コンビニ食で栄養しっかり「不調消しごはん」|うつ・イライラの予防に
やる気がでない、イライラする、落ち込みやすい…そのメンタル不調の原因は、“栄養不足”かも? 忙しくても、やる気がなくても大丈夫。そんな栄養不足は手軽にコンビニ食で改善しましょう!
目次
まず、あなたの栄養不足度をチェック!
やる気が出ない、イライラする…今感じているメンタル不調は、栄養不足のせいかも知れません。そこでふだんの心身の状態や食生活を振り返り、当てはまる項目に○をつけましょう。
判定! ○ の数が…
0~3の人 ▶栄養不足の心配はなさそう。現状維持を心がけましょう。
4~6の人 ▶栄養不足気味。下の解説を参考に食生活の見直しを。
7~10の人 ▶栄養不足の可能性大! “不調消しごはん”を取り入れて。
栄養をしっかり摂れば、メンタル不調は防げる!
「栄養不足は、イライラやうつといったメンタル不調につながります。感情をコントロールする脳の細胞を作り、適切に機能させているのはたんぱく質などの栄養素。そのため栄養が不足すると、メンタルも不安定になるのです」と言うのは、ホリスティック精神科医の浜野ゆりさん。
とはいえ、栄養バランスを考えた食事を毎日作るのは大変で、ストレスに感じることも。そこで活用したいのが「コンビニ食」です。
「コンビニ食を上手に使えば、イライラやうつなどの不調を防ぐ栄養素をしっかり摂取できます。血糖値の急上昇・急降下はメンタル不調を招くので、糖質を抑えつつ、たんぱく質が摂れる食品を選ぶことがポイント」
「そして朝昼晩の3食に加え、間食を有効活用すると◎。おつまみコーナーの食品は炭水化物が少なめで、たんぱく質が豊富なのでおすすめですよ」
コンビニ食品を使った「不調消しごはん」で、心の健康を保ちましょう!
現代人は意外と栄養不足
白米を主食とした食事や、パスタやパンだけの食事は炭水化物過多に。揚げものなど市販の食品には悪い油脂が使われていることも。
「健康のために」と食事を野菜中心にし、肉・魚・卵を控える人は多いもの。その結果、十分なたんぱく質が摂れず栄養不足に。
栄養不足でこんな不調に…
たんぱく質、ビタミンB群、鉄が不足することで、このような不調の原因に!
イライラ
3つの栄養素をしっかり摂らないと、精神の安定を図る脳内物質が不足した状態に。小さなことでイライラしやすくなります。
うつ
脳内物質がうまく作られないうえ、ストレスが長く続くとビタミンB群をさらに消耗。メンタル不調が進行し、うつになることも。
不眠
脳内物質は睡眠にも大きくかかわっています。そのため3つの栄養素が不足すると睡眠のリズムが崩れ、睡眠の質が低下することに。
更年期症状
女性ホルモンがきちんと作られなくなり、更年期症状やPMSが出やすくなります。30~40代からは、次に紹介する3つの栄養素を意識して摂って。
栄養不足を防ぐために摂るべき3つの栄養素
たんぱく質
人間の体の主な原材料はたんぱく質。そのためたんぱく質が不足すると脳細胞の働きが低下し、女性ホルモンなどもきちんと作られません。動物性・植物性の両方が必要。
ビタミンB群
ビタミンB群は、精神の安定や意欲にかかわる脳内物質「セロトニン」「ドーパミン」「ノルアドレナリン」の代謝に不可欠。また、ストレスを感じるとビタミンB群を消耗します。
鉄
ビタミンB群と同様、精神の安定や意欲にかかわる脳内物質の代謝に必要。さらに、鉄が不足すると体内が慢性の酸欠状態になり、冷えやコリ、痛みが起こりやすくなります
3つの栄養素をしっかり摂るポイント
[たんぱく質を1日「体重(kg)×1g」 摂る]
1日に必要なたんぱく質量は「体重(kg)×1g」。肉・魚・卵のたんぱく質10gはおよそ手のひら1杯分なので、これを目安に食べましょう。たんぱく質をしっかり摂れば、自然とビタミンB群と鉄も摂れます。
例:体重50㎏の人に必要なたんぱく質は1日50g。たんぱく質10gの目安は手のひら山盛り1杯。
[主食より多く野菜や海藻を摂る]
主食より野菜、海藻、きのこ、ナッツ・シード類を多く摂ると〇。特に緑色の濃い葉物野菜やブロッコリー、のりは葉酸が豊富。そのほかのビタミンB群と鉄は赤身魚や貝類などのたんぱく質で補いましょう。
コンビニ食で「不調消しごはん」
コンビニ食を活用して3つの栄養素をしっかり摂り、不調を防ぎましょう。
おすすめのコンビニ食品はこれ!
そのまま食べたり、トッピングしたり。手軽に栄養が摂れる食品をご紹介します。
ゆで卵・温泉卵
3つの栄養素を含み、手軽に食べられるのが魅力。
ベビーチーズ
たんぱく質とビタミンB群が豊富で、おやつに食べやすい。
サラダチキン
高たんぱく・低脂肪で、疲労回復をサポート。
ツナ缶
缶詰だけでなく、小分けパックタイプもあって便利。
さば缶(水煮)・いわし缶
みそ煮・しょうゆ煮は避け、水煮やオリーブオイル漬けを選んで。
冷奴セット
薬味やトッピング、たれが付いているので調理不要。
茶碗蒸し
一品で卵、肉、えびなどが摂れる。温めても冷たいままでもOK。
豆乳
無調整がベター。ただ、味に慣れるまでは調整豆乳でも。
プレーンヨーグルト
おやつに取り入れるのがおすすめ。飲むヨーグルトも〇。
チルド総菜
調理済みで日持ちし、メインのおかずにもなる。
コンビニ食品を組み合わせて栄養満点に
おにぎりの具は、ツナや鮭といった魚のほか、肉・卵を選んで。おにぎりの前に冷奴や茶碗蒸しを食べると、血糖値の急上昇を防ぐと同時に、たんぱく質も摂れます。
もともとサラダチキンやツナなどが入ったサラダもありますが、さらに、さば缶やゆで卵などをトッピング。野菜や海藻と一緒に、たんぱく質を摂ることができます。
さばや鮭の塩焼きといったチルド総菜を活用すれば、和定食が簡単に作れます。枝豆の塩ゆでを小鉢替わりにすると、さらにたんぱく質を補えます。ご飯は控えめにしましょう。
注意したい! コンビニの食品 & 調味料
栄養補給に最適に見えて、実は逆効果…。そんな食品&調味料を紹介します。
野菜ジュース
砂糖無添加でも糖分が多く、血糖値が急上昇した後、急降下。メンタルが不安定に。
揚げもの
衣が糖質なうえ、油が衣にしみ込んで高カロリーに。油が酸化している恐れも。
加工肉・練り物
砂糖や塩などの調味料のほか、つなぎとして、でんぷんが加えられている。
肉まん
つなぎや皮が大部分を占め、肉は少ない。たんぱく質があまり摂れず、糖質過多に。
甘辛味のもの
みそ煮・しょうゆ煮、蒲焼き風、たれ味などの甘辛味は、かなり砂糖が入っている。
ドライフルーツ
乾燥させているぶん、1gあたりの糖分が増加。少量のカットフルーツのほうが〇。
ソース
マイルドな味にするため果物や砂糖を追加している。特にとんかつソースは要注意。
ケチャップ
ブドウ糖や果糖などで甘みをつけているので、使うときは控えめに。
ごまだれ
ごまはたんぱく質が豊富だが、市販のごまだれは砂糖などの甘味料が入っている。
イラスト/くぼあやこ
(からだにいいこと2021年10月号より)