり始める女性が多く、50代以降になるとだんだん目立つようになります。
そもそもマリオネットラインと呼ばれる理由は、人形劇でよく使われるマリオネット人形に似ているから。口を閉じても2本のシワがくっきりと目立つ様子がそっくりなことから、この名前がついたと言われています。
マリオネットラインが目立ってくると、年齢よりも一気に老け顔に見えます。さらに、口元に影ができ口角が下がって見えるので、表情が暗く不機嫌な印象に。
マリオネットラインができてしまう原因を理解し、効果的なセルフケアを正しく実践して、改善を目指しましょう。
マリオネットラインができる原因は?
マリオネットラインができる最大の原因は、筋肉の衰えによる顔のたるみです。次から、マリオネットラインができる原因についてくわしく解説します。
加齢による筋肉の衰え
人は年齢を重ねると、誰でも顔の筋肉が衰え、筋力が低下します。その結果、顔にたるみが生じて全体的に筋肉や脂肪が下がり、口元にマリオネットラインができてしまいます。マリオネットラインの原因には、次の3つの筋肉が関係しています。
口輪筋(こうりんきん)
口輪筋とは、唇の周りを囲んでいるリング状の筋肉。口元の表情をつくる筋肉で、唇を閉じたりすぼめたりするときに使われます。口輪筋は口元の筋膜にくっついているため、加齢により美肌成分が減少し、筋膜が衰えるとうまく使えなくなります。その結果、衰えてたるみ、マリオネットラインの原因になります。
広頚筋(こうけいきん)
広頚筋とは、首にある筋肉のひとつで、口元から首、胸へと広い範囲にある筋肉。口や首の動きに大きく関係しています。広頚筋はそもそも口角を下に引く働きがあります。その筋肉が衰えることで、口角はもちろん頬の脂肪も引き下げてしまい、マリオネットラインをつくる原因となります。
口角下制筋(こうかくかせいきん)
口角下制筋は、下あごのあたりにある表情筋のひとつ。「オトガイ三角筋」とも呼ばれ、上唇と口角を下に下げる筋肉です。口角下制筋が加齢や他の要因によって硬くなり縮むことで、口角が下に引っ張られ、マリオネットラインができやすくなります。
脂肪の重みによる顔たるみ
筋肉が衰えると同時に、脂肪の重みによっても顔全体が下がりたるみが現れることも、マリオネットラインを作る原因に。特に頬は、皮下脂肪が多く重力の影響を受けて口元にたるみが出やすくなります。
マリオネットラインの原因になる8つのNG生活習慣
加齢による筋力低下や脂肪の重みによる顔たるみに加えて、日頃の生活習慣もマリオネットラインの出現を左右します。次から、マリオネットラインの原因となるNG生活習慣を8つ紹介します。当てはまる人は、注意が必要です。
口角を下げる
無表情でいつも口角が下がっていると、口周りの筋肉や頬も気づかないうちに下がり、マリオネットラインに。真顔になると自然と口が「への字」になってしまうもの。普段から意識して、口角をキュッと上げる癖をつけておきましょう。
スマホ姿勢
顔の筋肉や骨格だけでなく、姿勢の悪さも、マリオネットラインに直結します。特にスマホの使い過ぎで首の骨がまっすぐになってしまう「ストレートネック」、猫背などは要注意。背中を丸め、顔が斜め前に倒れた姿勢をとっていると、口元から首にかけて力が入りにくい状態になります。その結果、顔の筋肉がたるんでしまいます。
日焼けや乾燥
日焼けや乾燥によって、肌のハリや弾力が失われることも大きな原因のひとつ。肌を支えるコラーゲンやエラスチンなどの美肌成分のほか、水分や油分も失われることで、シワやたるみを引き起こし、マリオネットラインが深くきざまれていきます。
片方で噛む癖がある
食事のときに片方で噛む癖があると、左右の頬の筋肉がアンバランスに。そのため一方の皮膚にたるみが生じ、マリオネットラインの原因となります。また、よく噛まずに食べる、早食いの人も、口元の筋肉をしっかり使えていないため注意しましょう。
過度なダイエット
過度なダイエットも要注意です。急激にやせることによって、顔の皮膚だけが伸びてたるんだ状態になります。また、筋肉も一緒に落ちてしまうことで、これまでマリオネットラインがなかった人も急に現れる可能性があります。極端なダイエットは、体の健康だけでなく美容の面でもNGです。
無表情
いつも無表情でいると、顔の筋肉が使われずゆるんでしまいます。何もしていないのに自然と口角が下がった状態が癖づいてしまい、マリオネットラインができやすくなります。日頃から表情を豊かにして、表情筋を鍛えておくことが大切です。
頬杖をつく
頬杖をつく癖がある人もマリオネットラインができやすいといえます。頬杖をつくことで、左右の頬どちらか片方に負担がかかり、筋肉の働きに差が出ます。その結果、一方の皮膚がたるみマリオネットラインの原因となります。また、頬杖をつく人は姿勢も悪い傾向があり、ますます悪化させる要因に。
歯ぎしり、食いしばり
寝ている間の歯ぎしりや食いしばりがあると、奥歯を噛むときに使われる口角下制筋(こうかくかせいきん)が硬くなってしまいます。口角下制筋が硬くなって縮むことで、口角が下がり、マリオネットラインとして現れやすくなります。
マリオネットラインのセルフケア方法「筋トレ」
マリオネットラインのセルフケアには、顔の筋トレが効果的です。最大の原因である顔の筋肉を鍛えることで、マリオネットラインの目立たない口元を目指しましょう。
紹介するのは、顔の筋肉を動かしながら「あいうえお」と発声する筋トレ。正しく行うことで、口周りの筋肉、特に咬筋(こうきん)が鍛えられます。咬筋とは頬のエラ部分にあり、食べ物を噛むときに使われる筋肉で、衰えるとマリオネットラインの原因になります。
顔の筋トレ「あいうえおトレーニング」のやり方
(1)目を見開いて、あごを引く。
(2)口角を上げた状態で「あ・い・う・え・お」と、頬を動かしながら声を出す。10回を目安に行う。
「あ・い・う・え・お」としっかり声を出す方が効果的。また、筋トレの回数はやりすぎず、10回でOK。顔の筋肉が疲れない程度に行いましょう。毎日続けるとマリオネットライン改善に効果的です。
30代のほうれい線の原因は「食生活」にあり?皮膚科医おすすめの対処法
マリオネットラインのセルフケア方法「マッサージ」
たるみ引き上げに効果的な「側頭筋(そくとうきん)」のマッサージもおすすめです。側頭筋とは、耳の上のこめかみあたりにあり、顔の表情筋につながっている筋肉です。
マッサージすることで衰えた表情筋を刺激してたるみを引き上げ、マリオネットラインを目立ちにくくします。
「側頭筋マッサージ」のやり方
(1)こめかみ部分の髪の生え際に、両手の指を軽く置く。
(2)そのまま指のハラで髪をかき上げるように、頭頂部に向かって頭皮をマッサージする。上へと引き上げるようなイメージで。10回を目安に繰り返す。
力加減は強すぎず、気持ち良いくらいの強さで。髪の毛自体は引っ張らずに、頭皮から顔の筋肉を引き上げるイメージで行いましょう。マリオネットラインに限らず、全体の顔たるみにおすすめのマッサージです。
マリオネットラインのセルフケア方法「ツボ押し」
マリオネットラインのセルフケアには、ツボ押しも効果的です。毎日のスキンケアにプラスできる、顔のツボ押しを紹介します。
地倉(ちそう)
左右の口角から1cm外側にずれた場所にあるツボ。口周りの筋肉が活性化し口角をキュッと上げてくれます。左右のツボを指のハラで垂直にゆっくり押し、数回くり返します。
頬車(きょうしゃ)
エラの中央あたり、奥歯をグッと噛むと筋肉が盛り上がるところにあるツボ。頬やフェイスラインのたるみ対策になります。両手の指のハラで、イタ気持ちいい程度にゆっくり押し、数回くり返します。
マリオネットラインのセルフケア方法「その他」
顔の筋トレやマッサージ、ツボ押しの他に、習慣にしたい対策やセルフケアを紹介します。ふだんの肌ケアに取り入れることで、マリオネットラインの予防や改善につながります。
保湿
基本的なことですが、たるみのない肌を保つために保湿はしっかりと。保湿が行き届いた肌は、ハリや弾力がうまれ、シワやたるみ改善につながります。加齢とともに肌の水分や油分が失われてしまうので、化粧水や保湿クリームなどでたっぷりとケアしましょう。また、外側からの保湿だけでなく、バランスの良い食事や水分補給で、体の中からうるおいをキープすることも忘れずに。
紫外線対策
紫外線対策もマリオネットラインの予防に欠かせません。紫外線によってコラーゲンやエラスチンが破壊されるのを防ぐために、UVケアでしっかりと肌を守りましょう。紫外線は夏だけでなく年中降り注いでいます。日焼け止めクリームは冬でも塗り、日差しが強いシーズンは日傘や帽子などを活用しましょう。
よく笑う
よく笑うことで、口周りや頬など顔の筋肉が自然と鍛えられます。口角も上がるので、日頃から無表情に気をつけ、笑顔を絶やさないことはとても大切です。また、マリオネットラインは笑っているときには目立ちにくいので、常に笑顔でいることは若見えのポイントになります。
マリオネットラインをごまかすメイク方法
マリオネットラインを今すぐ消し去りたいときは、メイクでごまかすのもひとつ。次から、マリオネットライン対策になるメイクテクを紹介します。
チークの位置を高めにする
チークを入れるときは、頬骨より少し高めの位置から斜め上に入れます。頬を高く見せることで、たるんだ顔が全体的に引きあがり、マリオネットラインに視線がいきにくくなります。
リップライナーで口角を上げる
リップライナーを使って、下がった口角を上げましょう。チークと同じで、口角がキュッと上がっていると顔全体が引き上がって見え、マリオネットラインが目立ちにくくなります。また、若々しく元気な印象にもなるのでおすすめです。
コンシーラーで隠さないこと
マリネットラインを消したいからといってコンシーラーで隠すのはおすすめできません。理由は、マリオネットラインのシワにコンシーラーが入り込み、余計に目立ってしまうから。
ただし、マリオネットラインに直接使うのではなく、口元のくすみ対策に使えば、口角が上がって明るい印象になります。自分の肌よりも明るめのコンシーラーを口角の下に塗り、上に向かってくすみを隠すように指でぼかしましょう。
マリオネットラインに効果的なプチ整形
「マッサージや筋トレでマリオネットラインが消えるのを待てない」という人には、プチ整形という手もあります。マリオネットラインに効果的な4つのプチ整形がこちらです。
ヒアルロン酸注射
肌の水分を保つジェル状の物質「ヒアルロン酸」を皮下に注射する方法。肌の内側からふくらみをもたせ、シワを目立たなくします。ヒアルロン酸は人間の体内にもともとある成分で、保水力にすぐれています。メスを使わないプチ整形として人気。デメリットは、効果が永久ではないこと。注入されたヒアルロン酸は体内に吸収されるため、持続期間が限られます。
グロースファクター注入
体内にもともとあるタンパク質の1種「グロースファクター」を注入し肌を活性化させる方法。グロースファクターの働きによりコラーゲンを増やし、肌のハリを回復させます。ヒアルロン酸注射と違って、体内で作られたコラーゲンは吸収されないので、効果が持続しやすく、より自然な若返りを目指したい人におすすめです。
糸リフト
糸を挿入し、皮膚のたるみを直接引き上げてリフトアップする方法。物理的に皮膚を持ち上げるため、即効性があるのが特徴で、切らないリフトアップ治療として人気。ただし、術後にひきつれを感じる場合も。徐々になじんでいくといわれますが、施術はクリニックの医師とよく相談しましょう。
ハイフ
皮膚内部にある筋膜に、超音波の熱エネルギーを照射する方法。熱エネルギーによる損傷を自らが治そうとする働きによって、自然とコラーゲン生成が促進されます。肌にハリが生まれるので、マリオネットラインの改善はもちろん、顔全体のリフトアップにつながります。
まとめ:マリオネットラインの改善・予防は生活習慣の見直しから
マリオネットラインの原因は、加齢によるたるみと共に、日頃の生活習慣も大きく影響します。ご紹介した8つのNG生活習慣を見直すだけでも効果的です。
顔の筋トレやマッサージなど、自宅でできるセルフケアを取り入れながら、マリオネットラインが目立ちにくい若々しい肌を手に入れましょう。
[ 監修者 ]