精神科医が実践! 自分を消耗しない「やる気が出ないときのサボり方」
やる気が出ないのはダメな私のせい…そう考えて自分を責めていませんか? 実は、“な~んにもやりたくない”のは、天気やウイルスのせい! 精神科医が自ら実践する「がんばりすぎずに上手に生きる方法」を教えます。
目次
やる気が出ないのは自分のせいじゃない!
「まじめな人ほど、やる気が出ない自分はダメと思いがち。でも、やる気が出ないのは必ずしも自分に原因があるとは限りません」と話すのは、精神科医の平 光源(たいら こうげん)さん。
20年以上も医師をしていて、患者さんが増える時期があると感じています。
「不思議と2月にうつ状態になり、“木の芽どき”といわれる3月ごろにイライラする人が増えます。漢方では、節分が生命エネルギーのゼロ地点。そこからエネルギーが増大し、1年のサイクルが始まります」
「なので、このように自分以外のことに左右され、やる気が出ないのはよくあることなんですよ」
でも、やる気が出ないからといって、簡単に仕事を休んだり家事をおろそかにはできないもの。そんなときのサボり方を厳選しました。できない自分を許してあげてくださいね。
やる気が出ないのには、あなた以外にこんな原因が!
冬に元気が出ないのは、寒さのせい
本来、動物は冬は寒さに耐えてじっと動かず、夏は暑くて疲れるのでゴロゴロしているもの。人は冷暖房を開発して、無理やり春夏秋冬を同じように過ごそうとしていますが、そもそも無理があるのです。
雨が降ると、やる気ホルモンが減!
野生では雨が降ると視界が悪くなり、ほかの動物に襲われてしまうことも。人間の祖先は雨が降ると、その場にとどまり生き延びました。この経験から、雨が降るとやる気が出るホルモンが減るようになっています。
ウイルス感染でうつになることも
ウイルスがうつ病の原因となるたんぱく質を作り出していることがわかっています。うつ病とはゆううつな感情や興味の低下が2週間以上続くことですが、やる気のなさもウイルスの影響かもしれません。
心臓だって、ほとんど休んでいる
心臓は休みなく動いているイメージですが、収縮をしているのは1分間でわずかな秒数。24時間に換算すると、たったの2.4時間ほど。残りの9割の時間を休んでいるからこそ、絶え間なく動き続けられるのです。
やる気が出ないときは、自分を甘やかす“作戦”を!
ご飯を作りたくないとき
作戦:「Bプラン」を実行する
「肉屋でコロッケを買う」、「冷凍チャーハン&ギョーザにする」など、あらかじめご飯を作れないときの“Bプラン”を考えておくと◎。うまくいかないときのプランを用意しておくと、安心して行動に移せます。
仕事に行きたくないとき
作戦:靴を履いてみる
こんな日は仕事に行ってバリバリ働く必要はなし。とりあえず行って帰ってくるくらいの気持ちで、まずは靴を履いてみて。なんとか仕事に向かえそうなら最低限のことだけして帰ってくればOK。
イヤな予定があるとき
作戦:ごほうびを用意する
スタンプカードを作り、イヤな予定をこなすたびにスタンプを押してみて。スタンプが貯まったら自分にごほうびを。すると、ゆううつだった予定さえもゲーム感覚で楽しめるようになります。
“考えすぎない”脳の作り方
考えすぎる性格は直すことができる!
行動だけでなく、考えることでもやる気は消耗されます。考えすぎていると気づいたら「キャンセル、キャンセル」と言って、思考を一度ストップさせましょう。続けるうちに、考えすぎるクセが改善されていきます。
イラスト/ヤマグチカヨ
(からだにいいこと2021年12月号より)