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マサイ族

野菜いらず!?牛と共に生きるマサイ族の“超”主食|岡崎優子さん アフリカ的健康生活のすすめ

西荻窪でアフリカ雑貨店を営む岡崎優子さん。仕事や遊びで訪れて見聞きした現地の健康法を連載でお届けします。第1回は東アフリカに住むマサイ族の驚くべき主食をご紹介。

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サバンナで伝統的な暮らしを続けるマサイ族

マサイ族

アフリカには55の国がありますが、部族の数は800以上といわれています。中でも、日本でも知られる有名部族の筆頭は、ケニアやタンザニアで暮らすマサイ族でしょう。

古くは1980年、名高達郎が「鍛えれば全身バネになる」と、マサイと一緒にジャンプ(ダンス)をしていたCMがありました。映画のプロモーションやバラエティ番組で来日したこともあるので、ご存じの方も多いのでは?

半砂漠地帯の草原サバンナで、伝統を重んじた生活を続ける彼らは誇り高く、学ぶべきことはたくさんあります。まず、この飽食の時代にあって、彼らの主食は今も牛乳とヨーグルト。搾りたての牛乳を瓢箪に入れて持ち歩き、牛やヤギの放牧に出かけます。聞けば、1日10リットル(!)飲む人もいるとか。

世界一塩分を摂取しない部族!?

まずは瓢箪の中に、火をつけたブラシのような植物の枝を入れて殺菌。そこに生乳を入れるのですが、炭の匂いがなんとも香ばしく、しばらくすると発酵します。搾りたての生乳もフレッシュでおいしいのですが、発酵してくるとなお旨い!

さらに特別な日には、ここに牛の生血を入れます。牛の首元をベルトで締め、浮き出た血管に矢を刺し、勢いよく流れ出る血を瓢箪に溜めていきます。

牛が驚いたように目を白黒させますが、それも一瞬の間。適量いただけば、あとは止血し、牛糞の混じった土を傷口に塗って終了。牛は何事もなかったかのように群れに戻されます。

牛
牛の乳と血はマサイ族の生活に欠かせない栄養源。

生血は生温かく、一瞬ひるみますが、生臭さはありません。味付けは何もしていないのに、血に含まれた塩分がほどよく感じられ、正直、おいしくて驚きます。

ちなみに彼らはこの血で得られる塩分しか摂取しないらしく、世界一、塩分摂取量が少ない民族と言われているそう。

だから大量に牛乳を飲んでも、コレステロール値、脂肪分を摂りすぎってことにはならないようです。病人もすぐ元気になる、究極の栄養ドリンクだと彼らが言うのも頷けます。

最近でこそチャイ(ミルク紅茶)や、他部族の主食ウガリ(トウモロコシの粉で作られた蒸しパンのようなもの)やウジ(オートミール)を食しますが、基本的に野菜を食べない彼らは、牛の乳と血で必要な鉄分、ビタミンを賄います。

日本で発売された超飲料「マサイの戦士」

2000年、大塚製薬がこの驚異的なマサイの主食に注目し、「マサイの戦士」と名付けたドリンクを開発。当時の新聞によると、「世界で初めて、はっ酵乳に植物性乳酸菌(L.プランタラム)を利用した“飲むヨーグルト”」として大々的に売り出されました。

生乳100%、植物乳酸菌、緑茶、ポリフェノールを原料として作られ、タンパク質、ミネラル、ビタミンなど良質の栄養成分を含む「マサイの戦士」は300mlで300円と、少々高い飲み物でしたが(2003年にはパッケージをリニューアル、200mlで200円に)、さらりとした口当たりで後味もすっきり。私は結構好きでした。

ただ、このドリンクはいつの間にかフェードアウト。もしかしたら時期が早かったのかも。健康志向が高くなった今なら、もっと受け入れられたかもしれません。

火起こし
火をおこすマサイの人々。自然のなかで“自然体”で暮らすことが健康の秘訣。

一切の無駄な贅肉がない、細くしなやかな肉体。モラン(戦士)と呼ばれる青年期は眼光も鋭く、人というより動物に近い美しさがあります。

そんな美しい体を作り上げる彼らの食生活を思い出し、過食しがちで成人病に悩まされる食生活を改めなければ、と思います。
マサイ族の智慧や驚くべき習慣はまだまだありますが、これはまた別の機会に。

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