自律神経からくる肩コリ・頭痛に「タオルで首のばし」ストレッチ
そのつら〜い肩コリや頭痛のお悩み、自律神経の乱れが原因かも!? 最近増えているストレートネック、いわゆる“スマホ首”で神経が圧迫されている可能性があります。タオル1本でできるストレッチで改善を!
目次
自律神経にもっとも影響する部位を効率的にストレッチ
「スマホを見ている人のほとんどが、首が前へ出た“スマホ首”の状態。これを改善すれば、肩コリや頭痛などの不調も軽減します」と話すのは、自律神経に詳しい医師の久手堅(くてけん) 司さん。
「スマホ首では深い呼吸ができず、浅く速い呼吸になります。すると常に交感神経が優位の“緊張状態”に。また、頭の重さが首に過度にのしかかり、頸椎(けいつい)を圧迫。中を通る自律神経も影響を受けて乱れやすくなります」
スマホ首を直して、つらい肩コリや頭痛を軽くするのが、久手堅さんが考案した「タオルで首のばし」。
「これにより、“自律神経の中枢”といわれる頸椎の1、2番目のつなぎ目がストレッチされ、姿勢も改善。肩コリに関係する脇の下の筋肉や肩甲骨まで幅広く動くので、症状が軽くなります」
1日何回のばしてもOK。スマホを見たあとや、長時間座りっぱなしだったときなどに行うと効果的です。
「このほか、荷物は両手で交互に持つ、肩かけかばんではなく背中にフィットするリュックを使うなどすれば、さらに正しい姿勢に。自律神経も整いやすくなりますよ」
“スマホ首”を正せば、自律神経は整う
[○]自律神経が正常に働き、肩や首の不調が少ない
人間の頸椎は本来、なだらかなS字カーブ。まっすぐなスマホ首と比べて、首や肩への負担が分散されます。肩や首の不調が少なく、自律神経も整います。
[✕]首や肩が圧迫され、自律神経が乱れる
スマホやパソコンを長時間見ていると、つい猫背に。首が前へ出る姿勢では、頭の重みで首や肩が圧迫され、頸椎の中を通る自律神経が乱れる原因に。
こんな症状にも!
【疲れ目】交感神経をなだめて筋肉の緊張を取ると◎
姿勢の悪さやストレスで交感神経が働きすぎると、目の筋肉が緊張し、ドライアイや疲れ目に。副交感神経がオンに切り替われば症状が軽く。
【めまい】気圧や寒暖差への過剰反応を防いで改善
“原因不明のめまい”は、交感神経が気圧や気温の変化に過剰反応して起こることも。その場合は体のゆがみを整えて交感神経をなだめれば、症状が改善。
【腰痛】 “自律神経の通り道”のゆがみを整えると改善
自律神経の通り道である脊椎は、脳から骨盤までを支えている。骨格のゆがみを解消して自律神経が整えば、おのずと腰痛も緩和されることに。
肩コリ・頭痛に効果的な「タオルで首のばし」のやり方
1. 後頭部の下にタオルをあて斜め上へ引っ張る
フェイスタオルの両端を持ち、後頭部から耳の下に当てる。首を斜め30度上へ向け、タオルも同じ方向へ引っ張る。首はタオルと押し合うようにして、30秒キープ。
2. 首とタオルを斜め下へ向け、タオルを引っ張る
首とタオルを斜め30度下へ向け、タオルを引っ張る。このときも首がタオルに押し負けないようにして、30秒キープ。首を痛めないよう、角度や強さは無理のない範囲で。
外出先でもできる!スマホ首におすすめ の+αテク
タオルがないときも手軽にできるプラスαのテク。肩に力が入っているときや背中が丸まっているとき、気づいたらこまめに行って。
耳回し
左右の耳たぶの少し上を水平に引っ張り、前へ5回ぐるぐる回します。これによって血流が良くなり、頸椎や顎関節、頭皮など顔まわりの関節や筋肉の緊張がゆるみます。
腹式呼吸
まず下腹に手を添え、3秒かけて鼻から息を吸い、お腹をふくらませます。3秒止め、6秒かけて口から息を吐ききって。副交感神経を優位にする効果があります。
イラスト/てらいまき
(からだにいいこと2021年4月号より)
首の筋肉が痛い…、こりが取れない…。首こりは長時間の悪姿勢や目の疲れなどがきっかけで起こります。首がこりはじめたら早めの対処が大切です。首の筋肉がこる原因や改善するマッサージ、予防法をまとめました。
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