夏至ってどんな日?その意味や各地の風習などの豆知識を紹介
冬至には、柚子湯に入ったりかぼちゃを食べたり。でも、夏至に何をするかは意外と知られていません。大切な季節の節目、“夏に至る”と書くこの日について知りましょう。
一年で一番、昼が長い日
夏至とは二十四節気のひとつで、期間は立夏と立秋の間の約2週間。毎年6月21日から7月7日頃です。2022年は6月21日、カレンダーには始まりの日に“夏至”と記されています。
北半球では、昼の時間がいちばん長くなります。日本では太陽の高度がいちばん高く位置しますが、各国で様子は変わります。北極圏では太陽が沈まない“白夜”、南極圏では太陽が現れない“極夜”となります。
食べ物で感じる各地の夏至模様
夏至から数えて11日目から5日間を半夏生(はんげしょう)といって、昔から田植えの目安とされていました。半夏生までに田植えをすませると豊作に、逆に過ぎてから田植えをすると不作になるといわれたそうです。
この時期に、縁起を担いで各地ではさまざまなものが食べられます。
〈関西地方〉タコ
タコの足になぞらえて、「たくさん稲穂が実るように、たくさんの根がはりますように」と願いを込めてタコを食べます。
〈奈良、和歌山、関東等〉もち
もち米と小麦を混ぜたものを蒸し、ついた餅にきな粉をまぶした“半夏生餅”を作ります。「田植えを終えてお疲れ様」と振る舞われたそうです。
〈京都〉和菓子
ういろう生地の上に小豆がのった“水無月”と名付けられた和菓子を、その年の後半の無病息災を祈って食べられます。関東の和菓子屋さんでもこの時期見られます。
〈香川〉うどん
言わずと知れたうどん県・香川。7月2日は“うどんの日”とされ、やはり田植えの労を労ってうどんを食べる習慣があります。
他にも福井県の焼き鯖、三重県の茗荷を使った半夏まんじゅうなど、いろいろなものが食べられています。
また、“冬”と付いているのに実は夏野菜の冬瓜(とうがん)も夏至の頃の食べ物。水分がたっぷりで、ジメジメしたこの時期の夏バテ防止にピッタリです。
世界各地でさまざまなお祭りも
白夜が続くスウェーデンでは、夏至にもっとも近い土曜日とその前日が祝日となり、町中でお祭りが行われます。夏至柱という柱が街の広場に建てられ、そのまわりを民族衣装や花冠をつけた女性たちが歌ったり踊ったりします。この時期にあわせて休暇を取るなど、大切な祝日とされています。
フィンランドでは町中が草花で装飾され、“ユハンヌス”というお祭りが行われます。豊作を祈りキャンプファイアーの火を焚いたり、ソーセージや乳製品、ジャガイモなどが振る舞われ、一晩中踊って過ごします。
日本でも三重県にある“夫婦岩”を有する二見輿玉神社で夏至祭が行われています。夫婦に見立てた大小2つの岩の間に朝日が登るのは、夏至の前後の数日だけ。この太陽の光を浴びながら海に入り、身を清めるという行事が行われます。
“キャンドルナイト”でスローな夜を
世界中どこにいても訪れる夏至と冬至。“キャンドルナイト”と名付けられたこのイベントは、そんな夏至と冬至の夜8時〜10時の2時間、電気を消してロウソクで過ごしてみましょうというもの。
各地で行われるイベントを調べて出かけてみても、家庭で少しだけ電気を消して過ごすだけでもいいかもしれません。地球のこと、太陽のこと、自然のことに思いをはせながら、キャンドルの炎のもと、ゆったり過ごしてみてはいかがですか?