1. Top
  2. >体の健康
  3. >だるい
  4. >「なんとなくダル重~」は、日本舞踊から生まれたエクサ「NOSS」で楽になる!
NOSS

「なんとなくダル重~」は、日本舞踊から生まれたエクサ「NOSS」で楽になる!

長引くコロナ禍でどんよりした日々を過ごしていませんか。そんな人におすすめなのが、心も体も軽くなる、「踊り」を楽しむエクササイズNOSS(ノス)です。

この記事をシェアする

お話をお聞きしたのは

西川千雅さん

NOSSオンラインレッスンプロデューサー

西川千雅さん

日本舞踊西川流四世家元。日本舞踊スポーツ科学協会理事長。NOSS創案者、西川右近さんの長男として6歳で初舞台を踏んだ、日本舞踊を代表する舞踊家のひとり。NOSSの普及を行い、藤田医科大学にてリハビリテーション教育科学修士号も取得。

相馬舞子さん

NOSS公認インストラクター

相馬舞子さん

幼少期から日本舞踊を学ぶ。結婚後、フィットネスインストラクター、パーソナルトレーナーとして活動。介護予防指導の経験などを活かし、NOSSインストラクターとして活動中。

畳一畳分で効率的に体を動かす

NOSS広報アンバサダー 彩星りおん
NOSS広報アンバサダー 彩星りおん(元宝塚歌劇団)

コロナ禍入ってから家にいる時間が長くなり、私たちは体を動かしたり、外出する機会がグンと減りました。人との交流が減ったとこで、気がふさぎ、心身の不調を感じている人も多いはず。

しかし、急に不慣れな運動を始めると体に負荷がかかってしまいます。まずは日本人に向いていて、科学的に裏付けのあるエクササイズから始めてみてはいかがでしょうか。

近年、相撲や狂言など、日本の伝統文化独特の「和の動き」の健康効果が注目され、科学的な研究が進んでいます。日本舞踊の動きについても検証によって、有酸素運動と筋肉運動、ストレッチの3種類の要素が含まれていることがわかりました。

そこで日本舞踊の大家である故・西川右近さんとスポーツ科学の第一人者、中京大学の湯浅景元名誉教授によって創られたのが、日本舞踊の動きをもとにしたエクササイズ、NOSS※です。

オリジナルの『この冬(とき)がすぎれば』という曲に合わせて約7分間、体を動かすと、ウォーキングの1.3倍、27.5kcalのエネルギーを消費することがわかっています。静かな動きなので一見楽そうに見えますが、体全体をバランスよく、かつ効率的に動かすことができるプログラムです。特に体幹や足腰の強化には定評があります。

美しい所作が身に付き、半畳から一畳ぐらいのスペースでできるのも利点。日本舞踊の動きはヒップホップやバレエなどとは異なり、日本人の日常動作が元になっているものがほとんどなので、怪我をしにくく安全といえます。コロナ禍で体力が低下した人、運動不足の人にもピッタリですね。


※NOSSは、「にほん・おどり・スポーツ・サイエンス」の略。

NOSSで脳の血流がよくなり、気持ちも上がる!

「わかっていてもダルいと体を動かすのがおっくう……」という人は、まずNOSSの手の動きを真似してみましょう。日本舞踊では手の表現が欠かせません。指先には脳につながる神経が多いため、指先を動かすと脳にたくさんの刺激が伝わります。

金沢医科大学の森本茂人教授が1年間、NOSSを続けた調査対象者の脳を調べてみたところ、そうでない人たちと比べて意欲などをつかさどる「側頭葉」の血流がアップしていました。イスに座って手を動かしたり、NOSSの動画を見ているだけでも効果はあるそうです。さらにうつ症状の改善も認められています。

森本茂人教授
金沢医科大学 森本茂人教授(NOSS協会理事)による学会発表

また、日本舞踊は季節や情感など、ポーズのひとつひとつに意味があります。冬をテーマにした曲『この冬がすぎれば』に合わせて想像力を駆使しつつ、聴力や視力もフルに使って踊れば、脳も活性化すると考えられています。

NOSSは厚生労働省から「未来志向研究プロジェクト」に選ばれていることなどから、多くの施設でも取り入れられています。「若い頃、日本舞踊に憧れていた」という参加人も多く、今までやったことがないチャレンジができて充実感が味わえると人気。運動っぽさもなく、ほかの体操などとは違った“非日常感”を味わえるのも魅力のひとつになっています。

「梅雨ダル」を解消する簡単おすすめポーズ

今回はNOSSのプログラムの中から、特別に人気の3ポーズをご紹介します。慣れないうちは手の動きだけでも十分。日本舞踊ならではの美しい所作や姿勢を真似ることで気持ちも高まり、うつうつとした気分を吹き飛ばすことができます。

ポーズの中には膝を曲げながら腰を落とす動きが多く含まれるので、体幹に自然な負荷がかかり、足腰を強化するトレーニングになっています。ダイエットの一環として取り入れるのにもおすすめ。シェイプアップ効果を期待するなら『この冬がすぎれば』を1日3回やるのが効果的です。

NOSSを続けていたら体が動かしやすくなった、姿勢がよくなった、できなかった正座ができるようになったという声も。筋トレなどとは異なり、ゆっくり動くことで脳が体の動きを感知して、自分の体が楽に動かせるようになり、動きの「質」が変わるためだと考えられます。

これから梅雨の季節を迎えますが、気圧や気温の変化で「梅雨ダル」に陥る人も。家で気軽にできるNOSSで、効率的に心身の不調をスッキリさせていきましょう。

「雪受け」

上から降ってくる雪を手に受ける所作がポイント。腰を落とすときに股関節の運動が加わり、太ももの筋肉が鍛えられる。ウエストラインや二の腕を引き締める効果も。

NOSS
NOSS広報アンバサダー 純矢ちとせ(元宝塚歌劇団) 
映像提供/日本舞踊スポーツ科学協会 

(やり方)

  1. 腰を低く落としておいて、上に伸びあがりながら右の手のひらを上に押し上げ、左足を前に出す。ひじを伸ばして左右の腕は引っ張り合うようなイメージで。
  2. 右手をおろし、左手を同じように持ち上げる。手のひらを上向きにするとき、その手のひらに雪をのせるように反らすことで指先までストレッチが加わる。1、2を交互に繰り返す。

「木の葉」

両手を順番に外に返す動作で、木の葉がハラハラと落ちる情景を表現する。全身の連動性を高めるので、体がほぐれやすくなり、身のこなしがスムーズになる。体幹づくりにも効果的。

NOSS
NOSS広報アンバサダー 純矢ちとせ(元宝塚歌劇団)
映像提供/日本舞踊スポーツ科学協会

(やり方)

  1. 両手を上にあげ、目の前で木の葉が散るように上から手を返しながら落とす。手首を内から外にクルクルと回していく。
  2. 手が下がるとともにお尻を後ろに出さないよう気をつけながら腰を落とす。
  3. 上になる手を入れ替え、左右交互に行う。直線的にならないように、腕の内側の筋肉を使うのがポイント。

【難しい人は】手の甲と甲を合わせて、上下の手を入れ替えながら再度手の甲を合わせながら手を落とす練習を。

「手を打ち回る」

肩や腕の動きを滑らかにし、肩こり解消効果が期待できる。手を打って指先を1本ずつ伸ばす運動は脳にも働きかける。足を滑らせるときは、体をしっかり沈ませると脚全体の筋肉の強化に。

映像提供/日本舞踊スポーツ科学協会

(やり方)

  1. 胸の前で手を打ち、顔を洗うように両手を上から手前にもっていきながら指を曲げる。
  2. 左足を横に滑らせつつ(おすべり)、手首を返して指を小指からパラパラと1本ずつ伸ばしていく。指先まで意識しながら動かすこと。
  3. 手の動きを行いながら、放射線状の4方向に足を滑らせる。2回目と4回目は人差し指から開く。少し難しいので、最初は手の動きのみ行ってもOK。

いかがでしたか? 手の動きだけでもいつもとは違う新鮮な感覚が得られ、気持ちも動作も優雅になりそうなNOSSを毎日の生活に取り入れてみましょう。

今回はNOSSから3つのポーズをご紹介しましたが、NOSSは全部で20のポーズから構成されています。

興味のある方は、オンラインレッスン動画で他のポーズにもチャレンジしてみてはいかがでしょう。

この記事に興味を持ちましたか?
はいいいえ

この記事をシェアする

編集部オススメ記事

Recommend Article Recommend Article オススメ記事

オススメ記事をもっと見る