炊事も掃除もラクに!がんばらなくても家が快適になる「しない家事」
面倒な手間は捨てる、余計な作業はしない、とことんズボラでOK! 思い込みも常識も捨てて大丈夫。手抜きでも気持ち良く暮らせる「しない家事」でゆとり時間ができるようになると、自分も家族もHAPPYに♪
目次
ストレスをためるくらいなら、手抜きの選択を
「専業主婦になった当時、毎日の家事が面倒で本当にイヤでした」と話すのは、シンプルライフ研究家のマキさん。
子育てしながらの家事は中断することが多く、どうしてもコマ切れの作業に。それが繰り返される日々に疲れ果てていたと言います。
ある日テーブルの上の料理を見て、その材料がまな板の上で包丁で切られていようが、手でちぎられていようが、「完成品がおいしければそれでいいのでは」と思うように。
「そのとき、家事の工程は手抜きしても、終わりさえきちんと仕上がっていればいいのだと気づきました」
それからは家事作業をコマ切れにして、手抜きできるところは省くように。固定概念も捨てることにしました。
「やめた家事はたくさんありますが、考え方も変えました。たとえば『掃除をしようと思うこと』もやめました」と、マキさん。
手洗いのついでに洗面ボウルをなでるなど、掃除を“意識してやるもの”ではなく、ついで作業に。
「たったこれだけで『やらないといけない』という思いが消えて、気がラクになります」
「手を抜いたぶん、自分の時間を過ごしたほうが幸せ。私が10年かけて研究した、家族にバレない手抜きテクをご紹介します。活用すれば、生活にゆとりが生まれますよ」
マキさんの「しない家事」テク、教えます!
炊事編 〜パターン化でラクになる〜
献立を定型にして、あれこれ悩む時間をなくします。
朝食は長女の進学で昼のお弁当が必要になり、パン派からご飯派にシフト。そこで朝食と昼食作りが1度で終わるよう、おかずは兼用に。朝食用に作っているのはみそ汁だけです。
弁当は、卵焼き+お肉がラク
卵焼きを作ったあとに、そのままお肉を入れて焼くだけ。フライパンひとつで作れるおかずで、洗い物を減らします。
ご飯のおともで飽き防止
しらす、たくあんや梅しそなど、ご飯のおともはいつも8種類ほど用意。プチバイキング気分で楽しく、箸が進みます。
朝食の片付けが終わったら、夕食の材料を冷蔵庫の目立つ場所に集めます。こうすることで、作る直前まで「夕食は何にしよう」と考える時間をなくします。前日の夜に準備してもOK。
平日の夕食のおかずは、メニュー名を決めません。たとえば「チンジャオロースーを作ろう」と思うと、材料と工程が増えます。牛肉とピーマンがあれば、とりあえずそれを炒め、オイスターソースで味つけすれば◎。
豚肉トマト炒め
トマトはざっくり切るだけ。豚肉としょうゆ、みりん、すりおろしにんにくで炒めた1皿。
いかキャベツ炒め
キャベツは手でちぎるだけ。いかは下処理済みのものを活用して、塩こしょうでいただきます。
野菜であれば、にんじん、じゃがいもなどは皮をむいて、火を通さないといけないのであまり使わないそう。代わりにトマト、きゅうりなどは、そのまま食べられるので大活躍。
トマトはへたを取り、洗っておく。ねぎは洗って、切っておく。使うたびに少しずつやるのでなく、まとめて下準備をしておくことで、毎日のご飯作りの効率が良くなります。
食器洗い後は扉つきの収納棚にしまわず、お皿を拭いて、オープンラックにのせていくだけ。扉の開け閉めがないだけで、イヤな気持ちが少しラクになりました。
毎日ほぼ同じ食器を使うので、食器の数が少ないマキさん宅。使用頻度が高いので、オープンラックに置いていても、ほこりがかぶる暇はないのです。
献立をパターン化すると、同じツールを使うように。また、しゃもじとフライ返しは兼用するなど、余計なものは持ちません。
掃除編 〜ついで作業ならラクしてきれい〜
「やらなきゃ」と思うとイヤなもの。“何かのついでにササッと”が正解!
手を洗うときのハンドソープの泡で、洗面ボウルもなで洗い。手で直接触れるので、しっかり汚れを落とせるそう。
手を拭いた直後の水分を含んだタオルで鏡や水栓を拭いて。これを週に1度するだけできれいな状態をキープ。
テーブルが汚れたら、ウエットティッシュで拭き取りを。ふきんを使わないことで洗う手間を省きます。
汚れを蓄積させないことがキモ。油汚れはすぐ取れば、専用の洗剤は必要なし。ピカピカにする必要はなく、「汚れをただ拭き取るだけ」という気持ちでサッと拭き取ればOK。
汚れを見つけたら、ササッと拭き取り。すぐ掃除することで洗剤を使わずにきれいにできます。
お風呂のカビと排水口はサボると掃除が大変。カビ対策には24時間換気扇をまわし、排水口は毎日ゴミだけは取るように。
ソファとテーブルをなくしたことで、掃除がしやすく。大物家具がなくなったことで、その上に無造作にものを放置しなくなり、部屋がすっきり。以前より心地いい空間になったそう。
マット類は洋服とは分けて洗っていたので「前回いつ洗った?」となりがちで、不衛生でした。思い切ってマット類をなくしたことで、洗濯回数が減。掃除もラクになったそう。
きれいに整えられた空間にこそ、花を飾りたくなるもの。だから、先に花を飾ってしまえば、「花が似合う部屋」にしたいという気持ちが働くように。我が家では、花の水替えに便利なので、キッチンや洗面所に花を飾るのが定番になっています。
洗濯編 〜◯◯なくすとラクになる〜
洗濯物だけでなく、ムダな工程もなくしてラクチン。
週1でまとめて洗濯していたときは、タオルや服の数が多く、干すのが面倒に。時間が経ってから洗濯するので、汚れ落ちもイマイチ。そこで毎日洗濯するようにしたら、洗い物の量が一定になり、ハンガーや洗濯ばさみの数も毎回同じでOK。干すときに工夫する手間が省けますよ。
洗濯かごは使わず、洗い物は洗濯槽に直接投入。さらに、その場で干すことで、0歩で洗濯が完了。この方式にしたら洗濯が苦でなくなり、1日1回するように。
以前は、取り込んだ洗濯物がソファに山積みになっていたそう。そこで、たたまずにしまう方法にシフト。「洗濯物をたたまないと」という苦しい気持ちから解放されたとか。
通年ほぼ毎日ワンピースを着ているマキさん。理由は洗濯して干すときも、収納もハンガー1つで完結するうえ、コーディネートを考えずに着られるから。忙しい朝に、服の組み合わせを考える時間をなくし、心に余裕が。
身だしなみ編 〜手間なくきれいに〜
忙しい朝は時短勝負! ムダを省いた動きで“省エネメイク”を。
化粧水などを使うたびにふたを外すのがわずらわしく、ふたなしで収納しているそう。棚の扉がふた代わりになり、ほこりなどは入らないとか。
日焼け止め兼化粧下地やチーク兼リップなどコスメを選ぶときは1品2役のものを。収納スペース、開け閉めの手間が半分で時短に。
撮影/松橋晶子
(からだにいいこと2021年8月号より)