スロースクワットの4つの効果|初級・中級・上級別のやり方を解説
ゆっくりしたペースでスクワットを行う「スロースクワット」。一般的なスクワットに比べ、下半身の筋力アップやダイエットに効果的です。今回は、スロースクワットの4つの効果と正しいやり方を解説します。
目次
スクワットと何が違う? スロースクワットの特徴とは?
スロースクワットとは、一般的なスクワットよりもゆっくりと時間をかけて行うスクワットのこと。
通常のスクワットと同じく、お尻の筋肉を中心に鍛えるトレーニングです。お尻にある大きな筋肉の「大臀筋(だいでんきん)」や「ハムストリングス」といわれるもも裏の筋肉、前ももの筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」などを鍛えることができます。
鍛えられる筋肉は通常のスクワットと同じですが、ゆっくりとスピードを落として動くため負荷のかかる時間が長くなり、筋肉に対する刺激も強くなります。
つまり同じ動きだとしても、通常のスクワットよりもスロースクワットの方が下半身の筋肉にしっかり効かせることができます。
スロースクワットの4つの効果
スロースクワットは、下半身の筋力アップはもちろん、ダイエットや健康維持にもつながります。いいことずくめのスロースクワットは、4つのうれしい効果があります。具体的にその効果についてみていきましょう。
カロリー消費量のアップ
スロースクワットは、筋トレの中でもカロリー消費量が高いトレーニングです。その理由は、大きな筋肉が集中している下半身を鍛えられるから。
筋肉量が多い部位は、運動をするときに多くのエネルギーを必要とするためカロリー消費量が高まり、ダイエットに効果的といえます。スロースクワットは、ダイエット目的で始める筋トレとしておすすめです。
下半身のスタイルアップ
キュッと上がったお尻やスラっとした脚は、女性であれば誰でもあこがれるもの。スロースクワットは、お尻や太ももの筋肉を効率よく鍛えることで、下半身のスタイルアップにつながります。
これらは日常生活で使われづらく、衰えやすい筋肉。筋肉が衰えると重力によって垂れ下がり、スタイルに悪影響を及ぼします。スロースクワットで筋力・筋肉量をアップさせれば、垂れたお尻は引き上がり、太ももの引き締めにつながります。
体脂肪の燃焼
スロースクワットは体脂肪の燃焼にも効果的です。その理由は、成長ホルモンの分泌が促進されるから。
成長ホルモンは、運動や睡眠などで分泌され、体脂肪を効率よく燃やすために欠かせないホルモンです。分泌されると内臓や皮下に蓄えられた中性脂肪が分解され、エネルギーとして利用できるように働きかけます。
筋肉量の多い部位ほど、トレーニングをした際に分泌される成長ホルモンは増えることがわかっています。スロースクワットで鍛えられる下半身は、全身の筋肉の70%ほどを占めているため、成長ホルモンが分泌されやすくなります。そのためスロースクワットをすれば、体脂肪を効率よく燃焼させることができます。
血糖値の低下
スロースクワットによって筋肉量が増えることで血糖値の低下も期待できます。血糖値とは血液中の糖(グルコース)のことで、食事などで血糖値が上がりすぎると病気や不調につながります。
筋肉は「糖の貯蔵庫」といわれており、血糖値の上昇に応じて血中の糖を筋肉内に貯蔵する役割があります。筋肉量が増えれば貯蔵できる糖の割合も増えることに。スロースクワットで下半身を鍛えれば、筋肉への糖の取り込みが促進されて、血糖値低下の効果が期待できるでしょう。
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スロースクワットの正しいやり方
スロースクワットは、文字通り一般的なスクワットを“スロー”で行うことですが、やり方によっては負荷の高さや鍛えられる部位を変えることができます。
「初心者向きのスロースクワット」、「中・上級者向きのスロースクワット」に分けて、それぞれの正しいやり方を解説します。
初級者向けのスロースクワット
まずは誰でも簡単に取り組める「初心者向きのスロースクワット」をご紹介します。負荷が低く、筋力に自信がない人や運動経験が少ない人におすすめです。
スロースクワットの基本「ハンズフリースクワット」
ハンズフリースクワットは、最もベーシックなスロースクワット。その名のとおり、ダンベルなどの重りは持たずに行います。お尻や太ももの筋肉を鍛えることができます。
【やり方】
(1)足を肩幅よりやや広めに開き、手を真っ直ぐ前に伸ばす。このとき、つま先は外側に15度開く。
(2)背筋を伸ばし、つま先よりもひざが前に出ないように5秒かけてゆっくりしゃがみ込む。
(3)太ももの全面が床と並行になったら、5秒かけてゆっくり立ち上がる。これを10回繰り返し、3セット行う。
足を大きく広げる「ワイドスクワット」
ワイドスクワットは、動きはハンズフリースクワットと同じですが、足幅を大きく広げることがポイントです。足幅を広げることで普段あまり使われていない内ももを鍛えることができます。たるんだ内ももをスッキリ引き締めたい方におすすめ。
【やり方】
(1)足を肩幅の1.5倍程度に開き、手を真っ直ぐ前に伸ばす。このとき、つま先は外側に45度開く。
(2)背筋を伸ばし、つま先とひざが同じ角度を向くようにして5秒かけてゆっくりしゃがみ込む。
(3)太ももの前面が床と並行になったら、5秒かけてゆっくり立ち上がる。これを10回繰り返し、3セット行う。
中・上級者向きのスロースクワット
続いて「中・上級者向けのスロースクワット」をご紹介します。初級者向けのスクワットに比べて負荷が高くなるので、筋トレ初心者さんはスロースクワットの動きに慣れてきてから実践しましょう。すでに筋トレの習慣があり、スクワットの基本的な動きができる人は「中・上級」から始めてもOKです。
片足で行う「スプリットスクワット」
スプリットスクワットは片足で動作を行うスクワット。比較的難易度の高いスクワットです。鍛えられるおもな筋肉は、お尻やももの前・後ろです。下半身の後ろ側を重点的に鍛えられるので、ヒップアップをしたい方におすすめ。
【やり方】
(1)足を前後に広げ、アキレス腱を伸ばすような体勢をつくる。足幅は(3)の動きで窮屈にならない程度に広げておく。
(2)両手を腰にあて、体を垂直に降ろすようにして5秒かけてゆっくりしゃがみ込む。
(3)前側に出した足の太ももの前面が床と並行になったら、5秒かけてゆっくり立ち上がる。これを10回続けて行う。
(4)足を入れ替え、反対側も同様に。左右共に3セット行う。
片足に重心をかける「ラテラルスクワット」
ラテラルスクワットは、足を大きく開くワイドスクワットの応用版です。足幅を広めに開いた状態から、片側の脚に重心をかけるようにしゃがみ込みます。重力が片脚に集中するため、内ももの引き締めに効果的です。
【やり方】
(1)足を肩幅の1.5倍程度に開き、手を真っ直ぐ前に伸ばす。このとき、つま先は外側に45度開く。
(2)背筋を伸ばし、左脚を伸ばしたまま、右脚に重心がかかるように右ひざを曲げ、5秒かけてゆっくりしゃがみ込む。つま先とひざは同じ方向を向くようにする。
(3)右脚の太ももの前面が床と並行になったら、5秒かけてゆっくり立ち上がる。これを10回繰り返す。左脚も同様に行い、左右共に3セット行う。
スロースクワットをする際に押さえるべきポイント
ご紹介した4つのスロースクワットは、毎日の習慣にすれば、全身のダイエットや下半身のスタイルアップにつながります。ぜひ継続してみてください。そして、スロースクワットの効果を感じるには、ほかにも押さえるべきポイントがあります。
スロースクワットは毎日やらない
スロースクワットは、実は毎日やるのは逆効果。スロースクワットに限らず、筋トレ後は筋肉が疲労している状態。筋肉は48〜72時間かけて回復し、筋トレの際に感じた負荷に耐えられるよう、より強い筋細胞へと生まれ変わります。
この段階でスロースクワットをすると、筋肉の成長は妨げられてしまいます。最悪の場合は肉離れといったケガを招いてしまうことも。筋肉をしっかりと休ませて成長させるためにも、スロースクワットは2〜3日置きに行うようにしましょう。
背中を丸めたりひざを前に出したりしない
スロースクワットを行なっている最中に、背中を丸めたりひざを前に出したりすると、腰やひざを痛める原因になります。これはすべてのスクワットにいえる重要なポイントで、最もケガにつながりやすいNG動作です。スロースクワットを行う際は、背筋は常に伸ばし、つま先とひざの位置関係を確認しておきましょう。
しっかり睡眠をとり、栄養素を摂取する
スロースクワットで効果を出すためのポイントは、動きだけではありません。睡眠時間が短かったり適切な栄養摂取ができなかったりすると、スロースクワットをいくらがんばっても効果は感じられないでしょう。
先に解説した通り、筋トレは筋肉が回復するまで時間を空ける必要があります。筋肉は、疲労した後に休ませることで、以前よりも成長します。そこで重要となるのが、十分な睡眠時間と栄養素の摂取。睡眠は1日7〜8時間はとりましょう。また、食事では筋肉の合成に必要なたんぱく質を積極的に摂るようにしてください。
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まとめ:スロースクワットで下半身を鍛えて理想の体に
ゆっくりした動きで行うスロースクワットは、一般的なスクワットに比べて負荷が高いため、誰でも最初は「キツい…」と感じるはずです。とはいえ、その分カロリー消費量が増える、下半身のスタイルアップにつながるなど、いいことがいっぱいあります。
継続して行うメリットはとても大きいと言えるでしょう。ご紹介した初心者向け、もしくは中・上級者向けのやり方を参考にして、自分の体力レベルに合わせたスロースクワットを実践してみてください。
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