喉が詰まる感じ、違和感の原因は?自分でできる対処法と漢方薬
喉に異物感や違和感がある、喉が詰まる感じは、ストレスや生活習慣、病気などで起こることがあります。原因により、セルフケアで楽にすることもできます。喉が詰まる感じがしたときの対策、漢方薬などを解説します。
目次
喉が詰まる感じが起きる原因は?
喉に何か引っかかっている感じ、喉が詰まる感じがする場合は、様々な原因が考えられます。今感じている違和感の原因を知ることで、適切に対処することもできます。まずは原因として考えられるものをご説明します。
ストレス
喉が詰まる感じの原因としてあげられるのが、ストレスです。喉が詰まる感じは、心配事や不安、イライラが続くなど、日常的にストレスを感じている人に起こりやすくなる場合があります。
食道や胃などの消化器官は、自律神経によってコントロールされています。ストレスが慢性的にかかると自律神経の働きが乱れ、食道や喉の働きが悪化。そのため、喉が詰まる感じがすることがあります。
アレルギー
アレルギーなどで喉が詰まる感じがあらわれることもあります。気管支喘息は、炎症により気管支が狭くなることで、呼吸が苦しくなる疾患です。
炎症によって気管支が腫れたり、痰が分泌されたりするだけでなく、気管支の周りの筋肉が縮もうとするため喉が詰まった感じが起こります。また、アレルギー性鼻炎でも、鼻水が喉に流れることで喉や気管支を刺激することがあります。
感染症
風邪やインフルエンザなどの感染症では、喉の奥に炎症を起こすものも存在します。特に、咽頭炎や扁桃炎などの症状があると、赤く腫れて、喉が詰まる感じや痛みなどを伴います。
冬の乾燥した空気の中で過ごすと、風邪をひきやすくなります。喉が詰まる感じがあったら、体調に注意しましょう。
逆流性食道炎
喉が詰まる感じは、「逆流性食道炎」の可能性も考えられます。これは、胃酸が食道へ逆流することで、食道に炎症が起きる病気です。胃酸はとても刺激が強く、食道だけでなく喉も傷つけられることがあり、喉が詰まる感じも引き起こされます。
胃酸が逆流する原因として、慢性的なストレスや食生活の乱れなどがあります。夜遅くに夕食を摂る方、食べてすぐ寝る習慣がある場合は、逆流性食道炎を起こしやすくなります。食事や就寝の時間を見直してみましょう。喉の違和感以外に、胸焼けや胃酸の逆流を感じる場合など、他にも逆流性食道炎の症状がある人は気をつけましょう。
喫煙や飲酒
喫煙や飲酒も喉のためには注意が必要です。タバコ、アルコールなどによって咽頭が刺激されることで、のどの違和感につながることがあります。嗜好品は健康のためにもほどほどにしてください。
誤って異物を飲み込んでいる
あまり多くはないですが、気づかないうちに異物を飲み込んでいる可能性もあります。ピーナッツや魚の骨などのかたい食材、錠剤やカプセルなどの薬といった異物が喉に詰まっていると、喉の違和感の原因になることもあります。高齢者や飲み込む力が弱くなっている人は、特に注意が必要です。
喉が詰まる感じの対処法は?
喉が詰まる感じが続くと、仕事をしていても家事をしていても、一日中違和感が気になって仕方がないですよね。日常生活でも煩わしさを感じることが多くなります。次からは、そんな喉が詰まる感じを和らげる対処法を解説します。
うがいをしてみる
喉が引っかかっている感じや違和感がある場合には、まず、うがいをしてみると良いでしょう。実際に喉に異物が詰まっている状態であれば、うがいをすることで詰まりが解消する可能性もあります。
また、風邪などの感染症予防法として、うがい・手洗いは基本です。喉が詰まる感じを予防するためにも、普段からうがい手洗いを習慣にすることも重要です。うがい以外にも、よく噛んで食事をする、薬を飲むときには十分な水で服用することも注意してみましょう。
さらに、医薬品・医薬部外品の「のど飴」が有効な場合もあります。お近くの薬局で薬剤師に相談してみるのもいいでしょう。
漢方薬を使ってみる
漢方の考え方として、喉が詰まった感じを「梅核気」(ばいかくき)と表現することがあります。梅核気は、ストレスや精神的症状が原因と考えられています。漢方薬では、「気=エネルギー」の巡りをよくして精神的な症状を緩和し、梅核気を改善する「半夏厚朴湯」(はんげこうぼくとう)がよく使われます。
また、半夏厚朴湯に血流などを改善する効果が期待できる「小柴胡湯」(しょうさいことう)を加えた「柴朴湯」(さいぼくとう)が使用されることもあります。
その他には、喉の乾燥が強い場合に使われる「麦門冬湯」(ばくもんどうとう)、鼻炎や鼻水がともなっているときに使われる「小青竜湯」(しょうせいりゅうとう)でも、喉が詰まる感じが改善されることがあります。
深呼吸をしてみる
喉が詰まる感じを改善するためにすぐできるのが深呼吸です。喉の違和感は、精神的な要因で起こる場合があるため、ストレス対策は重要です。
人間は、強いストレスを感じると無意識に呼吸が浅くなるため、深呼吸をすることで呼吸を整え、リラックスすると良いでしょう。深い呼吸は自律神経をリラックスモードの副交感神経に切り替え、ストレスを軽減する効果が期待できます。
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暴飲暴食を避ける
ご紹介したように逆流性食道炎が、喉が詰まった感じの原因になることがあります。逆流性食道炎は、食べすぎや早食いのクセがある人、脂っこいものやアルコール、炭酸飲料が好きな人、肥満体型の人がなりやすいと言われます。そのため、喉が詰まる感じがする場合には、暴飲暴食を避けて、胃に負担がかからない食事をするように心がけましょう。
喉が詰まる感じを予防するには?
喉が詰まる感じと生活習慣の質は関係していることが多く、原因によっては症状を予防することが可能です。こちらでは、喉が詰まる感じを予防するための生活を紹介します。
ストレスを溜め込まない
過度なストレスを感じると喉が詰まる感じの原因になることがあります。日頃からストレスを溜めないようにしましょう。自分の好きなことをする時間を持つ、人と話して悩みを解消するなどしてみると良いでしょう。ストレス発散のためにお酒を楽しく飲むのも良いですが、飲み過ぎには注意してください。
ストレス対策として、運動もおすすめです。適度な運動には、心と体をリラックスさせたり、睡眠の質を改善したりする効果があります。1日20分を目安に散歩やウォーキングをしてみましょう。
生活習慣を改善する
喉が詰まる感じの原因のひとつ、逆流性食道炎はストレスや暴飲暴食など生活習慣の乱れによって起こる病気です。バランスが取れた食事に改善して、ストレス対策をすることで、逆流性食道炎を予防できます。
また、生活習慣を改善して規則正しい生活を送ることで、メンタルが安定。ストレスにも強くなります。栄養バランスの良い食事と、適度な運動習慣、適切な睡眠時間をとることを心がけてください。喉のためには禁煙をして、飲酒を控えることも大切です。
アレルギーの原因に注意する
気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギーを悪化させる原因として、ハウスダストやダニ、ペットの毛などがあります。
そのため、部屋をこまめに掃除する、布団を干す、カーペットを敷くのをやめるなど、アレルギーの原因物質を除去することで、喉が詰まった感じが改善する可能性があります。ただしこれは、アレルギーが原因の場合に限ります。
また、食物アレルギーによって喉が詰まる感じがすることもあるので、アレルギーの有無をチェックしておくことも必要です。
喉が詰まる感じが改善しない場合は医療機関へ
喉の違和感には、まずはご紹介したようなストレス対策や生活習慣の改善などを行ってみてください。それでも喉が詰まる感じが改善されない場合や、症状がひどくなる場合は、注意が必要です。中には、疾患が隠れている場合もあるので、早めに耳鼻科などの医療機関を受診してください。
まとめ:喉が詰まる感じは体からのサインの可能性も
喉が詰まる感じが続く原因として、ストレスや逆流性食道炎、アレルギー性疾患、風邪などの感染症、喉に異物が詰まるなどが考えられます。
喉が詰まる感じの対処法として、ストレス対策や暴飲暴食を避けるなど生活習慣を見直してみましょう。
また、「半夏厚朴湯」などの漢方薬によって喉が詰まる感じが和らぐ場合があります。市販の漢方薬を試してみてもいいですが、初めて使う場合には、お近くの漢方薬局などに相談を。自分の体調や体質に合った漢方薬を薬剤師に相談してみてください。対策をしてもなかなか改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
喉が詰まる感じは、体調が万全ではないという、体からのサインかもしれません。できるだけ早く改善するために、まずは自分の体と向き合ってみましょう。
文/廣瀬安國
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