食べてないのに太るは嘘?やせられない5つの原因と食事のコツ
「食事制限をしてもやせない」という人は、食べ方や体の状態に問題があるかもしれません。今回は、食べていないのに太る原因や、健康的な食事の摂り方について解説します。生活習慣を改善して、やせ体質を目指しましょう。
目次
食べてないのに太るのは嘘!? その原因は?
そんなに食べていないはずなのにやせるどころか、なぜか太ってしまう……。ダイエット中に、そんな悩みを抱えている人は少なくありません。
実は「あまり食べてないのに太ってしまう」という人には、共通する原因があります。
基礎代謝の低下
「あまり食べてないのに太る」という人は、基礎代謝が低下している可能性があります。
基礎代謝とは、私たち人間が体を維持するために必要な最低限のエネルギーのことです。
基礎代謝が高いと、1日に消費できるエネルギーの量も増えます。一方、基礎代謝が低くなると、同じ運動量でも消費するカロリーの量は少なくなり、やせにくくなるのです。
基礎代謝が低くなる原因として、加齢や筋肉量の低下が考えられます。一般的に、基礎代謝は12歳から17歳頃をピークに低下するといわれています。 年を重ねるごとにやせにくいと感じるのは、基礎代謝が落ちているためかもしれません。
また筋肉は、多くのエネルギーを消費するため、筋肉量の多さは基礎代謝を大きく左右します。運動不足や活動量の低下などで筋肉量が減ると、基礎代謝も低くなってしまい、ダイエットをがんばってもやせづらくなります。
過度なストレス
「食べてないのに太る」と感じる人は、過度なストレスを感じている可能性があります。
ストレスを感じると自律神経が乱れやすくなり、体が冷えやすくなります。 体が冷えて体温が下がると、基礎代謝の低下につながり、消費カロリーが減ります。その結果、食事量が変わらないのに太りやすい体になるのです。
以下の項目に当てはまるものがいくつあるか、チェックしてみましょう。1つでも当てはまるものがあった人は、ストレスが原因で基礎代謝が下がりやすくなっていると考えられます。
- 育児や家事で睡眠不足が続いている
- シフト勤務や夜勤などで生活リズムが崩れやすい
- 人間関係でいつも悩んでいる
- 仕事や家事で忙しく、心を休める時間がない
このように心身が緊張したストレス状態が続くと、基礎代謝が下がるだけでなく「コルチゾール」というホルモンが体内で分泌されます。コルチゾールはエネルギーの吸収効率を大きく高める働きがあり、食事量は変わらなくてもやせにくい体質につながる可能性があります。
生理前後などホルモンバランスの変化
女性が食べてないのに太ると感じるのは、生理も関係しています。
女性の体は、ホルモンバランスの変化が起こりやすく、生理前後には、「プロゲステロン」というホルモンの分泌が多くなります。プロゲステロンによって、体はいつもより水分や脂肪を溜め込もうとして、むくみやすくなることがあります。
むくみがひどくなると、太ったように見えてしまうことから「食べてないのに太る」と感じやすくなります。
以下の項目で当てはまるものをチェックしてみましょう。1つでも当てはまるものがあった人は、生理前後のホルモンバランスの乱れによる影響を受け、太りやすくなる傾向にあります。
- 生理前、生理中にむくみを感じる
- 生理前に体調が悪くなる
- 生理前、非常に眠くなる
- 生理前に食欲が止まらなくなる
- 生理前は太りやすくなる
栄養不足
無理な食事制限などの過度なダイエットも、やせるどころか逆に太る原因になっているかもしれません。
食事内容の偏りは基礎代謝が下がる原因となります。エネルギーの代謝には、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど多くの栄養素が関わっており、食事が偏り栄養が不足すると、基礎代謝が下がってしまいます。
以下の項目で当てはまるものがいくつあるか、チェックしてみましょう。当てはまるものが複数あった人は、栄養不足により基礎代謝が下がっている可能性があります。
- ダイエットのために食事を抜くことが多い
- お腹が空きすぎてフラフラする
- 炭水化物を全く食べない、夕食を抜くなど無理な食事制限をしている
- 同じものばかり食べる傾向がある
- 栄養バランスを考えた食事はしていない
太りやすい食事をしている
「食べてないのに太る」と感じる人の多くは、太りやすい食事をしている可能性があります。代表的なのは、血糖値が急激に上がる食べ方です。
血糖値とは、血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度のこと。食事で糖質を摂ると血糖値が上昇し、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。しかし、このインスリンには脂肪を溜め込む作用があるのです。
早食いや糖質に偏った食事により血糖値が急激に上昇すると、インスリンが過剰に分泌されてしまうため、脂肪を溜め込みやすくなります。そのため、食事量が少なかったとしても「食べてないのに太る」と感じることも多くなります。
普段の食事について、以下の項目で当てはまるものがいくつあるか、チェックしてみましょう。当てはまる項目が多い人ほど血糖値が急上昇しやすく、そんなに量を食べていなくても、太りやすい食べ方をしているといえます。
- 早食いだと思う
- 炭水化物が好き
- 食べものを噛む回数が少ない
- 空腹のときにお菓子を一気に食べる
- 食事では、ご飯などの炭水化物から最初に食べる
- ランチは丼やラーメンなどの一品もので済ませることが多い
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CHECK:「食べてない」は嘘!? 実は食べている場合も
「そんなに食べてないのに太る……」と感じている人も多いことでしょう。
ここまでご紹介した原因以外に、以下のような罠が隠れているかもしれません。
・食べたものを忘れている
実は「食べてない」と思っている人ほど、3食以外にちょこちょこと食べていることがあるのです。
私たちは、1日で食べたもののすべての記憶が残っているわけではありません。実際に、昨日の朝から夜まで、何を口に入れたか、すべて覚えていますか? 無意識に食べたおやつや、料理中のつまみ食いなど、忘れてしまうような間食、ムダ食いがあるかもしれません。
・カロリーの過剰摂取
高カロリーの食事を続けていると、あまり食べなくても太る場合があります。そのため食事の回数は増えていないのに太ってしまう原因に。
自分が食べるものには、どのくらいのカロリーがあるのか把握しておくことをおすすめします。カロリーをチェックするには、商品のパッケージに書いている情報を確認したり、ダイエットアプリなどを使ったりして、簡単に調べることができます。
・間食が多い
「食べてないのに太る」という人は、食事よりも間食が多くなっている可能性があります。
3食は軽めに食べ、+αの間食でお腹が満たされることが多い人は、自分が思っている以上に間食で摂るカロリーが多いのかもしれません。特に、甘いものやスナック菓子などがやめられない人は注意しましょう。
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CHECK:病気の可能性はある?
多くの人に当てはまるわけではありませんが、食べてないのに太るときは、病気が隠れている可能性も考えられます。
例えば…
- 卵巣腫瘍
- 子宮筋腫
- 甲状腺の機能低下による疾患 など
急激な体重増加に加えて以下の変化や症状があるときは、医療機関の受診をおすすめします。
- 下腹が急に出てきた
- お腹にしこりがある
- 生理痛が今までになく重い
- 生理の出血が大量で長く続く
- 貧血を伴うだるさや痛み
- 下腹部の痛みと共に腰痛も感じる
健康的にやせるための食事のポイント
やせたいからといって単純に食事回数や量を減らしてしまうと、基礎代謝が落ちて、「食べてないのに太る」という残念な結果に。
次からは、おいしく食事を摂りながら健康的にダイエットするための方法をお伝えします。
タンパク質・脂質・炭水化物をバランスよく摂る
「食べてないのに太る」という人が健康的にやせるためには、まず食事の内容を見直すことが効果的です。
ダイエット中でも、三大栄養素と呼ばれる「炭水化物(糖質)」「脂質」「たんぱく質」をバランスよく摂りましょう。
特に注目してほしい栄養素は、タンパク質です。三大栄養素の中で、最も脂肪に変わりにくいといううれしい特徴を持っています。さらに、筋肉を作るための材料になるため、基礎代謝が高くやせやすい体作りにもつながります。
タンパク質を積極的に摂りつつ、炭水化物や脂質も忘れずに。糖質制限を意識して炭水化物を極端に減らしてしまうと、脂肪を燃やすためのエネルギー源がなくなり、代謝が下がってしまいます。
炭水化物は、食物繊維と一緒に摂ることで吸収がゆるやかになり、太りにくくなります。また、炭水化物よりもタンパク質を多く食べることで、炭水化物は脂肪を燃やすエネルギーになってくれるでしょう。
脂質は体内でエネルギー源として使われる、大事な栄養素。ただし摂りすぎると中性脂肪として体に溜まり肥満のもとになるので、気をつけましょう。
1日3食きちんと食べる
当たり前のようですが、1日3食きちんと食べることも大切です。
空腹状態が長く続くと体は飢餓状態になり、次に食べものを口にしたときに血糖値を急激に上昇させ、インスリンが過剰に分泌されます。
大量のインスリンは糖を脂肪に変えるため、太りやすい状態に。そのため、昼食を抜いたり長時間空腹のまま我慢したりせず、1日3回、なるべく規則正しく食事を摂ることが大切です。
また、食事をするときは、食べる順番を意識してみましょう。まず野菜を食べ、その後にお肉や魚、ご飯と順番に食べるようにすると、血糖値の上昇を抑えられるため、太りにくい食べ方ができます。
やせ体質を目指す! 生活習慣のポイント
健康的にダイエットをするには、食事だけでなく、生活習慣の見直しもポイントになります。生活習慣を整えることで、ダイエット効果も高まります。やせやすい体を作るための方法をいくつかご紹介していきます。
運動や腸活で基礎代謝を上げる
生きるうえで必要なエネルギー量である基礎代謝を上げることで、消費カロリーが増え、太りにくくやせやすい体になります。基礎代謝を上げるためには、以下の習慣を生活に取り入れるのがおすすめです。
・運動をする
カロリーを消費して、血流をよくする効果のある有酸素運動で基礎代謝アップを。ストレッチやヨガ、筋トレのほか、ランニングなどがおすすめです。
・体を温める
体温が上がり血行がよくなると、内臓の働きも活発になり、基礎代謝が上がります。毎日ゆっくり入浴する、レッグウォーマーを着用するなど、体を冷やさない工夫を。
・腸内環境を整える
“第二の脳”ともいわれる腸を整えることで、消化吸収がスムーズになり基礎代謝が上がりやすくなります。腸にいい食べ物を積極的に摂ったり、適度な運動で腸を刺激したりして、腸内環境を整えましょう。
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睡眠をしっかりとる
太らない体作りには、良質な睡眠を規則正しくとることも習慣にしましょう。
睡眠中は、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは筋肉を作ったり、脂肪を分解したりする働きを持っているため、基礎代謝を上げるのに役立ちます。
いくら食事制限や運動をがんばっても、睡眠がとれていないとやせ効果は半減します。そのため、やせやすい体作りには、良質な睡眠を規則正しくとることが大切なのです。
リフレッシュする時間を作る
精神的・肉体的なストレスも、「食べてないのに太る」原因のひとつとなる可能性があります。
ストレスの原因を減らすように心がけるだけではなく、日頃からストレスを溜めないことが大切です。その方法をいくつかご紹介します。
・リラックスできる時間をつくる
ヒーリング音楽やアロマテラピー、肌触りのいい服などに包まれて、リラックスする時間を持つことも、ストレスを溜めない生活に役立ちます。
・体を動かして心をリセットする
心地よい範囲で体を動かすことは、ストレス解消につながります。軽いジョギングや階段の昇り降りなど、無理のない範囲で体を動かし心をリセットしましょう。深呼吸を意識しながらのヨガや、ストレッチもおすすめです。
漢方をダイエットに取り入れて太りにくい体質に
太りにくく健康的な体をつくるためには、食事や運動、心のセルフケアが基本になります。それ以外にも、「食べてないのに太る」お悩みを解決するために、漢方も効果的です。
漢方薬は自然由来の治療薬として、ダイエット外来で使われています。脂肪の吸収を抑えたり、燃焼や排出を促進したりするなど、太りにくくやせやすい体質を目指すことができます。
ダイエットにおすすめの漢方薬
やせやすい体を作ってダイエットを成功させたいという人に、おすすめの漢方薬をいくつかご紹介します。
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):がっちり固太り体型の方向けです。エネルギー代謝を上げて、余分な脂質を便などで排出します。
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):むくみやすい方、ぽっちゃり体型の方向けです。体を温め、体内の余分な水分を排出します。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):婦人科系疾患を持つ女性向きです。女性ホルモンのバランスを整え、血流の停滞に働きかけます。
漢方を選ぶときのポイント
やせやすい体を目指して漢方を始める場合、体質に合った漢方薬を選ぶことがとても大切です。体質に合わない漢方をのむと、効果が出ないだけではなく、場合によっては副作用が出ることもあります。
最近では、あんしん漢方などのオンライン上で完結する漢方薬の処方サービスが人気です。実際に漢方薬局に足を運ぶよりもずっと手軽で時間がかからないうえ、漢方の専門家がAIを使って自分に合った漢方を体質に合わせてきちんと選んでくれます。安心度が高く、効果も期待できるのでおすすめです。
まとめ:食べてないのに太る原因を解決して、やせ体質を手に入れよう
「食べてないのに太る」原因は、必ずどこかにあります。まずはご紹介したような太りやすい食事や過度なダイエットをしていないか、ストレスが原因になっていないかなどを振り返ってみましょう。
そのうえで、正しい食事や睡眠習慣など、できることから始めてみてください。肥満は生活習慣病にもつながります。健康的で太りにくい体づくりを目指しましょう。
[ 監修者 ]
- あんしん漢方(オンラインAI漢方)
- https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=22143zd5kara0001