「朝起きたら少し喉が痛い」「イガイガして気になる」。そんなちょっとした喉の不調を感じたときに役立つのが、喉を潤す飲み物です。今回は、コンビニでもすぐ買える喉にいい飲み物と、簡単セルフケアを紹介します。

喉が痛くなる原因とは？

乾燥しやすい季節はもちろん、時期を問わず、突然喉の痛みがあらわれることがあります。喉が痛くなる原因は、日常生活のなかにたくさん潜んでいます。

冷房や暖房による乾燥をはじめ、長時間の会話やカラオケによる喉の酷使、炭酸飲料や香辛料などの刺激物。そして、扁桃炎や咽頭炎のように細菌、ウイルスに感染している場合などさまざまです。

次から主な原因と、簡単な対処法を紹介します。

喉が乾燥している

喉の乾燥の大きな原因は、乾燥した空気です。ビルやオフィスには1年を通して冷房や暖房が入っており、乾燥しやすい傾向にあります。

また、自宅でも喉の乾燥が気になることがあります。最近の建物は気密性が高く、室内外の空気を通しにくいため、空気が乾燥しやすいといわれています。

仕事中の喉の乾燥が気になるときにおすすめなのが、卓上の小さな加湿器。空間を潤してくれるアイテムを有効に使い、季節を問わず湿度を40〜60%に保つように心がけましょう。

また、マスクの着用も喉の乾燥対策に有効です。ただしマスクは喉を潤す効果がある一方、喉の渇きに気づきにくくなるというデメリットも。マスクを常につけている場合は、こまめな水分補給も忘れないようにしましょう。水を飲むことも喉の乾燥予防になります。

喉の使い過ぎ

2つ目にあげられる原因は、大声や長時間の会話による喉の酷使です。カラオケや応援などのあとに喉が痛くなった、という経験はありませんか。他にも声が枯れるといった症状がみられることもあります。

楽しくてつい時間を延長して、歌い続けてしまうカラオケですが、喉を酷使しない程度に時間を決めて楽しむのがおすすめです。また、カラオケの際には水分をしっかり摂りながら楽しみましょう。

スポーツ観戦の応援など大きな声を出すときには、できるだけ首元を冷やさないようにして、飲み物やのど飴で喉を潤しましょう。

食べ物や飲み物の刺激

炭酸飲料やアルコールの飲みすぎも喉に負荷を与えます。アルコールは大量に摂取すると体内の水分が奪われるため、喉が乾燥します。

また、アルコールには血管を広げる働きがあります。喉が腫れているときに飲むと、充血してしまいさらに粘膜を傷つけることもあります。お酒の飲みすぎには注意が必要です。

食べ物では、唐辛子やからしなどが使われている辛い料理も、喉の痛みを悪化させる可能性があります。痛みがあるときは控えるようにしましょう。

ウイルスや細菌に感染している

最後に考えられるのは、細菌やウイルスに感染している可能性です。これは、喉の乾燥からさらに悪化した状態ともいえます。

喉が乾燥すると、粘膜の働きが落ちて細菌やウイルスに感染しやすくなります。実際に感染すると、細胞が破壊されるため痛みがあらわれます。細菌やウイルスによる代表的な症状は、咽頭炎や扁桃炎があげられます。

喉の痛みの原因を３つ紹介しましたが、いずれも粘膜が炎症を起こすことで痛みが生じます。喉が痛いと感じたときは、なるべく早く対処することで悪化を防ぎましょう。

コンビニでも買える！ 喉にいい飲み物5選

喉が痛いと、食べ物を飲み込むのもつらいときがありますよね。食べるよりも手軽に喉を潤すことができるのが飲み物です。

コンビニで手に入る喉にいい飲み物を紹介しますので、自分の体調や好みに合わせて選んでみてください。ただし、いずれも飲みすぎは禁物。

また飲み物の温度は、常温もしくはぬるめの温度がおすすめです。極端に冷たかったり熱すぎたりすると、喉の粘膜を刺激してしまいかねません。

ココア

ココアに含まれる苦み成分の「テオフィリン」には、気管支の拡張作用があります。気管支を広げてくれるので咳をおさめたいときや、喉の腫れがひどく呼吸が苦しいときなどに最適です。

ただ、コンビニに売られているペットボトルや缶のココアには大量の砂糖が含まれています。飲みすぎないように注意しましょう。

砂糖や添加物を含まないココアパウダーを買って、お湯や牛乳に溶かして飲むのがおすすめです。

しょうが湯

しょうがに含まれる辛味成分には殺菌作用があり、喉が痛いときの飲み物としていいでしょう。ただしこれも飲みすぎは禁物。先ほど刺激物が痛みの原因となると解説しましたが、しょうがの辛味成分を摂取しすぎると、それが刺激となります。

しょうがは体を温めてくれる成分でもあり、免疫力の向上や血行改善にも役立つため、量を決めて飲むようにしましょう。しょうが湯は、コンビニ以外にもスーパーなどでも手に入ります。

紅茶

紅茶に含まれる「テアフラビン」には抗菌作用があり、特にインフルエンザウイルスに対して高い効果を発揮するといわれています。

風邪やインフルエンザなどのウイルスが原因で喉が痛い場合には、紅茶を積極的に飲んでみましょう。ただし、ミルクを入れてしまうとその働きが落ちてしまいます。ストレートティー、もしくはレモンティーがおすすめです。

野菜ジュース

野菜ジュースに含まれるビタミン類は、喉の炎症に対して効果を発揮します。体調が悪く食欲がないときは、栄養も摂れるので活用しましょう。

しかし、柑橘類にはクエン酸が含まれているため、刺激となり痛みがひどくなる場合があります。成分表をよく見て、柑橘類が少ない野菜ジュースを選んでみてください。

はちみつ

飲み物ではありませんが、喉にいいといえばはちみつを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか？ はちみつは、のど飴にもよく使われています。

はちみつには殺菌、抗菌作用があり炎症を起こしている粘膜を保護してくれます。喉に潤いを与えてくれることから、乾燥も改善してくれます。白湯やしょうが湯に、はちみつを溶いて飲むのもいいでしょう。

また、はちみつが含まれているのど飴やトローチなども、喉に痛みに効果が期待できます。合わせて活用してみてください。

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喉が痛いときに避けた方が良い飲み物

ここまで喉が痛いときにおすすめの飲み物を紹介してきましたが、逆に避けた方が良い飲み物もあります。

基本的に喉に刺激を与えてしまう飲み物はNG。コーヒーやアルコールなどを習慣的に飲む方は、喉が痛いときは摂取量を控えるようにしましょう。

カフェインが多く含まれる飲み物

コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインには利尿作用があり、喉が痛いときに飲むと体内の水分が奪われ、余計に乾燥してしまいます。できれば飲むのを控え、コーヒーをどうしても飲みたいときは、カフェインレスを選んでください。

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アルコール

アルコールもカフェイン同様に利尿作用があるため、体内の水分が奪われて喉が乾燥しやすくなります。

さらに、アルコールは喉の粘膜を傷つける可能性も高く、飲みすぎはNG。飲みすぎると「酒やけ」といって、喉の痛みに加えて声枯れなどの症状が出てくる場合もあります。

炭酸飲料

炭酸飲料も喉に刺激を与えます。炭酸自体に喉を傷める明確な原因はありませんが、問題は喉越しの良さと温度にあります。

炭酸飲料は冷やして飲むことがほとんどですよね。冷たい飲み物が喉を通ると、気管が収縮して咳が出やすくなります。炭酸の持つ喉越しの良さから、つい適量を超えて飲みすぎてしまうと、喉を痛める原因となります。

喉が痛いときは、炭酸飲料は選ばずになるべく温かいものを飲むようにしましょう。どうしても飲みたいときは、飲む量を減らす、常温に近い状態にするなど工夫してみてください。

喉が痛いときのセルフケア

飲み物で対策しても喉の痛みがよくならない、でもすぐに病院に行けない。そんなときに手軽にできる自宅での喉ケアを紹介します。

症状がひどくならないうちにセルフケアをすることで、体も楽になりますし、できる限り悪化を防いだ状態で病院へ行くことができます。

まずはしっかり水分補給

喉が痛いときは、まずしっかりと水分を摂るようにしましょう。冷水よりも常温の水や白湯がおすすめです。一度に大量に飲むのではなく、一定時間ごとに少しずつ飲むようにして、常に喉を潤すことがポイントです。

喉を痛めているときは、喉の渇きに関係なく普段よりも多めの水分を摂りましょう。

就寝時のマスク

寝るときに口が開いていて、朝起きたときには喉がカラカラになっていた経験はありませんか？

就寝時に濡れマスクなどをつけることで喉の乾燥を防ぐことができます。また、マスクをしているとつい口呼吸になりがちです。口呼吸が続くと、さらに喉が乾燥してしまいます。普段から鼻呼吸を心がけてみてください。

個人差はありますが、睡眠中の8時間前後は一切水分を摂ることができません。その間、誰でも喉が乾燥しやすくなりますので、加湿器を積極的に活用して寝室の湿度をキープしましょう。

十分に睡眠をとる

喉の炎症を早く治すには、睡眠をしっかりとることも大切です。睡眠不足は体の抵抗力や治癒力を低下させてしまいます。

「体調が悪いかも」と感じたときは、仕事や家事を無理せずに切り上げ、早めに就寝するようにしましょう。先にご紹介したように、就寝時にはマスクや加湿器などで喉を潤すことを忘れずに。

喉の痛みには漢方もおすすめ

喉にいい飲み物と合わせて、セルフケアにおすすめなのが漢方薬です。漢方薬は処方箋を持っていなくても、ドラッグストアなどで買うことができます。

のどの違和感には、痛みやつかえ感、咳、風邪の引き始めなど、さまざまな症状があります。漢方薬を用いた喉の痛みの改善では、鎮痛、抗菌、抗ウイルス作用のある生薬を含む漢方薬の中から、適したものが選ばれます。

また、血液の循環を改善したり、免疫を活性化させる作用のある生薬を含む漢方薬を用いることで、体質から根本的に改善することもできます。

手軽に取り入れられる、喉が痛いときにおすすめの漢方薬を紹介します。どうしてもすぐに病院に行けないときに、活用してみてください。

銀翹散（ぎんぎょうさん）

銀翹散は、喉の痛み、口の中の乾燥などの症状に効果ある漢方薬です。喉に違和感を感じたらすぐに服用してください。中国の医学書「温病条弁（うんびょうじょうべん）」にも収録されている漢方薬で、昔から服用されてきました。

甘草湯（かんぞうとう）

甘草湯は「甘草」という生薬で構成されている漢方薬です。喉の炎症を抑えて、粘膜に潤いを与える働きがあります。

漢方薬は体質に合ったものを選ぶことが大切

漢方薬を選ぶときは、体質に合ったものを選ぶことが大切です。合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。服用前に、漢方にくわしい医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

最近では、症状と体質に合った漢方薬を漢方に精通した薬剤師に選んでもらえる「あんしん漢方（オンラインAI漢方）」というサービスも登場しています。 AIを活用したオンライン相談サービスで、スマホから専門家への個別相談を気軽に申し込むことができるので、利用してみるのもいいでしょう。

まとめ：喉にいい飲み物で痛みをやさしくケアしよう

喉にいい飲み物を普段から取り入れることで、炎症の悪化や、炎症を未然に防ぐことができます。喉の乾燥で粘膜の働きが落ちてしまうと、ウイルスや細菌による感染症にもかかりやすくなります。空間と喉の湿度対策、こまめな水分補給で体調を整えましょう。

喉の痛みは無理をすると悪化して、治るまで時間がかかる場合もあります。ご紹介したようなセルフケアを取り入れても治らなかったり、悪化したりした場合は、我慢せずに病院を受診してください。喉を快適な状態に保ち、健康的な毎日を過ごしましょう。

喉が詰まる感じ、違和感の原因は？自分でできる対処法と漢方薬