ダイエット中こそ食べるべき?理想的な朝ごはんの摂り方とは
一日の始まりに摂る食事が、ダイエットを左右するといっても過言ではありません。朝ごはんを抜かずしっかり摂ることで、体のリズムが整い、やせやすくなるのです。ここでは、理想的な朝ごはんの摂り方やおすすめの食事を紹介します。
目次
ダイエット中にやりがちな朝ごはんの摂り方
健康のためには1日に3食摂るとよいとされていますが、ダイエット中はできるだけカロリーをセーブしたいですよね。
朝ごはんを含めて、3食食べてしまうと「摂取カロリーが上がって太りそう」と心配をしてしまう人もいるかもしれません。しかし、朝ごはんは眠っていた体を目覚めさせ、一日を活動的に過ごすためのエネルギー源となります。まずは、やってしまいがちな朝ごはんのNG例を見てみましょう。
忙しいからといって朝ごはんを抜く
朝すっきりと起きることができず、布団のなかでゴロゴロとしてしまう人も多いでしょう。できるだけギリギリまで寝ていたいがゆえに、朝ごはんを抜いてしまうこともあるかもしれません。また、身支度などでバタバタしていると、つい食事の時間を削りたくなりますよね。
ダイエット中はこれに拍車がかかり、朝ごはんを抜くことでカロリーをセーブできると考えてしまいがち。でも、実際は体に脂肪が溜まりやすくなり、かえって太りやすい体が作られます。朝ごはんを抜く行為は、ダイエットにとってはご法度なのです。
とにかくカロリーを制限する
カロリー制限だけをする朝ごはんは、実はNGなので注意が必要です。
カロリーさえ制限すれば簡単にやせられると思い込むと、カロリーの少ない食べ物を選んだり、何も食べなかったりと極端に制限しすぎてしまいます。飲み物だけ、サラダだけといった100kcal以下の朝ごはんで済ませている人もいるかもしれませんね。
朝ごはんを食べなかったり、極端に減らしたりすると、消化吸収機能が低下。すると、昼食で摂取した食べ物のエネルギーを溜め込みやすくなります。
カロリーを制限するのは朝ごはんだけに起こることではありませんが、昼や夜に比べて時間がない朝は“ついで”感覚でセーブしやすいもの。しかし、朝ごはんをセーブしすぎるとかえって太りやすい体になるということは知っておきましょう。
同じものばかりを食べるダイエットにも注意
ヨーグルトダイエットやりんごダイエットなど、過去に注目された単品ダイエットはたくさんあります。こうしたダイエットは摂取カロリーを大幅に下げることができるため、短期的にはダイエットの効果を実感しやすいかもしれません。
しかし、同じ食べ物ばかり食べていると、摂れる栄養素が限られてくるので栄養バランスが偏ってしまいます。また、飽きてしまうことも多く、続きづらいデメリットも。結局、元の食事に戻したときにリバウンドしやすいというマイナス点があります。
ダイエット中こそ朝ごはんを摂るべき理由
朝ごはんは、一日を元気に過ごすためのエネルギー源です。
私たちの脳は、ブドウ糖をエネルギー源として動いています。朝起きたときに頭がモヤっとしているのは、寝ている間に臓器を動かすためのエネルギー源としてブドウ糖が使われているためです。朝ごはんを摂ることで脳に栄養が届き、仕事や勉強に集中できたり、すっきりと目覚めることができたりします。
ここからは、ダイエット中に朝ごはんを食べるべき理由を詳しく見ていきましょう。
眠っていた腸や臓器を動かす
便秘は、ダイエットの天敵。便自体の重量で体重が落ちづらくなったり、胃腸の働きが鈍くなったりするので代謝も低下しがちです。
朝ごはんを食べると、腸が刺激されて活発になります。つまり、朝ごはんのあとは一日のなかで最も便意が起こりやすい時間。朝起きてすぐにコップ一杯の水を飲めば、朝ごはんのあとの腸の動きがより活発になります。また、食事を摂ることで内臓の動きがよくなれば体温が上がり、代謝も上がりやすくなります。
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体のリズムを作る
人の体には体内時計が備わっていて、これによって睡眠や体温変化、血圧などの変化を調節しています。
体内時計は睡眠時間や休息時間が規則正しくなるように働きかけています。この体内時計にズレが生じると、ストレスを感じたり不調を感じるようになったりします。
しかし、体内時計のリズムは実は25時間周期。地球の昼夜24時間周期とは少しズレてしまうのです。
これをリセットするために欠かせないのが、光を浴びたり朝食を摂ったりすること。朝ごはんはこのズレをリセットする役割を持ち、体のリズム形成に一役買っています。規則正しく繰り返し食事を摂ることが、健康的な体作りの基本となります。
日中の活動のためのエネルギーを確保する
私たちの体が元気に動いているのは、食事から摂取した栄養素によりエネルギーが作られるためです。
ごはんやパンなどの主食に多く含まれる炭水化物は、他の栄養素と比べてエネルギーになりやすい栄養素です。不足すると日中の眠気や疲れに繋がるので、1日を活動的に過ごすためにも、朝ごはんでしっかりと補給することが大切です。
「セカンドミール効果」で血糖値の上昇を抑えられる
食事を摂ると、血液中の糖の量が増えて血糖値が上がります。この血糖値の調整という点で、朝ごはんの「セカンドミール効果」の活用が欠かせません。
セカンドミールとは「次に摂った食事」という意味。最初に摂った食事が、次に摂った食事のあとの血糖値にも影響を及ぼすことを言います。血糖値の上昇を抑えるためには、1日の最初に摂る食事、つまり朝ごはんの内容が大切。血糖値の上昇を抑えるために、できれば、野菜や豆類から食物繊維を摂取するのが理想的です。
反対に、最も血糖値を上げやすいのが「食事を抜く」という行動。血糖値が急激に上昇すると、下げるためのインスリンが大量に放出されます。インスリンは血糖値を下げる過程で、糖分を脂肪に変えて体にため込んでしまいます。血糖値の急激な上昇が肥満に繋がるといわれているのはこのためです。朝ごはんを抜いてしまうと、昼食後の血糖値が上がりやすくなるので、しっかり食べたほうがダイエットには効果的なのです。
さらに、食物繊維が小腸に達すると、食欲を調節するホルモンが分泌されるように。満腹感の持続にも役立つので、食物繊維は積極的に摂ると良いでしょう。
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夕食の食事量を抑えられる
同じ総摂取カロリーでも、2回ではなく3回に分けて食事を摂るほうがダイエットには効果的。夜の食事量を抑えることがダイエットの大原則です。
朝ごはんを抜いてしまうと、昼や夜のドカ食いに繋がってしまうことも。夜ごはんの比重が重くなると、摂取したカロリーを十分に消費できないまま寝て肥満の原因になることがあります。さらに翌朝もお腹が空かずに朝ごはんを抜いてしまって……と、悪循環に陥ることもあるのです。
早起きすれば規則正しい生活が送れる
血圧の日内変動やホルモン分泌、呼吸や心拍など、脳の体内時計が出す指令によって刻まれる体のリズムを「生体リズム」といいます。不規則な生活習慣などによってこの生体リズムにズレが生じると、心身に思わぬ不調が現れるかもしれません。
太陽の光には、この生体リズムのズレを修正する効果があります。朝ごはんをきちんと食べるために早起きして体内時計をリセットすることは、1日を規則正しく快適に過ごすためのポイントになります。
朝ごはんはどんな食事がおすすめ?
臓器の動きを活発にしたり代謝をアップさせたりと、ダイエット中に朝ごはんを摂ることにはたくさんのメリットがあります。
頭では分かっていても、忙しかったり体がだるかったりという理由で朝ごはんを摂るのが難しいのはよくあること。それでも、朝ごはんを食べることが自分の体をやせやすくしていることにつながります。
忙しい朝でも簡単に摂ることができる、おすすめのメニューを紹介します。
品数が多いほど栄養バランスは整う
「バランスのよい食事」とはよく聞きますが、実際は「主食・主菜・副菜」さえそろっていればOK。一般的に、主食からは炭水化物、主菜からはたんぱく質、副菜からはビタミン・ミネラル・食物繊維などが摂れます。どれかが欠けた食事をしてしまうと栄養バランスに偏りが生じてしまいます。品数が多いほど、摂れる栄養素の種類も増え、栄養バランスが整うのです。
和食ならごはんと味噌汁、魚、洋食ならパンとサラダ、卵料理のような組み合わせで食べるとよいでしょう。
準備が負担なら、前日の夕食でOK
朝や昼よりも夜の方が食事の準備をしやすいという人は多いと思います。夜の食事を多めに作っておき、次の日の朝に食べるというのも工夫の一つです。
作り置きしやすくおすすめなのが、スープなどの汁物。具だくさんに仕上げれば、朝ごはんのおかずの役割にもなります。具材は一緒でも、味付けを変えれば何通りにもアレンジすることができますよ。
コンビニを上手に利用しよう
忙しいときに便利なのが、コンビニの商品です。ランチのときにコンビニを利用する人は多いかもしれませんが、朝ごはんのときにもぜひ活用してほしいもの。朝からコンビニへ行くのは大変なので、仕事の帰り道に明日の朝ごはん用として購入しておくとよいでしょう。
おにぎりやパンに加え、たんぱく質を摂れるおかずも用意できればベスト。ソーセージや魚の缶詰などが手軽でおすすめです。フリーズドライのスープは日持ちするので、まとめ買いしておくのもおすすめです。
こんな朝ごはんの摂り方はNG!
朝ごはんは1日の体調や気分を左右する大事なものです。バランスの整った食事で1日をスタートできればその日は活動的に過ごせるはず。朝ごはんを抜くのはもちろん避けたいところですが、意外とやりがちなNG例が、コーヒーのみ、パンのみと極端にバランスの偏った食べ方です。
朝ごはんとして定番のヨーグルトは、体に良さそうな食べ物のイメージがありますが、それは単品で見た場合。ヨーグルトのみの食事で完結させると、栄養バランスはたんぱく質に偏ってしまいます。
同じく、果物や野菜なども体に良いイメージがありますが、それも単品ではなく他の食品を組み合わせた場合の話です。
例えばスープだと、野菜のみのスープと肉や卵を追加したスープでは栄養バランスが変わってきます。
食品が体に良いものかどうかは、組み合わせ次第。まずは食事全体の栄養バランスを整えることを優先しましょう。
忙しい朝におすすめ!負担を軽減する朝ごはんアイテム
厚生労働省の国民健康・栄養調査(平成29年)によると、朝ごはんを抜く人は男性が15%、女性が10.2%となっています。特に20代と40代の働き盛りに多い傾向です。同調査によるとこの世代は睡眠時間も6時間以下の人が多く、眠る時間も食べる時間も確保できないほど多忙な毎日を送っていることが想像できます。
ここでは、そんな忙しい朝でも食事の準備がスムーズにできるよう、負担を軽減できるアイテムを紹介します。
たんぱく質をプラスしたいときのプロテイン
プロテインはたんぱく質補給源として、筋トレをする人などに愛用されています。たんぱく質は肉や魚、卵などから摂ることができますが、朝の調理が難しい場合には手軽に摂れるプロテインがおすすめ。シリアルやサラダのみのような、単品料理のときにプロテインをプラスするとよいでしょう。
主菜からたんぱく質を摂れている場合はプロテインを飲む必要はありませんが、栄養バランスの偏りが気になる場合は女性でも活用してほしいと思います。
食物繊維を補給したいときはオートミール
オートミールはオーツ麦を脱穀し、調理しやすく加工した食品です。さまざまな料理に使うことができ、栄養面でも優れていることで人気となっています。
お米は炊飯しなければ食べられませんが、オートミールはふやかして、レンジで加熱するだけでお米のような感覚で食べられるのが特徴。炒飯やドリアなど、いろいろなアレンジで楽しむことができます。
オートミールは食物繊維が豊富なので、野菜不足の人にもおすすめです。長期保存が可能なので、朝ごはんのためにぜひストックしておきましょう。
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準備の手間いらず! バナナですぐにカロリーチャージ
果物は自然な甘さで間食にも役立ち、ビタミンやミネラルの補給もできます。しかし、果物は皮をむいたり切ったりしなくてはならないものが多く、手間を感じる人も多いかもしれません。バナナなら、皮を剝くだけですぐに食べられます。
バナナは糖質を多く含み、すばやくエネルギー源となるため、忙しい朝の糖質補給におすすめです。たんぱく質を豊富に含む牛乳や豆乳と合わせると、バランス良く食べられます。
まとめ:ダイエット中もバランスを意識した朝ごはんを
栄養バランスのよい朝ごはんを摂ることで、必要な栄養素が体に行き渡り、ダイエットをスムーズに進めることができます。早くやせたいからといって朝ごはんを抜いてしまうと、かえってやせにくい体質になることも。
朝は忙しい時間だからこそ、手間をかけない工夫も大事です。作り置きやコンビニ食品を活用しながら、体に必要な栄養素を摂り入れましょう。