代謝を上げる効果的な方法は?太らない体を作るために必要な7つのこと
体重が落ちなくなった、前より太りやすくなったと感じませんか? もしかしたら、代謝が落ちているせいかもしれません。そんなお悩みを解決するために、代謝を上げる方法と、やせやすい体を手に入れるコツを紹介します。
目次
代謝が落ちる原因は?
なかなかやせられないのは代謝のせい? そう感じている女性も多いはずです。そもそも代謝とは、食べ物や飲み物などから摂ったカロリーを、生きるためのエネルギーに変えて消費すること。代謝が落ちると、消費できるカロリーは減ってしまいます。
代謝が落ちる原因は、大きく分けて2つあります。加齢のほか、生活習慣の乱れなども関係する原因について、くわしくみていきましょう。
筋肉の減少
代謝が落ちる原因の1つ目が、筋肉量の減少です。仕事や家事が忙しく、運動の時間を確保することがむずかしい方も多いでしょう。筋肉は、使う機会が少なくなれば徐々に落ちていきます。
筋肉は常にカロリーを消費していますが、筋肉量が少なくなると当然その消費量も減少。そのため「筋肉が減る→代謝が落ちる→太りやすい体になる」という結果につながります。
反対に、筋肉を動かす機会が多いほど、筋肉量がアップしてたくさんのエネルギーを消費することができ、代謝をキープできます。
また、過度なダイエットも筋肉の減少につながります。やせようとして極端な食事制限をすると、体は足りないエネルギーを確保しようとして筋肉を分解しはじめます。見た目はやせられたとしても、筋肉が減るために代謝が低下。太りやすい体になるのです。
自律神経の乱れ
自律神経とは、代謝や体温、心拍などの体のあらゆる機能をコントロールしている神経です。人は、自律神経が乱れることでも代謝が低下します。
ストレスが多い、睡眠不足が続くといった生活習慣は、自律神経の乱れを引き起こします。すると体の代謝機能がうまく働かなくなり、次第に代謝が低下していていくのです。
リラックスする時間を持たずに活動モードが続くことで、誰でも自律神経が乱れやすくなります。代謝を上げるためにも、なるべくストレスを溜めない生活を送り、息抜きする時間を持ちましょう。
代謝が落ちることで起こる体の変化
代謝が落ちることは、当然体にとって良い変化ではありません。原因となる筋肉量の減少や自律神経の乱れは、なかなか自分では気づきにくいもの。体型が変わったり体重が増えたりしてから、代謝の低下を感じる人がほとんどではないでしょうか。ここでは、代謝が落ちることで起こる体の変化について解説します。
太りやすく、やせにくい体になる
代謝が落ちると、食事から摂ったエネルギーが十分に消費されず、体の中で余ってしまいます。余ったエネルギーは脂肪として蓄積されるため、太りやすい体になります。
また、やせたいと思って運動をしても、エネルギーを消費できる筋肉が少ないと効率よく使うことができません。その結果、太りやすくやせにくい体になるのです。
体が冷える
代謝が落ちると、体の冷えにもつながります。冷えの原因は、血流の悪化や筋肉量の減少などがあげられます。
血流が悪くなると、指先や足先までしっかり血液を届けることができません。そのため体が冷えてますます筋肉が縮み、巡りが悪化して脂肪を溜めやすい体になります。
疲れやすい体になる
代謝が低い人は、筋肉量が少ない場合が多く、その結果疲れやすい体にもつながります。
例えば、日々の活動量が同じ場合、筋肉量が多い人と少ない人では、少ない人のほうが疲れやすくなります。今ある筋肉量で同じ活動量をまかなおうとするため、体力を消耗してしまうからです。
「若い頃よりも体力がなくなった」と感じる人も多いのではないでしょうか。それは加齢だけでなく、運動不足によって筋肉量が減り、代謝が落ちていることも影響しています。
免疫力が下がる
代謝が落ちることは、免疫力の低下にもつながります。不規則な生活やストレスによって自律神経が乱れると、内臓や血管の機能にも影響が出ることがあります。
そのため、ウイルスや細菌が体に入ってきてもうまく対抗することができません。風邪をひきやすくなる、病気になりやすくなる可能性があります。
代謝を上げるために知っておきたい基礎知識
代謝が下がることは、体にとって悪影響になることが多くあります。しかし筋肉量をアップさせて自律神経を整えることで、落ちてしまった代謝を再び上げることができます。
ここからは、代謝を上げる方法の前に、知っておきたい基礎知識について解説します。
「基礎代謝」とは何もしなくても消費されるカロリー
人間の代謝には大きく分けて2つの種類があり、1つは何もしなくても消費されるカロリー、2つ目は活動することによって消費されるカロリーがあります。2つのうち前者の生きているだけで消費されるカロリーを「基礎代謝」といいます。
日々の活動量が多い人は活動によって消費されるカロリーが多くなりますが、多くの人は活動量を劇的に増やすことはむずしいでしょう。そのため、「基礎代謝」を上げることこそが、代謝アップのカギになります。
呼吸や消化など、生きているだけで消費されるカロリーを増やすことで、脂肪が体に蓄積されることを防ぎ、やせやすい体を目指すことができます。
男性と女性の基礎代謝
基礎代謝とは、何もしなくても1日に消費するカロリー量のことを指します。基礎代謝は、年齢や性別、筋肉量によって変わります。年齢ごとの基礎代謝の平均値を見てみましょう。体重や筋肉量、体格によって基礎代謝は大きく変わりますが、10代後半をピークにゆっくりと減少していくのがわかります。
男性の基礎代謝基準値
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 加齢とエネルギー代謝 表1: 日本人の基礎代謝基準値)
年齢 | 基礎代謝量(kcal/日) |
15〜17歳 | 1610 |
18〜29歳 | 1520 |
30〜49歳 | 1530 |
50〜69歳 | 1400 |
70歳以上 | 1290 |
女性の基礎代謝基準値
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 加齢とエネルギー代謝 表1: 日本人の基礎代謝基準値)
女性は男性よりも体が小さく筋肉も少ないため、基礎代謝量は男性と比較すると少ないことがわかります。
年齢 | 基礎代謝量(kcal/日) |
15〜17歳 | 1310 |
18〜29歳 | 1110 |
30〜49歳 | 1150 |
50〜69歳 | 1100 |
70歳以上 | 1020 |
基礎代謝は筋肉量以外に年齢や性別などで異なる
基礎代謝は人によって異なり、個人差が大きくなります。筋肉量は基礎代謝を決めるひとつの要因になりますが、他にも次のような要素が関係しています(※)。
- 体表面積
- 年齢
- 性別
- 体格
- 体温
- ホルモン
- 季節
- 月経
例えば身長が高い人は、身長が低い人に比べて体を動かすのに大きなエネルギーが必要になるため、その分基礎代謝量が大きくなります。その他にも体温や季節、その日の体調によっても差が出ます。
(※)参考:厚生労働省「Ⅴ運動の基礎科学」
基礎代謝を上げることで得られるメリット
代謝が下がると体に悪影響が出るとお話ししましたが、基礎代謝を上げることで次のようなメリットがあります。
- 生きているだけで消費カロリーが増えて、やせやすく太りにくい体になる
- 筋肉量が増えることで体が温まりやすくなり、冷え改善が期待できる
- 体温が上がることで免疫力アップが期待できる
このように基礎代謝を上げることはダイエットや健康維持に効果的です。理想の体型になることはもちろん、健康な生活を送るためにも重要といえるでしょう。
代謝を上げる方法とは?
何度もご説明している通り、代謝を上げるためには、筋肉量を増やすことが1番の近道になります。基礎代謝の低下には、筋肉量だけでなく自律神経の乱れも大きく関わっています。そのため、ストレスを溜めずに生活習慣を整えていくことも大切です。
ここからは、代謝を上げるための方法を7つ紹介します。自分の生活に取り入れられそうな方法を少しずつ取り入れてみてください。
代謝を上げる方法(1):筋トレをする
筋肉量を増やすには、筋トレが効果的です。筋トレといってもマシンを使ったきついトレーニングをする必要はありません。自分の体力に合わない激しい運動は、筋肉量アップどころか疲労感につながります。自分の体重を使った軽めの筋トレを、自宅で行うことから始めましょう。
筋トレは、大きな筋肉を鍛えることで効率よく代謝を上げることができます。そのためスクワットや、足を前後に開いて曲げ伸ばしするランジなど、太ももやお尻の筋トレがおすすめです。
筋トレ中は、筋肉を休ませることも大切です。週2~3回を目安にトレーニングを行いましょう。
代謝を上げる方法(2):ウォーキングなどの有酸素運動
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も、代謝を上げる方法として効果的です。運動する習慣がない方は、ぜひ散歩を取り入れてみてください。
有酸素運動は全身の筋肉をしっかり動かすことができます。そのため脂肪燃焼や血流の改善が期待でき、代謝を上げるために効果的です。
健康維持のためには「1日8,000~10,000歩」を目標にしたいところ。毎日これだけ歩くのがむずかしい場合は、エスカレーターではなく階段を使う、近い距離なら歩いてコンビニやスーパーに行くなど、小さな工夫からはじめてみましょう。
代謝を上げる方法(3):ストレッチをする
ストレッチには自律神経を整える効果があり、代謝を上げるのに有効です。こり固まった筋肉を伸ばすことで、体がぽかぽか温まり代謝が上がりやすくなります。
特に下半身の筋肉には、血流を促すポンプのような役割があり、しっかり伸ばすことで血流が改善します。筋トレの前後やお風呂上がりに行うと、ストレッチ効果がアップ。リラックスしながら行いましょう。
代謝を上げる方法(4):入浴をする
入浴は、乱れた自律神経を整えるために効果的です。温熱効果で体を芯から温めて血流を改善。それに加えて、自律神経を「副交感神経」に切り替えてリラックスをもたらします。
現代人の多くは、活動と休息のバランスがとれず、自律神経が乱れています。毎日シャワーで済ませているという人は、代謝アップのためにも週に1回でも湯船に浸かる日を作ってみてください。
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代謝を上げる方法(5):水を1.5~2L飲む
人が汗や呼吸で失う水分は、1日約1.5~2.5Lとされています。それよりも水分摂取量が少ないと、血液がドロドロになり代謝が落ちてしまいます。
季節や体質にもよりますが、水分は1日1.5~2Lを目安に飲みましょう。血液がサラサラになり循環が改善されるため、代謝アップにつながります。
しかし水の飲み過ぎは、頭痛やけいれんを起こす可能性があるため、それ以上飲むことやガブ飲みには注意しましょう。また、体を冷やしたくない人は、白湯や常温水がおすすめです。
代謝を上げる方法(6):タンパク質をしっかり摂る
タンパク質は、筋肉を作るための材料になり、体に必要な栄養素です。せっかく筋トレをしても材料がなければ筋肉を増やすことはむずかしくなります。筋肉量アップのためにも、毎食タンパク質をしっかり摂るように心がけましょう。
タンパク質は肉や魚、卵、大豆食品に多く含まれています。バランスの良い食事を摂ることは自律神経を整えるためにも大切です。
代謝を上げる方法(7):サプリや漢方を活用する
代謝を上げるには運動や食事の見直しが基本ですが、それに加えてサプリメントや漢方の力を借りるのも手です。
漢方であれば、脂肪燃焼効果がある防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)や、血流改善効果のある当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)がおすすめです。
またサプリメントは、ショウガやビタミンB群が含まれているものが良いでしょう。ショウガに含まれる「ジンゲロール」には血行を改善する働きがあり、ビタミンB群は糖をエネルギーに変えてくれる効果があるため、代謝アップに効果的です。
まとめ:代謝を上げるには筋肉量がカギ! 運動と食事で体づくりを
代謝には加齢だけではなく、筋肉量や自律神経など、他にもたくさんの要因が関わっています。そのため、年齢を重ねたとしても運動習慣や食事を見直すことで、落ちた代謝を上げることが可能です。
代謝を上げると、太りにくくやせやすい体になるだけでなく、免疫力の向上や冷えの改善など、多くのメリットが期待できます。
- 筋トレをする
- ウォーキングなどの有酸素運動
- ストレッチをする
- 入浴をする
- 水を1日1.5~2L飲む
- タンパク質をしっかり摂る
- サプリや漢方を活用する
ご紹介したこれらの方法を、日常生活で試してみてください。どれかひとつでも良いので自分の生活にあわせて取り入れてみましょう。
基礎代謝は1日筋トレすれば上がるものではありません。毎日少しずつ続けて代謝を上げ、太りにくくやせやすい体を目指しましょう。
体重が落ちなくなった、前より太りやすくなったと感じませんか? もしかしたら、代謝が落ちているせいかもしれません。そんなお悩みを解決するために、代謝を上げる方法と、やせやすい体を手に入れるコツを紹介します。
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