疲れやすい体質を改善するには?今すぐ見直すべき生活のポイント
「体が疲れやすい」と感じることはありませんか? その理由は、日々の生活習慣に潜んでいるかもしれません。元気な体で過ごすために、休み方や運動、食事など、疲れやすい体質を改善するポイントを解説します。
目次
「疲れ」を感じる理由は? 3つの疲労
私たちが日々の生活の中で感じている疲れ。夜になるとぐったりしてしまう人や、反対に朝起きた瞬間から疲れていると感じる人もいるのではないでしょうか。
そんな日常に悩まされないために、まずは疲労の正体を知ることが大切。ここでは疲れを感じる理由について、3種類の疲労に分けて解説していきます。
肉体的疲労
1つ目は、肉体的疲労です。いわゆる体の疲れで、身体的な活動や運動によって生じます。
例えば、長時間の運動や労働のほか、運動不足や睡眠不足などが原因となり、筋肉の疲労や体のだるさを引き起こします。肉体的疲労に必要なのは、十分な休息をとることと、栄養の補給。さらに、適切な運動やストレッチなどを取り入れることで和らげることができます。
精神的疲労
精神的疲労は、長時間の頭を使う作業やストレス、心理的な負担などが原因となる、心の疲れのことです。
例えば、 プレッシャーのかかる重要な仕事や、人間関係のトラブル、ストレスの多い職場で働き続けていることなどが精神的疲労の原因となります。
精神的疲労には、リラックス できる時間や没頭できる趣味の時間を確保して 、心を休めることをおすすめします。また、ストレスを減らすためには十分な睡眠をとり栄養を補給することも欠かせません。
神経的疲労
神経的疲労は、情報処理のために神経や脳を酷使した状態が続くことで起こります。脳の疲労やストレスが原因となる神経系の疲れのことです。
神経が疲れると、不眠や集中力の低下、イライラ、不安、うつなどの症状を引き起こすことがあります。それを和らげるには、十分な休息やリラックスする時間を持ち、ストレスを減らすこと。
肉体疲労、精神的疲労同様に、適切な睡眠や栄養補給が欠かせません。また、気分転換をする時間を持つといったストレス管理のほか、瞑想、深呼吸などのリラックス法も有効です。
疲れやすい原因
疲れやすい原因は、休息や運動が足りないといった日々の生活の中にあります。「なぜ疲れやすくなるのか」を知り、日ごろの生活を振り返ることで改善や予防につながります。ここでは疲れやすい原因について詳しく解説していきます。
休息が足りない
「自分は疲れやすい体質なのかも」と、不安になる方もいると思います。実は疲れやすさの一番の要因は、体質ではなく休息不足。休む時間が足りないために疲れやすくなる、というケースが多くみられます。
特に睡眠は、疲労を回復するために重要。人は寝ている間に、日中に受けたダメージを修復しています。そのため睡眠が足りないと肉体的にも精神的にも十分に回復できず、理解や判断する力や集中力の低下にもつながります。
質が高く十分な時間の睡眠をとり、体を休ませることで、疲れやすさを軽減することができます。
運動不足
運動不足が続くと心肺機能や筋肉が衰えます。酸素や栄養素の供給が減ることで、体のだるさや息切れといった疲労感があらわれやすくなるのです。
また、代謝が低下してエネルギー生産が減るため、体が疲れやすくなります。運動は代謝を促進させエネルギーの生産を増やします。定期的な運動習慣は、体の疲れを軽くする効果があります。
栄養不足
乱れた食生活により、栄養が不足することも疲れやすい原因になることがあります。特に鉄分やビタミンB群、ビタミンC、オメガ3脂肪酸の不足は、疲れやすさにつながります。
鉄分の不足
鉄分不足は貧血の原因になります。貧血になると酸素が体内に運ばれなくなるため、体全体がだるく疲れやすくなります。
ビタミンB群の不足
ビタミンB群は体のエネルギー代謝に関わる成分が含まれています。不足することでエネルギー代謝が低下し、体の疲れを感じやすくなるでしょう。
ビタミンCの不足
ビタミンCには、細胞の酸化をおさえる「抗酸化作用」があります。ビタミンCが不足することで、体の老化と関係している「活性酸素」が増加。その結果、疲れやすいと感じることがあります。
オメガ3脂肪酸の不足
オメガ3脂肪酸は、脳や神経細胞の健康に必要な栄養素です。オメガ3脂肪酸が不足すると、神経の働きが悪くなり疲れやすくなることがあります。
水分不足
これらの栄養素不足のほかに、水分不足も関係しています。体のあらゆる細胞は水分で成り立ち、栄養素をすみずみまで届けるためにも欠かせません。そのため日常的に水分が不足していると、体全体が疲れやすくなることがあります。
疲れが取れないのは病気の可能性も
ほとんどの疲労は休息不足が主な原因にと考えられますが、慢性的な疲れが続いている、生活に気を付けても疲れが取れないという場合は、注意が必要です。中には病気が関係している場合もあります。
疲れやすい症状の原因となる病気は、自律神経失調症やうつ病、鉄欠乏性貧血があげられます。
自律神経失調症
自律神経失調症は、ストレスや過労、生活習慣の乱れによって、自然治癒力を調整する役割を持つ「自律神経」のバランスを崩します。その結果、疲れやすさや不眠、めまい、頭痛などの症状があらわれます。
うつ病
うつ病は、慢性的な疲れややる気の低下、集中力の低下、食欲不振、睡眠障害などの症状が見られます。精神的なストレスや生活環境の変化、遺伝的要因などが原因とされています。
鉄欠乏症貧血
鉄欠乏性貧血は、鉄分不足によって赤血球の生成が低下し、疲れやすさや息切れ、めまい、頭痛などの症状があらわれます。女性に多く見られ、月経による鉄分の損失や食生活の乱れが原因とされています。
疲れやすい体質の改善法
疲れ対策には、睡眠時間の振り返りや、運動習慣をつくるといった、“当たり前”とも思えるような生活習慣を見直すことが重要です。ここでは、疲れやすい体質を改善する習慣を紹介。毎日を健康的に過ごすために始めてみましょう。
十分な睡眠時間を確保する
疲れやすい体質を改善するために、もっとも重要なことは睡眠です。一般的な睡眠時間は、成人では6.5~7.5時間が推奨されています(※1)。7時間前後を目安に十分な睡眠時間確保することで、日中に受けた心と体のダメージが回復するでしょう。
仕事や家事が忙しいと、つい自分の睡眠時間を削ってしまいがちです。睡眠時間をしっかり確保するためにおすすめなのが、「この時間になったら布団に入る」という時間をスケジュールに組み込むこと。日中から逆算して計画を立ててみましょう。
どうしても夜に睡眠時間を確保することがむずかしい場合、日中の仮眠も良いでしょう。昼食後~15時頃までの間に、15~20分程度の仮眠を取ることで睡眠時間を補います。
有酸素運動を取り入れる
疲れやすい体質を改善するために、有酸素運動を行うことも効果的です。有酸素運動とは、酸素を取り入れながら行う運動のことで、ウォーキングやサイクリングが代表的です。
有酸素運動を行うと全身の血流が良くなり、疲労物質が排出されやすくなり、疲労の改善につながります。特に朝日を浴びながら歩くことで、疲労回復を促進する脳内物質が分泌され、体内時計も整います。規則正しい運動習慣によって体内時計が整うと、全身をコントロールする自律神経系のバランスも良くなるでしょう。
たんぱく質やビタミン、ミネラルを十分に摂取
栄養が不足することも、疲れやすさにつながるとお伝えしました。そのため栄養バランスを考えた食事を摂ることも、疲労の回復に効果的です。
現代人の食生活は、ごはんやパン、麺といった炭水化物に偏りがちです。疲労回復のためにはタンパク質、ビタミン、ミネラルが欠かせません。
タンパク質は、 体内の代謝や成長、修復のほか、免疫やホルモンなどの働きに欠かせない役割を担っています。また、エネルギー源としても利用されます。タンパク質の多い、肉や魚、卵、豆類などを、毎食欠かさず摂りましょう。
ビタミンB群は、エネルギーの生成に必要な栄養素。不足すると 体の疲れやすさや目の疲れ、不眠症などを引き起こす原因に。食品では、卵、肉、魚、豆類、穀類に多く含まれています。
疲労回復に効果的なミネラルとして、マグネシウムがあげられます。マグネシウムは、筋肉や神経の機能に必要な栄養素。不足すると疲労感が増す可能性があります。良質なマグネシウム源として、ナッツや豆類、野菜、玄米やもち麦などの全粒穀物があります。
ご紹介したような食品から栄養素を補い、疲れやすい体質をリセットしましょう。
不足分はサプリメントを活用
バランスの良い食事を意識していても、忙しい毎日の中では栄養が不足することがあります。そんなときは、不足分をプロテインやサプリで補うのも良い方法です。
プロテインの中でも、牛乳由来の「ホエイプロテイン」は効率よくタンパク質を補給できます。サプリメントはマルチビタミン、マグネシウムや鉄を含んだミネラル、ビタミンB群を含むものを選ぶと良いでしょう。
ただし、これらはあくまで補助的なものです。先にご説明した通り、十分な休息や睡眠、バランスの良い食事が優先。また、プロテインやサプリは健康状態や個人差によって適切な摂取量が異なるため、摂取する際には医師や栄養士のアドバイスを受けることをおすすめします。
まとめ:疲れやすい生活習慣を改善して毎日を元気に過ごそう
日々忙しく過ごしている現代人は、疲れやすい生活習慣に陥りがちです。その小さな疲れが積み重なると、体調を崩したり、病気の入り口に立ってしまう要因になります。
今回紹介したように、睡眠をしっかりとる、適度な運動をする、栄養バランスの良い食生活を心がけるといった、自分を労わる生活習慣を心がけることが大切。そして、食事で摂れない栄養は、プロテインやサプリで補いましょう。
新しい習慣を取り入れるには、自分が続けやすいと感じる範囲で行うこともポイントです。自分にやさしく、無理を感じない程度で行うことで、“からだにいい習慣”を続けやすくなりますよ。
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