半身浴の効果や正しいやり方は?ダイエット・美肌にもいい入浴のコツ
半身浴はダイエットやむくみの改善、美肌効果など、女性にうれしいメリットがたくさんあります。知っているようで知らない半身浴の正しい方法や効果、入浴後のケアまでくわしく解説していきます。
目次
半身浴と全身浴との違いは?
「半身浴が美容にいい」と聞いたことがある女性も多いのではないでしょうか。お風呂は、忙しい現代人にとって貴重なひとり時間でもあります。
半身浴とは、みぞおちのあたりまでお湯に浸かる入浴の方法のこと。一方で全身浴とは、肩までお湯に浸かり、文字通り全身で入る入浴法のことです。
半身浴は上半身がお湯から出ている分、ゆっくりと時間をかけて入浴を楽しむことができます。体を温めながら疲労を回復させ、リラックスできる効果もあります。また、足のむくみを改善をしたいときや、入浴で血流を促進して代謝を上げたいときにもおすすめです。
一方で、半身浴ほど時間の余裕がないときには全身浴がおすすめです。全身浴は首までお湯に浸かるため、短時間で体を温めることができます。
半身浴の効果は?
半身浴による温浴効果は、健康や美容にさまざまなメリットをもたらしてくれます。ここでは、半身浴で期待できる効果について紹介します。
ダイエット効果
入浴をすると血管が広がります。血液の流れがスムーズになることで、新陳代謝が促進。血流が良いと代謝が上がり、やせやすい体を目指すことができます。
また、半身浴を継続すると体の基礎代謝量が上がり、エネルギー消費量も増加します。半身浴により、安静時のエネルギー消費量が1日あたり約200kcalも増加したという報告もあります(※1)。 食べ物からの摂取量にもよりますが、エネルギーの消費量がアップすれば、やせやすい体質になるといえます。
半身浴は「汗をかくことがダイエットにつながる」というイメージもありますが、それは体の水分が汗となって出ただけ。実際は毎日継続することで、やせやすい体作りができるということを、知っておきましょう。
(※1)日本温泉気候物理医学会『半身浴による整理変化』より
むくみ改善効果
入浴をすることで得られる効果のひとつに、水圧作用によるむくみ改善効果があげられます。水圧作用とは、水深に比例して水の圧力が加わる作用のこと。半身浴の場合、特に下半身に水圧がかかります。
お湯によって程よく圧力がかかることで、下半身にたまった血液やリンパ液が流れ、全身の巡りがアップ。この作用によって血液や水分が流れることで、むくみ改善につながるのです。下半身がむくみやすい人は、半身浴によって脚がすっきりする効果を感じられるでしょう。
美肌、リラックス効果
入浴をすることで、皮膚をきれいにする清浄作用がはたらき、美肌効果も期待できます。これは、全身浴か半身浴かに限らず、お湯に浸かるだけで得られるうれしい効果。
入浴で体が温まることで毛穴が開き、皮膚にたまった汚れが落ちやすくなります。そのため体や顔を洗うときは、せっけんの泡でやさしく洗い流すだけでOK。肌表面の汚れに加え、古い角質も自然とはがれやすくなります。
さらにもうひとつ、入浴には浮力作用があります。これは、水中では浮力があるため体が軽くなるという働き。全身浴の場合だと、通常の約1/10の重さになるといわれています(※2)。
浮力があることで体が軽くなり、筋肉の緊張がゆるみます。お風呂に入るだけで自然とリラックスできるのもメリットといえるでしょう。
(※2)参考:名古屋市上下水道局 うるおいライフ「健康」と水道水 より
半身浴を始める前の準備
じっくりお風呂タイムを楽しめるのが半身浴のいいところですが、入浴前にいくつか用意しておくべきことがあります。ここでは、半身浴の準備についてご紹介します。
浴室は26~28度、お湯は38~40度に設定
半身浴で効果を感じるためには、まず浴室とお湯の温度設定が重要です。半身浴の適温は、浴室は26~28度、お湯は38~40度。浴室用の温度計や、湯温計があると便利です。
浴室の温度設定は、浴室暖房機や湯船の湯気などで調整して、あらかじめ温めておきましょう。浴室に裸で入って寒いと感じない程度にしておくことが大切。
また、お湯の温度は20分程度入浴できることが前提となっています。適温より熱すぎたりぬるすぎたりすると効果は半減。入浴中はお風呂のふたを閉めて、湯温が下がりにくくするのもポイントです。
冷え防止のタオルを用意する
みぞおちのあたりまでお湯に浸かる半身浴は、上半身はお湯の外に出た状態です。そのため寒さを感じる場合は、体温を維持するためにタオルの用意を。肩から掛けて、体が冷えないようにしましょう。温浴効果を感じるためにも、冷え防止は大切です。
コップ1杯の水分を補給する
半身浴中はじんわりと汗をかくため、脱水にならないように事前に水分補給をしてください。飲むタイミングは、半身浴を始める30分ほど前から。一気にたくさん飲むのではなく、コップ1杯程度の水を少しずつ摂りましょう。
しっかりと水分を補給すると、排出されるべき体の老廃物がスムーズに流れます。また、脱水防止のために浴室にも水を持ち込み、入浴中にこまめに水分を摂ることをおすすめします。
半身浴の正しいやり方
ダイエットや美肌など、女性にうれしい効果が期待できる半身浴は、正しい方法で行うことでさらに効果がアップします。ここからは、半身浴の正しいやり方について紹介します。自己流で行っていた人も、効果的なやり方を今一度チェックしてみてください。
就寝1.5~2時間前の入浴がベスト
半身浴は、就寝前の1.5~2時間前に行うのがベストなタイミング。この時間帯に半身浴をすると、安眠効果が高まります。
半身浴で体温が上がると、入浴後はゆっくりと低下。人は体の深部体温が下がるタイミングでスムーズに眠りにつくことができます。そのため就寝前に体温を上げることは安眠に有効。寝つきを良くしたい、熟睡したいなど、睡眠の質を高めたい人は、ぜひ就寝から逆算して行ってみてください。
入浴前にかけ湯をして体は半身浴後に洗う
半身浴で湯船に浸かる前は、お湯の温度に慣れるために、下半身にかけ湯をしましょう。順番は、「足元→脚→お尻・お腹」のように、体の下から上に向かって行います。このとき、上半身にかけ湯をすると半身浴中に体が冷えてしまうため、お湯に浸かる下半身だけにかけ湯をするのがポイントです。
また、髪や体を洗うのは、入浴後に行います。お湯に浸かって体を温めてから行うと毛穴が開き、皮脂や汚れを落としやすくなるでしょう。
入浴時間は20~30分を目安に
入浴してから発汗するまでにかかる時間はおおよそ20分くらいといわれます。そのため入浴時間は20~30分を目安に。
ただし、発汗時間には個人差があります。体調の良し悪しでも発汗するまでの時間は変わってきますので、無理をせず自分の体調に合わせた入浴時間で楽しみましょう。
体調が優れないときはやめる
風邪をひいているときや体調がすぐれないときは、半身浴をやめてください。半身浴をやらないだけでなく、入浴自体を控える、シャワーだけにするなど、自分の体と相談を。
また、食べ物を消化している間は胃に血流が集まっているため、食後すぐの半身浴も控えてください。消化不良を起こす恐れがあります。食後は1時間くらい時間を空けてから入浴するほうが良いでしょう。
食事のほかにも、飲酒した後も要注意。血液の循環が乱れて血圧が下がったり、心拍数があがって脳貧血、不整脈などをおしたりする恐れがあります。
さらに妊娠中も、長時間の半身浴は様子を見ながら行ってください。入浴は体力を消耗したり血圧が変動したりします。無理をして半身浴を行っても、良い効果は得られません。体調が良いときに行うことが基本になることを忘れずに。
短時間で温まりたいなら全身浴を
短時間で体を温めて疲れをしっかり取りたい場合は、半身浴よりも、10分程度の全身浴がおすすめです。全身浴は、肩までしっかりお湯に浸かるため、全身にすばやく血液を巡らせて、効率よく体を温めます。
特に全身疲労がつらいときや、肩こりや・首こりなど体のこりを感じるときなどは、水圧効果が高い全身浴のほうが向いています。より血流効果改善が期待できるでしょう。
ただし、心臓や肺が弱い人や高血圧の人は、体に負担をかけないように温度や入浴時間を調整してください。その日の体調や目的に合わせて、全身浴か半身浴かをチョイスするのがよいでしょう。
入浴剤を使って温熱効果をアップ!
半身浴を行う際に入浴剤を使うことで、温熱効果がアップします。入浴剤にはそれぞれ特徴がありますが、体をしっかり温めたいなら、ミネラルの力で温熱効果を高める無機塩類系の入浴剤や、血行を良くしてくれる炭酸ガス系の入浴剤がおすすめです。
無機塩類系は、ミネラルが多く含まれています。これが皮膚表面のタンパク質と結びつくことで体に保湿膜がつくられ、保温効果が高まります。
炭酸ガス系の入浴剤は、お湯に溶けた炭酸ガスが皮膚から吸収されて血管を広げ、血行を促進。新陳代謝が高まることで、体がポカポカと温まります。自分の目的別に入浴剤を選んで、効果を高めましょう。
半身浴後のケアもしっかり行う
半身浴後は、水分補給や保湿対策といった体や肌のケアを行うことを忘れずに行いましょう。
半身浴をすると汗をかきます。入浴後も発汗はしばらく続きますので、水分補給はしっかりと。せっかく温まった体を冷やさないように、常温の水をコップ1杯程度飲むと良いでしょう。
また、汗をかくと肌は乾燥しやすくなるため、保湿も大切です。半身浴後に化粧水や乳液でスキンケアをして、潤いをキープしましょう。半身浴後は毛穴が開き肌もうるおっています。しばらくすると乾燥が進むため、お風呂から上がって10分以内に行うのがベストです。
半身浴のデメリット
半身浴にはご紹介したようにメリットがたくさんありますが、デメリットもあります。まずあげられるのは、所要時間がかかるということ。
半身浴の最適な入浴時間は20分。浴室を温める準備を含めるともう少し時間が必要になります。忙しくてのんびり入浴することができない場合は、短時間で体が温まる全身浴がおすすめです。
さらに半身浴のデメリットとしては、長い時間お湯に浸かっているため汗をかきやすく、水分が不足しがちになること、入浴中に上半身が冷えやすいなどがあります。
先にご説明した通り、半身浴はしっかりと準備やケアを行うことも重要となります。時間や体力に余裕がないときは、無理に行わないように気をつけましょう。
まとめ:半身浴の正しいやり方を知ればダイエットにも効果あり!
のんびりとお湯に浸かり、体を温めることができる半身浴。ダイエットやむくみの改善、美肌など、女性にうれしいさまざまな効果をもたらしてくれます。しかし、効果を得るためには、正しいやり方で行うことが大切。準備から入浴後のケアまで、確認したうえでやってみましょう。
半身浴は続けることで、体の基礎代謝が増加します。スリム体型を目指したい人は、普段から半身浴を取り入れてみてください。基礎代謝を高めて、やせやすい体づくりに役立ちます。
そして半身浴だけでなく全身浴でも、入浴の良い効果は得られます。自分の体調や目的に合わせて、半身浴か全身浴かをチョイスすると、より良い入浴効果が期待できます。
ダイエットはもちろん、リラックスや安眠にもつながる半身浴。今日からぜひ試してみてくださいね。
心を“今”に集中させる「マインドフルネス」。それをお風呂で行うのが、「マインド風呂(フロ)ネス」です。心と体をリラックスへ導くやり方を、マインド風呂ネスの第一人者である小林麻利子さんに聞きました。
[ 監修者 ]
- すずきこどもクリニック
- https://suzukikodomo.jp/
- 医師と患者をつなぐプラットフォーム「イシャチョク」
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