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インフルエンザ+コロナの感染に注意

今シーズンの感染症対策「インフルエンザ+コロナ」の流行に注意!

インフルエンザが暴れ出す冬になりました。今シーズンは、新型コロナウイルスの8波も加わり、かなり心配な状況。そこで、その対策について、専門医の佐藤昭裕さんに教えてもらいました。

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南半球の流行状況から判断されるインフルエンザの流行

例年、日本でインフルエンザが流行するかどうかは、南半球にあるオーストラリアやニュージーランドでの流行状況を踏まえて判断されます。日本が夏だった、今年のオーストラリアの冬はどうだったのでしょうか?

「今年の冬は、インフルエンザウイルスが2000年代に入って最大の暴れ方をしました。そのため、日本でもこれから大流行するのではないかといわれています」と、教えてくれたのは、感染症専門医の佐藤昭裕さん。

発熱

W感染した場合、さまざまな心配があります。まず、W感染する心配はあるのでしょうか?

「はい。新型コロナウイルスの流行も8波に突入しています(11月25日現在)から、医療機関側としても大変心配です。それというのも、インフルエンザか新型コロナのどちらか1つにかかっていれば、それがどちらかで対応が変わりますし、両方一緒にかかっている可能性もあるわけです。そのため、医療現場はひっ迫しています」

W感染の場合、後遺症はひどくなるのでしょうか?

「新型コロナにかかったあとの後遺症が問題になっていますが、インフルエンザの後遺症は大きな問題になっていません。それは、インフルエンザとの歴史が長いため、体が慣れてきているというところがあると思います」

それらの予防法はありますか?

「まず、インフルエンザだけでなく、新型コロナの重症化予防のためにワクチンを打つことですね。新型コロナワクチンの4回目、5回目を打たなかったとしても、それまでに打ったワクチンで重症化予防の効果は残っているかもしれないのですが、4回目、5回目を接種したほうが明らかに感染予防効果はあると思いますね」

受診

経済を回そうということで、withコロナの生活のなか、国民の気持ちも7波のころよりも弛んでいるように思いますが。

「新型コロナの脅威が軽くなったということは一切ありません。波が進むごとに死者数は増えていて、8波が過去最大の死者数を出してしまうことも十分考えられます。引き続き、気を引き締めて生活する必要がある状態が続いていることは確かです」

自身が重症化リスクがある場合は「受診・相談センター」の連絡先をメモしておく

第7波のとき、発熱外来や病院の電話がつながらず、結局、死亡した高齢者が出ましたね。今後、もしも熱が出たり、のどが痛かったりしたら、どうすればいいですか?

疾患のある人、高齢者、妊婦、子ども

「日本感染症学会がフローチャートを発表していますので、それに沿って対応いただくといいと思います。まず、患者さんが高齢者、重症化リスクの高い基礎疾患のある方、幼児、妊婦の場合は、かかりつけ医等の診療・検査医療機関に電話してください」

かかりつけ医がいないなど、相談先に迷ったときは、『受診・相談センター』が都道府県ごとに設けられていますので、そこを今から調べて、連絡先をメモしておきましょう。

スマホ検索

また、これまでと同様、マスクと手洗い、消毒、換気、密を避けるという原則は、変わらずに続ける必要があるそうです。

自分がかかりたくないだけでなく、周囲の人にうつしたくないインフルエンザウイルスやコロナウイルス。まだまだ気を引き締めて生活をしたいものです。

新型コロナとインフルエンザが同時流行となった場合の対応チャート

コロナ検査

発熱・のどの痛み・せき(たん)・倦怠感・頭痛などがあり、「重症化リスクが低い」場合は、まずは市販のキットでコロナの自己検査を。

高齢者や基礎疾患がある人、妊婦や小学生以下の子どもなど、「重症化リスクが高い」場合は、医療機関の受診をしましょう。

くわしい対応チャートは、以下を参考にしてください。

日本感染症学会提言 COVID-19およびインフルエンザを想定した外来診療検査のフローチャート(pdfファイル)

後遺症が長引くノロウイルス感染

後遺症が長引くノロウイルス感染

冬になると、もうひとつ心配なウイルスが活発になります。それは、ノロウイルス。感染すると腸管内に広がり、吐き気、腹痛、下痢、発熱、倦怠感などの症状を引き起こします。

感染力が強く、腸管内で増殖すると、便として感染者の体外に排出され、トイレ内を汚染したり、下水中に入り込みます。

「感染経路は、接触感染・飛沫感染・空気感染の3つですが、空気感染するというのが、ノロウイルスのとても恐ろしいところです。たとえば、ホテルの宴会場で、ノロウイルスの人が吐いてしまったところ、そこの絨毯掃除を適切に行わなかったことで、ホテル内のほかのフロアの宿泊者が発症したという事例があります」

発症しても治療法はなく、脱水症状や体力を補うための点滴などを行い、ウイルスが体外へ出ていくのを待つそうです。

「ノロウイルス感染症の場合も後遺症の問題があります。1カ月間ぐらい小腸の吸収障害が続くため、栄養が十分に摂れなくなり、だるさなどを訴えられる方がいます」

病院の受診

ノロウイルスの症状や特徴は?

  • 症状:感染して1~2日すると吐き気、嘔吐、下痢といった消化器症状。発熱を伴うこともあり。腹痛、頭痛、寒気、筋肉痛、だるさ、のどの痛みなどが見られるケースも。
  • 特徴:感染力が強い感染性胃腸炎の1つ。食中毒を引き起こす。
  • 感染経路:汚染された牡蠣などの2枚貝類の生を食べて発症。また、その感染者から感染していくのが主。しっかり加熱すれば大丈夫。
  • 予防:流水と石けんで手洗い。次亜塩素酸ナトリウムなどで拭き掃除。洗濯をしたものは乾燥機にかける。2枚貝の加熱調理でウイルスを失活させるには、中心部が85~90℃で、少なくとも90秒の加熱が必要。
  • 学校・職場復帰のタイミング:便の状態が、水様便ではなく普通になってから。
手洗い・手指消毒

新型コロナだけでなく、インフルエンザも流行しつつある今シーズン。手洗い・うがいはもちろん、換気やアルコール消毒も取り入れながら、感染症対策を続けていきましょう。

イラスト/すみもとななみ
(からだにいいこと2023年2月号より)

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