夏になると食べたくなる!?土用丑の日にうなぎを食べるのはなぜ?
夏真っ盛りのこの時期、「土用丑の日」ののぼりとともに店頭に並ぶうなぎ。うなぎを食べる習慣はどこからきたのでしょう。うなぎ以外にも元気になれるパワーフードをいくつかご紹介します。
土用ってそもそもいつのこと?
二十四節気「立春」「立夏」「立秋」「立冬」前の18日間を、それぞれ「土用」と呼びます。そのため、実は年に何回もある土用。中でも「土用といえば夏」というイメージが強いのはどうしてでしょう。
夏は菌が繁殖したり、疫病や水の事故などが多い季節。また、いわゆる夏バテで食が細くなったり元気がなくなったりもします。そこで「健康に留意しましょう」という意識が、精力の付くうなぎを食べる丑の日の習慣とあいまって、現代では「土用=夏」というイメージが根付いたようです。
毎年違う土用の丑の日。今年はいつ?
「子、丑、寅、卯……」で知られる十二支は、今では年を数える単位として使われていますが、昔の暦では月日や方角なども十二支で数えていました。
干支が12年に一度訪れるように、「丑の日」は12日に一度やってきます。すなわち土用の期間に訪れる丑の日のことを「土用の丑の日」と言います。
土用の日にちは毎年変わるので、当然丑の日も変わります。2022年は7月23日土曜日と、8月4日木曜日です。
丑の日に食べるものとは?
本来うなぎの旬は秋から冬です。ではなぜ夏の土用に食べることになったのでしょう。
江戸時代、夏に売れ行きが悪いうなぎ屋が困っていたところ、さまざまな学問に精通していた平賀源内が「丑の日に“う”の付くものを食べると縁起がいい」という語呂合わせを発案。うなぎ屋が店頭に貼り紙をしたところたちまち繁盛したと言われています。
うなぎはもともと精のつく食べ物として知られていたので、夏の土用にはかかせない食材になりました。
また、「万葉集」にはうなぎを詠んだ夏の句があり、奈良時代からすでにスタミナ食として知られていたようです。
「う」の付くもので元気に!
うなぎだけでなく「う」の付く食べ物は他にもいろいろあります。「うどん」「梅干し」「瓜」など、胃に優しくこの時季にもってこいの食材や、「牛」「馬」など精がつく食材などがあります。
夏に食べたいパワーフード
〈ニラ〉
栄養だけでなく殺菌、抗酸化作用があり免疫力アップ。さっと茹でるだけのお浸し、たまごと炒めるニラ玉、冷奴やお肉にかけるニラソースなど、使い方も万能です。
ニラソースの作り方…みじん切りのニラと、お酢、砂糖、醤油、ごま油をレンジで1分チンするだけ。その際お好みでニンニクのすりおろしを少し加えると風味アップ(チューブでもOK)。
〈ゴーヤ〉
ビタミンCやミネラルが豊富で疲労回復効果もあるゴーヤ。豚肉や油と相性がいいので、炒めるのもよいですが、さっと下茹でしたものを、たたいた梅干しと麺つゆ、おかかと和えただけの梅和えも簡単に作れておすすめです。
〈トマト〉
ビタミンや食物繊維、リコピンなど栄養豊富で毎日食べたいトマト。加熱するとリコピンの吸収がよくなるのでオムレツに入れたり、スープに使うのもおすすめです。火を使いたくない方はマリネにしてみてはいかがですか?
ミニトマトマリネの作り方…オリーブオイル、バルサミコ酢、ハチミツ、塩、こしょうを混ぜたものに、タマネギのみじん切りとミニトマトを漬けるだけ。ミニトマトは十字に切り込みを入れるか、大きめなら半分に切ると、漬け汁がよく浸み込みます。シソやバジルを入れても美味。冷蔵庫で冷やしてどうぞ。
〈長芋〉
食物繊維、カリウム、ビタミンB1が豊富で美容にも疲労回復にもよいとされます。生でも食べられますが、火を通すと消化もよく、食感も変わり、ほくほく食べやすくなります。
長芋焼きの作り方…食べやすい大きさに切った長芋を、ニンニクとともにやや多めの油で焼き、塩と青海苔をふりかけます。小麦粉や片栗粉をまぶしてから焼くと表面がカリカリするのでお好みでお試しください。
〈豚肉〉
ビタミンB群が豊富で疲労回復に最適。暑い夏には冷しゃぶがおすすめです。また、冷しゃぶをした後のお湯のアクをよくとって、ガラスープ、ニンニク、生姜、ワカメ、ネギ、塩、こしょう、すりゴマ、お好みの野菜を加えれば美味しいスープが出来上がります。
焼肉やニンニクでガッツリもいいですが、食欲がない時でも食べられ、さっと簡単に作れる料理で暑い夏を乗り切りましょう。