“48時間以内”がカギ!食べ過ぎた次の日の食事はどう調整する?
食べたものが体内で脂肪に変わるまでには時間がかかります。うっかり「食べ過ぎた」と思ったら、早めに調整すれば大丈夫です! 食べ過ぎた次の日におすすめの食事や、翌日の食事の調整法を紹介します。
目次
食べたものはすぐ脂肪に変わるわけじゃない
ビュッフェやバイキングを楽しんだときや、ストレスで間食をしたときなど、「食べ過ぎてしまった……」と後悔した経験は誰にでもあることでしょう。お腹が苦しくなるほど満腹まで食べてしまうと、罪悪感や焦りなど、さまざまな負の感情が押し寄せてきますよね。
でも、慌てなくても大丈夫。体のメカニズムを知っておけば、落ち着いて対処することができます。食事をした直後に体重を計ったら、増えているのは当たり前のこと。これは、食べたものの重さそのものが反映された数字だからです。
食べたものは、すべてがそのまま体内にとどまるわけではありません。エネルギーとして使われたり、体外に排出されたりする分もあります。また、一時的な食べ過ぎで増えた体重の大半は「水分」なので、それほど心配する必要はありません。
一方で、食べたものがエネルギーとして使いきれない場合は、脂肪としてどんどん蓄積されてしまいます。実際に食事をした後、食べたものが脂肪に変わるまでの時間は48時間、つまり2日間といわれています。食べ過ぎたら、この2日間のうちにリセットすることが重要なのです。
食べ物が脂肪に変わるまで
食べ物が体に入ってから栄養素に変わるまでの流れを、簡単におさらいしてみましょう。
食べ物が体の中に入り細かく分解されることを「消化」、体に必要なものが栄養素として小腸から吸収されることを「吸収」といいます。そして、体に不要なものは便となって排泄されます。
私たちが体を動かしているのは、栄養素を使ってエネルギーを作り出しているから。しかし、この栄養素が全て使われずに余ってしまうと、みなさんご存知の「体脂肪」となるのです。
つまり私たちが食べたもののうち、必要な部分のみが、体を作ったり動かしたりするためのエネルギーとなります。それでも使い切れなかったものが体内に余り、体脂肪となって蓄積されていくというわけです。
食べ過ぎた次の日の食事は「軽く」すればOK
食べ過ぎてしまうことは誰にでもあること。実は、1日くらい食べ過ぎても直接太る原因になるわけではありません。大事なのはその後の過ごし方。基本的には、食べ過ぎた次の日の食事は「軽めに」済ませればOKです。
次の日の食事は、1日全体を通して少なめにすることを意識します。特に、一番太りやすい夜の食事には注意しましょう。夕食を食べた後は活動量が少ないため、エネルギーを消費しづらいからです。
気を付けたいのは主に2点。カロリーセーブと消化のしやすさが鍵を握ります。次から、食べ過ぎた次の日の調整に適した料理を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
低カロリーの料理で帳尻合わせを
食べ過ぎてしまったということは、カロリーを摂り過ぎているということ。カロリーは1日に摂取すべき目安が決まっており、成人女性の場合は2,000kcal程度です。
基本的には、1日の目安を厳密に守るというよりも、1週間などのスパンで見たときの平均が2,000kcalになるように考えていきます。つまり、カロリーを摂り過ぎてしまったときは、その分次の日のカロリーを抑えれば帳尻合わせができ、太ってしまうのを防げるというわけです。
不足しがちなビタミンをスープで補給
低カロリーでおすすめのメニューといえば、スープ。メリットはお腹に溜まりやすく満腹感が得られやすいことです。野菜や海藻類をメインに使っているスープを選べば、カロリーを抑えつつ、不足しやすいビタミンなどの栄養素も補えます。
水溶性のビタミン(ビタミンB群・ビタミンCなど)やカリウムをはじめ、水に溶け出てしまう栄養素もあるので、スープは最後まで飲むのが理想です。ただし塩分を摂り過ぎるとむくみにつながるので、味付けは薄めを心がけましょう。たんぱく質が摂れる卵スープや、野菜をたっぷり使った味噌汁が特におすすめです。
ビタミン・ミネラル補給にはサラダが◎
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が多く含まれています。ビタミンB1やビタミンCは火を通すと壊れてしまいますが、生で食べるサラダなら、栄養素の損失を抑えながら効率よく栄養を摂取できます。
ホットサラダとして温かくして食べたいときは、少しでも栄養が残るように電子レンジの活用がおすすめです。ホットサラダの作り方は、ブロッコリーやにんじんなど好みの野菜を耐熱皿に入れてラップをして加熱をするだけ。かさが減るので、野菜をたくさん摂ることができます。
また、トマトに含まれるリコピンには美容効果が期待されていますが、加熱することで吸収率が高まります。きれいになりたい人にもおすすめの食べ方です。
小腹が空いたらお菓子をやめてフルーツ
フレッシュな果物は自然な甘みを含んでいるので、小腹が空いたときや甘いものが食べたいときにも役立ちます。果物はお菓子に比べると低カロリーなので、食べ過ぎた翌日に甘いものが食べたいときはおすすめです。
そのまま食べてももちろん良いですが、生の果物をミキサーにかけてスムージーにすると栄養素の損失を抑えられるだけではなく、かさが減って量を摂りやすくなります。果物の1日の摂取目安量は200gとされていますが、食べ過ぎた次の日は半分程度に抑えても良いでしょう。
食べ過ぎた次の日におすすめ! 消化に良いメニュー
食べ過ぎたときは、胃や腸などの消化器も疲れています。内臓を休めるためにも、消化に負担をかけないメニューを選びましょう。
アレンジしやすいリゾットで満足感アップ
ごはんをスープで煮込んだリゾットは、量が少なくても満足感を得られやすい料理です。コンソメやトマトスープ、和風、中華風など味付けを変えて楽しめるうえ、野菜や肉魚など具材を変えてアレンジすることもできます。
毎日でも飽きずに食べられ、ダイエット食にもおすすめです。市販のレトルトスープにごはんを入れるだけでも、簡単リゾット風レシピが楽しめますよ。
お腹いっぱい食べてヤセたいなら、オートミールのリゾットがおすすめ! 低糖質で脂質の吸収を抑えてくれる大人気の食材を栄養バランス◎のレシピにしました。レンチンでラクに作れて、飽きずに毎日食べられます。
いつでも食べやすいうどんは冷凍ストックが便利
体調が悪いときでも食べやすいうどんは、消化に良いメニューの定番。冷凍うどんを使えば、手間がかからず日持ちもするので便利でおすすめです。
具材には、よく煮てやわらかくした野菜や、たんぱく質を多く含む卵がおすすめ。食物繊維の多い食材は消化に負担をかけるので、ごぼうやレンコンなどの具材は避けましょう。また、天ぷらや揚げ玉などの油物も消化に時間がかかるので、食べ過ぎた次の日はやめておきましょう。
「プチ断食」を行うなら慎重に
食べ過ぎた次の日は「思い切って食事を抜けばいい」と考える人もいるかもしれません。食事を抜いたり、スムージーのように簡単な食事に置き換えたりすることを断食といいます。断食というとつらく厳しいものに感じるかもしれませんが、短時間かつ体に負担のない範囲で手軽に行える「プチ断食」が人気を集めています。
プチ断食にはさまざまな方法があります。週に2回、普段の食事摂取量の1/4に抑える「5:2ダイエット」や、1日8時間以内に全ての食事を納める「時間枠ダイエット」などが代表的です。
プチ断食は摂取カロリーを抑えられるので、体重が減りやすい、やり方がシンプルで続きやすいなどのメリットがあります。断食といっても全く何も食べないわけではないので、心身に負担をかけるものではありません。だからこそ、食べ過ぎた次の日の食事にはぴったりなのです。
しかし、断食が体に合うかどうかには個人差があり、全ての人に良い効果があるとは限りません。食事を抜いて空腹状態が続くと、体は非常事態だと感じ、エネルギーを溜め込もうとします。これにより体脂肪が蓄積されやすくなり、やせるどころか太る場合もあるでしょう。また、「噛む」という動作がないため、なかなか満足感を得られないのもデメリットです。
断食が体に合わない人は、プチ断食であっても無理に行う必要はありません。その分、食事のカロリーを抑えたり、消化に良いものを摂るように心がけたりすればOKです。
プチ断食のやり方
1週間のなかで数日だけ断食を行うプチ断食であれば、食べ過ぎた次の日を断食日にあてることができます。この方法なら断食のサイクルを守りやすく、大きなストレスもかかりません。
プチ断食を行うときに守るべきルールは次の2点です。
1.摂取カロリー
1日の摂取カロリーは普段の食事の1/4を目安にします。女性の場合は1日に500kcal程度の摂取が目安です。
2.時間
プチ断食を行うときは前日の夕食から朝食までの時間を12〜14時間空けます。
これ以外の日は、食べるものや時間に制限がありません。プチ断食といえども、食事の自由度は高いといえるので、ストレスは少ないでしょう。
断食は続けると逆効果!
食事の量を極端に減らす断食は、やりすぎると脂肪がつきやすい体になってしまう可能性があるだけではなく、ストレスが溜まる原因にもなります。ストレスがかかるとその反動でドカ食いしやすくなり、かえって体重増加に繋がることもあるので注意が必要です。
食べ過ぎたと感じたときは次の日の食事を500kcal程度に抑えて、その次の日からはいつも通りの食事に戻すようにしましょう。
体をリセットできるうえ、気持ちもスッキリする「プチ断食」が人気を集めています。ここではプチ断食の種類を紹介し、それぞれの特徴や方法を解説します。正しいやり方で、減量や体内のリセットに役立てましょう。
食事以外に意識を向けたいポイント
食べ過ぎた次の日は食事の調整はもちろん、他にも気を付けたいポイントがあります。食事を多く摂っているということは塩分も多くなっている場合も。塩分を摂り過ぎるとむくみやすくなるので、対策をすると効果的です。むくみ対策には運動をして血流を促したり、マッサージをしたりなどの方法があります。
また、アルコールを飲んだときは体から水分が減って脱水状態かもしれません。普段から水分補給をしっかり行い、お酒を飲んだ次の日は特に多めに飲むようにしましょう。
このように、食べ過ぎた次の日は食事だけを制限するよりも、生活面にも気を付けることでより効果を高めることができますよ。
水を多めに飲もう
塩分の摂り過ぎやアルコールの影響で顔や足がむくんでいる場合は、コップ1杯の水を飲みましょう。強い刺激を与えないためにも常温や白湯などにして、冷た過ぎない温度で飲むようにしてください。
「喉が渇いた」と感じるときは、すでに体が脱水している状態です。食べ過ぎた次の日は、朝起きたらまずは水分を摂るように心がけましょう。
水分には空腹感を和らげたり、代謝を上げたりする効果もあります。体重や活動量によって異なりますが、1日の水分摂取量の目安量は1.5~2.0リットルです。
ダイエットをしているけど、うまくいかない…。そんなときは水の飲み方を見直してみてください。正しい水分補給は、ダイエット成功の鍵を握っています。管理栄養士の篠原絵里佳さんにくわしくお聞きしました。
食事はゆっくりと噛んで食べよう
ゆっくりと時間をかけて食事をすると、満腹中枢が刺激されやすくなり、食べ過ぎを防ぐことができます。ゆっくり食べるためには、歯応えのあるものを選んだり、一口の量を減らしたり、箸を休める回数を増やしたりといった工夫があります。
早食いは満腹中枢が働きにくく、ついドカ食いしてしまうので太る原因になりがち。普段からゆっくり食べることを意識しましょう。
こまめな運動やマッサージを
消費カロリーが摂取カロリーよりも多いと、体重は減っていきます。食べ過ぎたと思ったときは体を動かして、カロリーの消費を促しましょう。
また、体に老廃物が溜まってむくんでいるときはマッサージで排出を促すこともできます。体が重たいときは休むだけではなく、反対に動かしてみるというのも対処法の一つです。手に少し力を入れて、リンパ液の流れが滞りやすいふくらはぎや足の裏を揉んでみましょう。
食べ過ぎないために気をつけたい食事のとり方
健康的な食生活を習慣化しておくことで、食べ過ぎたときでも無理なく対応することができます。また、肥満や生活習慣病予防など将来の健康のために普段から取り組んでおくことに損はありません。自身の食生活や食行動を見直して始められることから実践してみてくださいね。
腹八分目を心がける
お腹いっぱい苦しくなるまで食事をしてしまったら、カロリーを摂り過ぎているかもしれません。バイキングやビュッフェなどで一時的に食べ過ぎただけであれば問題はありませんが、満腹まで食べないと気が済まないような癖がついてしまうと、体重はどんどん増えてしまうばかり。「ちょっと物足りないな」と感じる腹八分目の量を心がけると、ダイエットにも健康維持にも良い効果が期待できます。
しっかり噛んで食べる
満腹中枢が刺激されるまでには、食べ始めてから20分程度かかるといわれています。早食いの人が食べ過ぎてしまいやすいのは、満腹中枢が刺激されず、物足りなさを感じるためです。
しっかり噛んで食べると食事をゆっくり摂ることができ、食べ過ぎを防ぐ効果があります。生野菜やきのこ、根菜類など噛みごたえのある食材を摂り入れて、時間をかけて食べるように意識しましょう。
野菜から食べる
野菜には食物繊維が多く含まれています。食物繊維には腸内環境を整える働きや、脂質の吸収、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。このような働きから、野菜を先に食べる「ベジファースト」は肥満や生活習慣病の予防に効果が期待されています。1食のなかでの食べる順番を意識して食事を摂ってくださいね。
まとめ:食べ過ぎた次の日は早めに調整してリセットを
1日くらい食べ過ぎたとしても、すぐに体重が増えるわけではありません。食べたものが脂肪に変わる前に、次の日は調整日として食事や行動に意識を向けていくことが大切です。
食べたものが脂肪に変わるのは48時間とされています。エネルギーとして使われずに残る前に、体を早めにリセットしましょう。ここで紹介したメニューや食べ方を参考にして、調整に取り組んでみてくださいね。それと同時に普段の食習慣を見直すことで、これからの自分の健康管理にも役立ちますよ!
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