眉間のシワの原因は?効果的なセルフケアと使うべき美容成分を解説
鏡を見るたびに気になる「眉間のシワ」の原因は? 美容皮膚科医が、今日からすぐに取り入れられる眉間のシワ対策を紹介。表情筋のクセを防ぐ習慣や、シワに効果的な美容成分などをわかりやすく解説します。
目次
眉間のシワができる原因
すっぴんで鏡を見たら、眉間にうっすらとシワができていて、ショックを受けたことはありませんか? 眉間にシワがあると、真顔でも怒ったような顔になり、機嫌が悪い人に見えてしまうことも。まずは眉間のシワができる原因について見てきましょう。
表情のクセ
眉間のシワができる原因のひとつに、表情のクセがあげられます。顔には体と同じように「表情筋」と呼ばれる筋肉があり、喜怒哀楽を作っています。
そのなかでも眉間のシワに関係している表情筋が、「鼻根筋(びこんきん)」と「皺眉筋(しゅうびきん)」です。
鼻根筋は鼻の根元にある筋肉で、鼻の付け根付近に横ジワを作ります。一方、皺眉筋は眉の上にある筋肉で、眉間に縦ジワを作る原因となります。どちらも、目を細めた表情をつくるときや、眉間にグッと力が入るときに働きます。
視力が悪くて物を見るときに眉間にシワが寄る、考え事をしてふと気づくと眉間に力が入っているといった経験はありませんか。このような表情がクセづくほど、眉間のシワは深く刻まれます。
加齢による肌の弾力不足
加齢による肌の弾力不足も、眉間のシワの原因になることがあります。肌のハリや弾力を維持しているのは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった美肌成分です。
これらは肌を支える土台となるものですが、残念ながら加齢によって減少して劣化します。するとハリや弾力を支えることができなくなり、表情筋のクセが皮膚に伝わりやすくなります。次第に肌の奥の真皮にも、その折りグセが刻まれ、真顔のときでも消えない眉間のシワが刻まれるのです。
肌の乾燥
肌の乾燥は、眉間だけでなくさまざまなシワやほうれい線の原因になります。眉間を含む、おでこと鼻筋の「Tゾーン」は皮脂量が多くテカりやすいですが、洗顔によるうるおい不足や紫外線ダメージなどで、実は乾燥しやすい場所でもあります。そのためTゾーンの保湿が不足して常に乾燥すると、皮膚は弾力を失い、眉間のシワにつながりやすくなります。
眉間のシワを改善する方法
眉間のシワに気づいたら、薄いうちに対処するのが鉄則です。シワは深くなればなるほど、解消するのがむずかしくなります。表情筋にクセをつけないような習慣や、スキンケアで使うべき美容成分など、眉間のシワを改善するための方法をご紹介します。
表情筋のクセを防ぐ習慣
眉間の縦ジワは、眉を内側に寄せる皺眉筋の働きによって刻まれます。常に内側に寄せる力が強く動いているとクセづいてしまうため、眉間に力を入れて寄せる動きをやめて、眉を外側に開くイメージを持ちましょう。
筋肉は「拮抗筋(きっこうきん)」と呼ばれる、メインの筋肉とは反対に動かす筋肉が必ず対になっています。一方の筋肉が強く働きすぎるとシワにつながるため、表情筋のバランスを保つことが大切です。
また、鼻の付け根にある鼻根筋も眉間のシワにつながるとお伝えしました。笑うときに鼻根筋を持ち上げるような表情がクセづいている人は要注意。色々な表情を試して、鼻根筋をつい動かしていないかを、鏡でチェックしてみるのもおすすめです。
さらに、表情筋を柔軟に動かす表情筋トレーニングは、顔の血流を促進して、弾力のある皮膚を作るために役立ちます。
シワ改善コスメをスキンケアに活用
スキンケアでシワ改善を目指すのも効果的です。シワの原因のひとつに、加齢や乾燥、紫外線などのダメージによるハリ不足があります。シワ改善を目的とした美容液やクリームなら、衰えた肌に直接アプローチ。眉間のシワ解消に役立ちます。
加齢ジワにはビタミンC誘導体やレチノールがおすすめ
加齢とともにコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の生成は減少します。これらの生成をサポートするには、ビタミンC誘導体やレチノールが配合された化粧品を使うのがおすすめです。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進させてたるみを改善する働きがあります。しかし、浸透しにくいという特徴も。そのためビタミンCを美容成分として持続させることなどを目的としたのが「ビタミンC誘導体」です。
一方でレチノールは、ビタミンAの一種。厚生労働省からシワ改善効果を認められた成分のひとつです。コラーゲンやエラスチンといった美肌成分を促進させて弾力をアップさせる力があります。加齢によるシワの改善には、たるみに働くビタミンC誘導体やレチノール配合コスメを選んでみましょう。
乾燥ジワにはセラミドなどの保湿成分を
乾燥による眉間のシワ改善には、セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分配合の化粧品が効果的です。
セラミドは皮膚表面にあり、細胞と細胞の間で水分をつなぎとめて乾燥から守ってくれる成分。しかし、ほかの美肌成分同様に加齢とともに量が減少。そのため外からの補給が大切です。
ヒアルロン酸ももともと肌に存在。保水力にすぐれた成分です。このようにうるおい不足による眉間のシワには、保湿力のある成分でケアしましょう。
シワ改善クリームで保湿
化粧品の中には、「乾燥によるシワを目立たなくする」効果が認められた商品があります。これは、日本香粧品学会の「抗シワ製品評価ガイドライン」に基づいた試験で、有効性が認められた化粧品。
パッケージなどに、「乾燥によるシワを目立たなくする」といった表記がされています。できてしまったシワを完全に取り去ることはむずしいですが、乾燥による小ジワには有効です。
また、一般的に「シワ改善クリーム」と呼ばれる、厚生労働省が「シワ改善」の効果効能を認めた成分、商品もあります。先ほどご紹介したレチノールもその成分のひとつ。眉間のシワを日々のスキンケアで改善したい人は、しっかりと承認を受けた商品を使うことで対策しましょう。
シワ対策テープも効果的
一時的に眉間のシワを目立たなくする方法として、シワ対策用テープを使うのも良いでしょう。シワ対策テープとは、顔の一部に貼ってたるみをキュッと引き上げ、シワを伸ばして目立たなくするもの。シワ伸ばしテープ、たるみ対策用テープとして市販されています。
一時的に貼る分には問題ありませんが、使いすぎると肌に刺激を与えてトラブルになる場合も。人と会うタイミングや写真に写るときなど、シワをカモフラージュしたい日に限定して使うのがおすすめです。あくまでも一時的な対策として活用しましょう。
どうしても消えない眉間のシワは美容医療を
ここまでシワ改善のためのセルフケアをご紹介しました。セルフケアを取り入れても眉間のシワが消えない、今すぐシワを解消したいという場合は、美容皮膚科で相談するのもひとつの方法です。
眉間のシワを改善する美容医療として、表情筋に働きかける「ボトックス」やヒアルロン酸注入、レーザー治療などがあります。眉間のシワ対策に美容医療を取り入れるときは、メリット以外に副作用も気になるところ。また、治療は1回なのか複数回なのかなど、治療方針についてもしっかりと医師に確認してから検討しましょう。
ここでは、眉間のシワに効果的な美容医療について解説していきます。
表情筋の動きを止めるボトックス注入
ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出した「ボツリヌストキシン」という毒素成分を皮膚に注射し、筋肉の動きを止めてシワにアプローチする治療法です。
表情筋が繰り返し動くことが眉間のシワの原因にもなるとお伝えしました。ボトックスで表情筋の動きを止めることで、シワ改善に効果が期待できます。ただし、1回の注入で効果が持続するのは数カ月といわれています。どのくらいの頻度・回数で治療していくかは、クリニックの医師に相談を。
肌に潤いをもたらすヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸は、1gで6リットルもの保水力がある物質で、肌の潤いに密接に関係しています。ヒアルロン酸は加齢と共に減少。肌が乾燥してシワにつながる要因となります。
美容医療のヒアルロン酸注入は、ヒアルロン酸を気になるパーツに入れることで、内側からふっくらさせてシワを目立たなくさせます。短時間で施術が終わる手軽さや、注入してすぐにシワ改善効果を感じられるところも魅力。ただし、効果が薄れてくると元に戻る可能性があるため、継続した治療が必要になります。
また、ヒアルロン酸にも種類があり、硬めのヒアルロン酸を血管が少ない眉間に大量に入れることは血管塞栓のリスクもあります。皮膚の弾力を復活させるタイプのヒアルロン酸を浅く少量ずつ、継続的に注入することをおすすめします。
たるみに効果的なレーザー治療
レーザー治療は、顔の全体的なたるみやシワなどの改善を目指す治療法です。クリニックで使用する医療機器によって違いがありますが、レーザー光の照射により肌に刺激を与えることで、皮膚を活性化させたり、真皮で生成されるコラーゲン量を増加させたりします。レーザーによる治療は、眉間のシワ改善にも効果的です。
眉間のシワを予防する方法
眉間のシワを未然に防ぐためには、ご紹介した方法のほかにも、食事や睡眠で健康な体の土台をつくっておくことも大切です。ここでは眉間のシワを予防するための生活習慣について解説します。
美肌作りのための栄養素を食事から摂取
眉間のシワを予防するために大切なのが、バランスの取れた食事です。肌に必要な栄養素は、細胞を作るタンパク質や、肌の代謝をサポートしてくれるビタミンB6、亜鉛、ビタミンCなど、複数あります。これらを食事からまんべんなくとるためには、主菜で肉や魚、副菜や汁物で野菜を摂るよう心がけましょう。
またエビやカニ、鮭は、シワや肌のたるみ予防に効果が期待できる「アスタキサンチン」を含んでいます。眉間のシワそのものにダイレクトに効果があるわけではありませんが、美肌に効果的な成分も意識して食事から摂り入れることをおすすめします。
十分な睡眠で成長ホルモンを分泌
肌の修復や再生を促すホルモンに「成長ホルモン」があります。成長ホルモンが多く分泌するのは睡眠中。特に、寝入りばなの2~3時間の間に深い睡眠をとることで、多く分泌されるといわれています。
眉間のシワ予防を含め、アンチエイジング効果を期待するなら、まずは十分な睡眠をとることから始めてみましょう。
水分をこまめに補給して内側から体に潤いを
シワの大きな原因となる乾燥を、体の内側から解消することも大切です。1日に必要な水の量は1.5~2リットルが目安といわれています。これらは食事で食べ物から自然と摂取する量も含まれています。
水分が不足すると、当然肌も乾燥しやすくなります。うるおいをキープするためには、水やお茶などの水分をこまめに摂取すること。そして水分は、一気に摂るのではなく「少量を少しずつ」補給することもポイントです。内側からうるおいを保ち、シワのない肌を目指しましょう。
まとめ:眉間のシワにはセルフケアを! 即効性を求めるなら美容医療も
ここまで、眉間のシワができる原因やセルフケア、予防法などについて解説しました。眉間のシワは、加齢による肌の衰えはもちろん、表情のクセや乾燥も原因になります。表情筋をクセづけない習慣やシワ改善を目的とした化粧品を取り入れ、眉間のシワ解消に役立ててください。
また、眉間のシワは一度できると短期間で解消するのがむずかしくなります。今すぐ結果を求めたいときは美容医療を検討するのもひとつの方法です。人と話すときにも見られやすい眉間。シワがなく肌にハリがあると、若々しく元気な印象にうつりますよ。
[ 著者 ]
- 逗子メディスタイルクリニック
- https://medi-style.jp/