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寝る前に筋トレしてもOK!睡眠&ダイエット効果を高める5つのコツ

筋トレを習慣にしたいけれど、忙しくて夜しか時間がない…。でも寝る前の筋トレは大丈夫なの? と疑問に思いますよね。今回はパーソナルトレーナーの藤本千晶が、むしろ“寝る前にするべき”理由を解説します。

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寝る前に筋トレをするメリット

健康のために筋トレを習慣にしている方、もしくは始めようと思っている方の中には、「夜しかできる時間がない」という方も多いのではないでしょうか。

寝る前の筋トレは、睡眠の質を改善し、ダイエット効果を高めるなど、メリットがいっぱい。「睡眠に悪影響なのでは?」といった心配も不要です。習慣化しやすく、むしろ夜におすすめしたい健康習慣といえます。次からメリットをくわしく解説します。

睡眠の質を改善する

寝る前に筋トレを行うことで、睡眠の質が改善し、ぐっすり眠れるようになります。

“睡眠の質”とは、ベッドに横になってから寝つきがスムーズだったかどうか、熟睡できたかどうか、朝すっきり目覚められたかなどのこと。睡眠は、トータルの時間だけでなく、こうした“質”も大切になります。

睡眠の質を改善するためには、深部体温と呼ばれる体内の温度が、寝るのに適した温度に変化することポイントで、人は深部体温が下ることで眠気が起こり入眠します。反対に深部体温が下がらないと眠気が起こらず、寝つきが悪くなります。

寝る前に筋トレを行うと、一時的に深部体温が上昇。その後、自然と睡眠に適した体温まで下がります。運動をしなかった場合よりも大きく体温が下がるため、より大きな眠気が発生し、スムーズな入眠や熟睡感を得ることができると考えられます。

睡眠前の運動が睡眠の質に与える影響を調査した報告では、朝や昼に運動を行うよりも、夜に行った方が入眠時間の短縮や熟睡感、翌日の眠気などが改善されたと報告されています(※1)。

このように寝る前に筋トレを行うことは、睡眠の質を改善することにつながるといえます。

(※1) 出典: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9628115/

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ダイエット効果を高める

筋トレ

寝る前に筋トレを行うことは、ダイエットにも効果的です。その理由は、睡眠の質が高まることで脂肪燃焼や筋肉量のアップ、食欲抑制などに良い影響があるからです。

そもそも睡眠は、ダイエットにおいてとても重要です。睡眠中には成長ホルモンというホルモンが分泌されます。成長ホルモンは、脂肪を燃焼させ、筋肉量を増やすホルモン。

質の高い睡眠を適切な時間を取ることで必要な量が分泌され、脂肪燃焼や筋肉量をキープする効果が得られます。

質が高く十分な時間の睡眠は、食欲を抑える働きもあります。睡眠不足が続いているときほど、過食になったり、甘いものが欲しくなったりした経験はありませんか? ぐっすり眠ると食欲抑制ホルモンの「レプチン」が分泌され、日中の食欲を抑えてくれます。

これらのホルモンは、質が高い睡眠を十分な時間とることで分泌されます。睡眠時間をしっかり確保するためにも、ベッドに入ってからのスムーズな入眠、途中で起きてしまう中途覚醒を減らすことが大切です。

睡眠の質を改善してダイエット効果を高めるために、寝る前の筋トレはおすすめです。

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習慣化しやすい

寝る前の筋トレは、睡眠改善、ダイエット効果以外に、習慣化しやすいというメリットがあります。

なぜなら、朝や昼と比べて、夜の寝る前のほうが時間的に余裕があるから。そのため、毎日継続しやすいといえます。

例えば、朝筋トレをするには早起きが必要で、生活習慣全体を大きく見直さなければいけません。帰宅後は夕食の支度やそうじ、洗濯物の片付けなどやるべきことがたくさんあります。日中は多くの方が仕事をしていますし、当然ながら勤務中に筋トレをするわけにはいきません。

寝る前こそ、やるべきことが終わり、自分のために自由に使いやすい時間です。

ダイエットで効果を出すためには何よりも継続が大切。自分が日々続けやすい時間帯を選ぶこともダイエット成功のポイントになります。

寝る前に筋トレを行うデメリット

睡眠の改善やダイエットにおすすめの寝る前の筋トレですが、やり方次第では逆に寝つきが悪くなったり、リラックスタイムが減るといったデメリットも。メリットとデメリット、両方を理解したうえで取り組むことをおすすめします。

やり方次第では寝つきが悪くなる可能性がある

筋トレ

睡眠改善効果があるとお話した寝る前の筋トレですが、追い込みすぎて動けなくなるようなやり方では、寝つきが悪くなる可能性があります。

寝る前の筋トレにより深部体温が上昇し、その後、体温が下がることで睡眠にいい効果をもたらします。しかし、寝る時間までに体温が十分に下がらなければ、スムーズな入眠の妨げになってしまいます。

特に、追い込んで立てなくなる筋トレや、多量に汗をかき激しく息切れするような筋トレを睡眠直前まで行うのはNG。就寝時間まで深部体温が下がらなくなります。

筋トレの強度や行う時間帯、注意点については、記事の後半でくわしく解説します。

リラックスタイムがとれなくなる

当たり前ですが、寝る前の筋トレに時間を使うため、筋トレ以外の趣味の時間や、テレビを見るなどのリラックスした時間を削ってしまうというデメリットもあります。

ダイエットや健康的な体づくりのためには、日々のストレスを上手に発散することもポイントになります。そのため夜に自分だけの一人時間を持ち、ゆっくりと心を解放する時間は大切です。寝る前の筋トレは無理しすぎずに、時にはリラックスタイムを確保しながら行ってください。

寝る前の筋トレの効果を最大限得るための方法

寝る前の筋トレで最大限の効果を得るためには、寝る2時間前までに終わらせたり、ストレッチを取り入れたりすることをおすすめします。次からくわしく解説していきます。

部屋の明るさを下げて筋トレをする

暗めの部屋

ポイント一つ目は、部屋の明るさです。寝る前に筋トレを行う際は、部屋をやや暗くして行いましょう。

明るすぎる部屋で筋トレをすると、「メラトニン」という睡眠に必要なホルモンの分泌が抑えられてしまいます。

メラトニンは体内のリズムを調整する働きを持ち、夕方から朝にかけて分泌されます。催眠効果があり、睡眠の質を保つために大切なホルモンです。しかし夜間に強い光を浴びるとメラトニン分泌は抑えられ、睡眠の質が低下します。

これを防ぐためには、夜に部屋の明かりを明るくしすぎないこと。照明が調整できる場合、最大のよりも1〜2段階程度下げた、やや暗めの明るさが理想です。

さらに、オレンジなどの暖色系の照明に変えると、メラトニン分泌抑制を防ぐことができます。反対にオフィスのような白くて強い光はNG。このように明るさの調整ができない場合は、少し暗めの間接照明を買い、活用するのもいいでしょう。                        

自宅での筋トレは寝る2時間前までに

自宅での筋トレは寝る2時間前までに終わらせるようにしましょう。2時間前までに終わらせることで、就寝時間までに深部体温をしっかり下げることができます。

睡眠の質に与える影響を調べた研究では、同じの運動プログラムを「朝・昼・夜」で行ったところ、夜に行った場合に最も睡眠の質を高めるという結果になりました。この研究では、寝る2時間前までに、自宅で行う筋トレと比べて高負荷の心拍数が上がり汗をかくような運動を行いました(※2)。

このような夜の運動は、一般的には寝る3時間前までに終わらせるべきといわれています。しかし、家事や夕飯の時間を考えると就寝3時間前までに終わらせるのは、あまり現実的ではありません。激しすぎる筋トレでなければ「就寝2時間前まで」終わることを目安にしましょう。

(※2)出典: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9628115/

短時間で筋トレを終わらせる

寝る前の筋トレは、入浴の前にできるだけ短時間で終わらせることもポイントになります。筋トレの時間が長引くと、入浴の時間がずれ込んでしまうからです。

睡眠の質を改善するためには入浴の時間も大切。お風呂の入り方によっては、就寝時間までに深部体温が十分に下がらず、睡眠の妨げになることも。

入浴後、深部体温が下がるまでには1時間以上はかかります。その時間も考えて、30分以内を目安に筋トレを切り上げるようにしましょう。

筋トレ直後にぬるま湯に10~15分程度入浴

お風呂でリラックス

お風呂は筋トレの直後に入りましょう。お風呂の温度は38~40℃のぬるま湯に、10~15分程度浸かるのがおすすめです。

41℃以上の熱いお湯に入浴すると深部体温が上昇しすぎて、落ち着くまで時間がかかってしまいます。熱すぎるお風呂は、良質な睡眠にとって逆効果になります。

また、深部体温が下がる時間を考えて、就寝時間の1時間半〜2時間前までに出ることを目安に入浴してください。

高血圧の方以外の健康な方は、肩までつかる全身浴がおすすめです。むくみ改善効果や体のコリの緩和が期待できます。

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睡眠直前にストレッチを行う

寝る前の筋トレ効果を最大限得るために、入浴後~睡眠までの間にストレッチをしましょう。ストレッチは、副交感神経を優位にさせて入眠をスムーズにします。

副交感神経が優位になると筋肉はゆるんで、血管が広がるため、体温が下がりやすくなります。

ベッドに横になったタイミングでOKですので、足を抱えたり腰をひねったりして、軽くストレッチをしてから眠りについてください。

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寝る前の筋トレでやってはいけないことは?

睡眠の改善やダイエット効果を高めるために、寝る前の筋トレでやってはいけないことがあります。ぐっすり眠ってスリムな体型を維持するためにも、ポイントを守ってトレーニングを続けましょう。

長時間でキツすぎる筋トレはNG

筋トレをする女性

長時間、キツすぎる筋トレを行うのはNG。どちらも深部体温が上がり過ぎてしまい、就寝時間に十分に体温が下がらなくなります。

自分の体重やチューブなどを使って、軽い負荷の筋トレをするのはOK。しかし、ジムへ行ってバーベルを使って筋肉を追い込んだり、エアロビクスレッスンを長時間行うといったトレーニングはNG。寝つきが悪くなる可能性があります。

このようなキツい運動を行う場合は、できる限り寝る3時間前を目安に終わらせるようにしましょう。

家事などの時間を削って筋トレを行うこと

家事や明日の準備など、やるべきことの時間を犠牲にして筋トレを行うこともおすすめしません。

ダイエットを継続するためにはストレスを最小限にすることが大切。しかし、やるべきことが残っていると、それが気になって筋トレに集中できない可能性があります。

例えば、ホコリが落ちている床や洗い物が残っているキッチン、畳まれていない洗濯物などを目にすると、ストレスを感じる方もいるでしょう。また、散らかった部屋、汚れているものが溜まっている部屋では、落ち着いて筋トレができないことも。

寝る前に筋トレを行うことはとても良い習慣ですが、続けるためには日々の暮らしが前提にあります。家事などのやるべきことの時間はしっかり確保して、ストレスのない状況を作ったうえで筋トレにのぞみましょう。

寝る前の筋トレでおすすめのエクササイズは?

寝る前の筋トレでおすすめしたいのは、自分の体重を使った「自体重筋トレ」。適度に深部体温を上昇させて、睡眠の質を上げることができます。

寝る前は「自体重筋トレ」がおすすめ

筋トレ

自分の体重のみをつかった自体重筋トレは、器具がなくてもすぐ始められて、筋トレ初心者さんでも取り入れやすいでしょう。

体力に自信がない人におすすめの自体重筋トレは…

  • スクワット
  • ひざつき腕立て伏せ
  • プランク
  • 背筋運動 など

これらを全て行うと下半身・体幹・上半身をバランス良く鍛えられます。もちろん、どれか一つでもOK。

寝る前の筋トレは、体が熱くなるほど行わず、ちょっと筋肉に刺激が入って疲れたなと思う程度でやめておくのがポイント。トータル30分程度にとどめて、無理せずに行いましょう。

ヨガやピラティスでも同様の効果あり

寝る前の筋トレと同様の効果を狙うのであれば、ヨガやピラティスもおすすめです。程よい強度で、寝る前の筋トレと同じくぐっすり眠ることができるでしょう。

ヨガやピラティスは、初心者向けの動画も多く公開されています。動画共有サービス・アプリなどをで、自分の体力にあった動画を見つけて、実践してみてください。

寝る前の筋トレ効果を最大にする食事は?

寝る前の筋トレの効果を最大限にするためには、夕食も大切。ポイントは「高食物繊維・低脂質・低糖質」です。

夕食は食物繊維たっぷり、低脂質・低糖質の食事がおすすめ

豚しゃぶ

コロンビア大学による調査では高食物繊維・低脂質・低糖質の食事は睡眠の質を高め、反対に、食物繊維の摂取量が少なかったり、脂質や糖質の摂取量が高まると睡眠の質が悪くなったと報告されています(※3)。

睡眠の質が低下した理由は、脂質や糖質の摂り過ぎが体内のリズムを乱し、眠気を促す「メラトニン」の分泌を抑制してしまったためと考えられています。

夕食ではできるだけ野菜を多めにして、脂質の少ないお肉やお魚を選びましょう。また、糖質や脂質も取り過ぎないようにしてください。

(※3)出典: https://jcsm.aasm.org/doi/10.5664/jcsm.5384

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まとめ:寝る前に筋トレを行ってダイエットを成功させよう

寝る前の筋トレは、睡眠の質を改善させてダイエット効果を高めます。しかし間違ったやり方をすると、逆に睡眠の質を低下させて太りやすくなることがあります。寝る2時間前までに、自分の体重を使った軽い筋トレを30分以内の時間で行うのがおすすめです。

加齢と共に減ってしまう筋肉。筋トレを毎日の習慣にすることで筋肉量がアップして、健康的な体づくりにつながります。ご紹介したような方法、時間帯に寝る前の筋トレを行い、引き締まった美しい体を手に入れましょう!

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