ジャンル別“糖質制限中”に食べていいもの|我慢なしでダイエット!
ダイエットや健康のために糖質制限を始めたものの、「これは食べていいの?」と、疑問に思うときがありますよね。管理栄養士が、糖質制限の正しい方法と食べていいものや控えるべきものをジャンル別に解説します。
目次
糖質制限とは? 無理せず食事を楽しめるダイエット法
始めやすいダイエット法として定着した糖質制限ダイエット。「糖質制限」とはその名の通り、糖質の量を制限するダイエット方法です。
糖質は主にご飯やパン、麵類などの主食やいも類に多く含まれ、体のエネルギー元になる栄養素です。糖質制限というと「食べていいものが少ないのでは?」「食べられる量が少なくて満足できなさそう…」と思う方もいるでしょう。糖質制限を始めるなら、食事を楽しみながら糖質を適正な量にする「ロカボ」(※1)がおすすめです。
糖質量を1日70~130gに抑える「ロカボ」とは?
ロカボとは1日の糖質量を70〜130gに抑える、ゆるやかな糖質制限の方法です(※1)。糖質量さえ守れば基本的にはお腹いっぱい食べてOK。糖質を制限する代わりに、肉・魚・卵などに含まれるたんぱく質や脂質は、気にせず食べてもよいので、無理なく食事を楽しむことができます。
また、糖質10g以内であればデザートも楽しめて、甘い物が好きな方も始めやすい方法です。極端な糖質制限ではないので、長期的に続けやすくリバウンドしづらい、初心者でも挑戦しやすいのが魅力。
現代の一般的な日本人の食生活では、1日に300g程度の糖質を摂取しているといわれています。そのため「ロカボ」を取り入れた糖質制限でも十分効果が期待できるでしょう。
(※1)参考:一般社団法人 食・楽・健康協会 ロカボとは?
正しい糖質制限でやせる理由
糖質を1日70~130gに抑える糖質制限は、糖質量に注意すればお腹いっぱい食べてもOKとご説明しました。それで本当にやせるの? と不思議に思われる方もいるかもしれません。正しい糖質制限でやせる理由には、血糖値が関係しています。
糖質には「血糖値を上げる」という特徴があり、血糖値が上昇すると、インスリンというホルモンが分泌され、糖質を体内に取り込みます。取り込まれた糖質は主にエネルギーとして使われますが、余った糖は脂肪として蓄積。
この働きから、糖質を制限することで糖が余りにくくなり脂肪を蓄えにくくなります。つまり脂肪がつきにくい体づくりができるというわけです。糖質制限で血糖値をコントロールすることは、ダイエット効果のほか、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病予防にも効果があります。
糖質制限中に食べてもいいものは?
糖質はごはんやパンなどの主食に多く含まれるとご説明しましたが、気になるのは「何を食べていいのか」ということ。
ここからは糖質制限中に食べてもいいものと糖質量を、食材ジャンル別に紹介します。糖質の低い食材を中心に紹介しますので、料理やメニュー選びの参考にしてみてください。
(1)肉類
高たんぱく質で低糖質な肉類は、糖質制限中の強い味方です。部位によって違いはありますが、全体的に糖質が少ないのが特徴。メニューにお肉があることで、食事の満足感もあがりますよね。
特に鶏むね肉やささみは、低カロリー・低糖質でダイエットにぴったり。茹でたものを常備して、サラダチキンやソテーに活用するのもおすすめです。
肉類と糖質量
- 牛肉肩ロース100gあたり(糖質0.2g)
- 牛肉ヒレ100gあたり(糖質0.3g)
- 豚ばら肉・豚ロース100gあたり(糖質0.2g)
- 鶏もも肉100gあたり(糖質0g)
- 鶏むね肉・ささみ100gあたり(糖質0.1g)
(2)魚・魚介類
肉類と同じく魚や魚介類も糖質が少なく、たんぱく質が多く含まれている食材です。糖質をセーブするためにも、調理法は刺身や焼き魚などシンプルなものがおすすめ。煮魚もOKですが、味付けに砂糖を多く使うと糖質量が上がるため、量には注意が必要です。また、天ぷらやフライは控えめに。衣に使われる小麦粉には糖質が多く含まれています。
魚・魚介類と糖質量
- 鮭100gあたり(糖質0.1g)
- かつお100gあたり(糖質0.1g)
- さば100gあたり(糖質0.3g)
- まぐろ100gあたり(糖質0.2g)
- タコ100gあたり(糖質0.1g)
(3)卵
卵もたんぱく質が豊富で低糖質。糖質制限中には積極的に摂りたい食材です。卵は、完全栄養食品ともいわれるほど、栄養バランスがよいのが特徴です。調理法のバリエーションが豊富なのも魅力ですが、煮卵や厚焼き卵は糖質が多くなるため、食べる量には注意しましょう。
卵の糖質量
- 卵100gあたり(糖質0.3g)
朝食やお弁当のおかずに便利で身近な卵。手軽に食べられる反面、一日何個まで食べていいのか? コレステロールを摂りすぎないか? などが気になるところ。卵の健康的な食べ方について、管理栄養士が解説します。
(4)きのこ・海藻類
きのこと海藻類も糖質が少なく、低カロリー。食物繊維が豊富で糖質制限にはもってこいの食品です。食物繊維は糖質の吸収を穏やかにする働きがあります。糖質制限中は炭水化物の量が少なくなるため、その分食物繊維が不足しがちになります。積極的に食べるようにしましょう。きのこをたっぷり入れた具だくさん味噌汁や、海藻サラダなどもよいでしょう。
きのこ・海藻類の糖質量
- しめじ100gあたり(糖質1.8g)
- まいたけ100gあたり(糖質0.9g)
- しいたけ100gあたり(糖質1.5g)
- わかめ100gあたり(糖質0g)
- ひじき100gあたり(糖質0.4g)
(5)野菜
野菜も低糖質でカロリーが低いため、上手に活用しましょう。野菜の中でも糖質が少ないのが、ほうれん草や白菜などの葉物野菜。かぼちゃやにんじんといった根菜類は糖質が高めなので注意を。また、きのこや海藻類同様に食物繊維が多く、食事の始めに食べることで血糖値を上げにくくする働きがあります。
野菜の糖質量
- ほうれん草100gあたり(糖質0.4g)
- ブロッコリー100gあたり(糖質0.9g)
- キャベツ100gあたり(糖質2.6g)
- 白菜100gあたり(糖質1.5g)
糖質制限中に控えたほうがいいものは?
ここまで食材ジャンル別に低糖質の食べていいものを紹介してきました。反対に糖質制限中には控えておきたい、糖質の多い食べ物を紹介します。
また、糖質制限中の味方になるのがダイエットアプリです。食事の写真を撮るだけで、すぐに糖質量を計算してくれるアプリがあるので上手に活用しましょう。1日70~130gを目標にして、食べる量を調整してみてください。
(1) 炭水化物
炭水化物は糖質が多く含まれているため、食べる量を控えたい食べ物です。糖質制限中の糖質は1食20~40gに抑えるのが理想。そのため毎食のごはんは「茶碗半分」が目安になります。
主食を減らしたくないという方は、食物繊維が多く低糖質な玄米ごはんや麦ごはんに代えるのがおすすめ。少量ではありますが、白米に比べて糖質量を減らすことができます。また、麵類は低糖質パスタなどもたくさん登場しています。食べたいものをかしこく探してみてくださいね。
炭水化物の糖質量
- ごはん茶碗1杯150gあたり(糖質55.2g)
- 麦ごはん茶碗1杯150gあたり(糖質40.8g)
- 食パン1枚60gあたり(糖質26.6g)
- うどん1玉250gあたり(糖質52.0g)
- パスタ1食分80gあたり(糖質52.0g)
- そば1玉200gあたり(糖質48.0g)
(2)イモ類・根菜類
じゃがいもやさつまいもなどのイモ類には多くの糖質が含まれています。食べすぎには注意しましょう。ヘルシーそうに見えて意外と糖質量が多いのがはるさめ。低カロリーなイメージがありますが、じゃがいものでんぷんが原料なので、糖質制限中は控えたい食べ物です。
また、にんじんやかぼちゃなどの根菜類も糖質が多く含まれています。かぼちゃサラダやかぼちゃの煮付けなど、味付けに甘みがあることもあり、糖質の摂りすぎになるので要注意を。
イモ類・根菜類の糖質量
- じゃがいも100gあたり(糖質16.3g)
- さつまいも100gあたり(糖質30.3g)
- 乾燥はるさめ1食分20gあたり(糖質16.7g)
- かぼちゃ100gあたり(糖質44.9g)
(3)お菓子・ジュース類
ケーキやチョコなどのお菓子にもかなり多くの糖質が含まれています。お菓子以外にも、ジュースが好きでよく飲んでいるという方は危険。ジュースの糖質は水分に溶けているため、体にすばやく吸収されるのが特徴。そのため血糖値が急上昇しやすくなる原因に。
間食は1回あたり10gの糖質に抑えれば食べてもOK。どうしてもおやつが食べたいときは量を調節するか、記事の後半で紹介する低糖質なおやつに代えてみましょう。
お菓子・ジュース類の糖質量
- ショートケーキ100gあたり(糖質43.0g)
- アップルパイ100gあたり(糖質31.4g)
- ポテトチップス1袋60gあたり(糖質30.3g)
- チョコレート1食分40gあたり(糖質20.8g)
- コーラ1本500gあたり(糖質59.5g)
- ポカリスエット1本500gあたり(糖質31.0g)
(4)お酒類
お酒が好きで1日の楽しみになっているという方も多いのではないでしょうか。お酒は種類によって、糖質量にかなり差があります。糖質が少ないお酒を選べば、糖質制限中でもお酒を楽しむことができます。
ビールや日本酒などの醸造酒は、糖質が多い傾向にあるので控えめに。それに比べて、ウィスキーや焼酎などの蒸留酒はほとんど糖質が含まれていません。飲むときには、何で割るかにも気配りを。ジュースや炭酸飲料など、砂糖が含まれるもので割るのはNG。なるべく水割りやロックで飲み、糖質を摂りすぎないようにしましょう。
お酒類の糖質量
- ウィスキー100mlあたり(糖質0g)
- 焼酎100mlあたり(糖質0g)
- ビール100mlあたり(糖質3.1g)
- 日本酒100mlあたり(糖質4.9g)
- 梅酒100mlあたり(糖質21.7g)
(5)甘みの強い調味料
意外と盲点ですが、糖質制限中は甘みの強い調味料にも気をつけたいところ。甘い味付けが好きという方は注意が必要です。
砂糖はもちろん、ケチャップやウスターソースにも多くの糖質が含まれています。しょうゆや塩、お酢など糖質の少ない調味料での味付けを。また、カレーやシチューのルウには小麦粉が入っているため糖質が多く含まれています。
調味料の糖質量
- ウスターソース大さじ1杯18gあたり(糖質4.7g)
- ケチャップ大さじ1杯15gあたり(糖質3.8g)
- 砂糖大さじ1杯9gあたり(糖質8.9g)
- カレールウ1食分20gあたり(糖質8.2g)
コンビニでも買える! 糖質制限中におすすめのおやつ3選
糖質制限中のおやつは、1日糖質10g以内を目安に選びましょう。といっても、何を食べていいのか悩んでしまいますよね。そこで、ダイエット中でも食べたい! という方におすすめの低糖質おやつを3つご紹介。コンビニでも手軽に買えるものばかりなので、ちょっと小腹が空いたときにもぴったりです。
(1)チーズ
低糖質なチーズは間食にぴったりです。高たんぱくなので、筋肉のもとになるたんぱく質の補給ができ、お腹に溜まりやすいのもうれしいポイント。カロリーは高めなので食べすぎには注意が必要です。
糖質制限中のおやつは糖質量だけでなく、カロリーも200kcal以内を目安にしましょう。6Pチーズのような個包装のチーズであれば、4つまでが目安になります。
(2)ナッツ類
ナッツ類も糖質が少なくダイエットの強い味方になります。食物繊維が豊富で血糖値を上げにくく、糖質の吸収をゆるやかにしてくれます。ナッツの中でも、アーモンドやクルミ、マカダミアナッツが低糖質でおすすめ。
カシューナッツは糖質が多いので、食べすぎには注意を。おやつであれば、アーモンドは1日20粒、カシューナッツなら10粒程度がいいでしょう。
(3)高カカオチョコレート
どうしてもチョコレートが食べたいというときには、高カカオチョコレートを選びましょう。血糖値の上昇を抑えてくれるので糖質制限中のおやつにぴったりです。低糖質といっても、1枚あたり1.6gの糖質が含まれています。1日5枚程度を目安としましょう。
コンビニや外食で気をつけるべきポイント
ダイエットのためには食事は手作りしないとダメ? と思われる方も多いかもしれません。しかしポイントさえ抑えておけば、コンビニや外食が多い方でも大丈夫。メニュー選びや食べ方のポイントをまとめました。
外食では定食を注文
外食ではできる限り定食のようなバランスのよいメニューを選びましょう。麵類や丼物だけの食事や、うどんとおにぎり、そばと天ぷらといった“W炭水化物”は糖質量オーバーの原因に。付け合わせに炭水化物を選ばない、ラーメンを食べるときは替え玉をしないなど、糖質を摂りすぎない工夫が大切です。
コンビニではパッケージの糖質量をチェック
コンビニでポイントとなるのはパッケージのチェックです。コンビニの商品は糖質量が書いてあるものがほとんど。糖質制限中に選ぶときの参考にしましょう。肉・魚などのたんぱく質が多く糖質が少ないメニューが糖質制限に最適です。
まとめ:糖質制限中は低糖質・高たんぱくの食べ物を
糖質制限中に食べてもいいものをご紹介しました。糖質制限中でも、糖質量を1日70~130g抑えれば、極端に食べる量を減らすことなく、食事を楽しむことができます。
糖質制限中に主に食べていいものは、肉・魚・卵などたんぱく質が多いものや、きのこ・海藻類のように食物繊維が多いもの。間食やお酒も糖質の量や種類に注意すれば、食べてもOKなので、無理なく続けることができるダイエット法といえます。
また外食では、麵類とおにぎりなどの“W炭水化物”による糖質の摂りすぎには注意しましょう。定食のような低糖質でバランスのよいものを選ぶのがベストです。
極端な糖質制限は、続かないばかりか体調不良の原因にもなりかねません。ご紹介したゆるやかな糖質制限で食べるものを上手に選択しながら、健康的な体づくりを目指しましょう。
参考:
資格のキャリカレ 糖質が多い食べ物とは?糖質量一覧|食品名別早見表
「体にいい」と言われる食べ物はたくさんあるけれど、本当に必要なのはどれ? と、疑問に思うことはありませんか。ダイエットにも美容にも効果的で、健康維持にも役立つ、毎日食べた方が良い食べ物をご紹介します。