“美尻”をつくるには?たった3種でお尻が上がるトレーニング
プリっと上がった美尻は女性の憧れです。どうすればそんなお尻になれるのか、悩んでいませんか? プロのパーソナルトレーナー・大久保孝一が、自宅で効率よく美尻になれるトレーニング方法を解説します。
目次
お尻が垂れる原因は?
年齢とともに垂れてくるお尻。パンツをはいたときのスタイルや、横から体のラインが見えたときに気になりますよね。一度垂れてしまったお尻は、何もしなければそのままですが、適切なトレーニングを行えば、キュッと上がった美尻を手に入れることができます。初めに、お尻が垂れる原因から見ていきましょう。
加齢や運動不足によるお尻の筋力低下
お尻が垂れる一番の原因は、加齢や運動不足による筋力低下です。お尻の筋肉は、立っている間、重力に負けないように働いて位置を保っています。
しかし、何もしないでいると筋肉が衰え、お尻の筋力が低下。すると、重力に逆らうことができなくなり、まわりの脂肪とともに垂れてしまうのです。
悪い姿勢が続くことによる骨盤のゆがみ
お尻が垂れる原因は、筋力低下だけではありません。実は、骨盤のゆがみも大きく影響しています。
猫背や反り腰など姿勢の悪い状態が続くと、その影響を受けて骨盤がゆがみやすくなります。骨盤はお尻の筋肉に包まれているため、中の骨盤がゆがむとまわりのお尻の筋肉も影響を受け、形が崩れてくるのです。
理想的な美尻とは?
美尻をつくるために、まずきれいなお尻の条件を知っておきましょう。日本人女性にとって理想的なお尻の「大きさ」と「形」について紹介します。
ただし、魅力的なお尻というのは、人によって見方が変わります。次からご紹介する内容は、あくまで1つの目安として参考にしてください。
理想的なお尻のサイズは「身長×0.54」
自分にあった理想的なお尻のサイズは、「身長×0.54」で計算できます。この計算式は、1995年に下着メーカー「ワコール」が、「ひとりひとりの女性が自分自身の個性的な美しさを引き出すための物差し」として発表したものです(※1)。
例えば、身長155cmの場合は、「155×0.54=83.7cm」となります。この式にあてはめて、理想的なサイズを計算してみましょう。
(※1)ゴールデンカノン~美しさのバランス~(pdfファイル)
理想的なお尻の形は「逆ハート形」
理想的なお尻の形は、キュッと締まった「逆ハート形」。なだらかなカーブと適度な丸みがポイントです。
ただし、日本人は欧米人と骨格が異なるため、欧米人モデルのような美尻を目指すのは、なかなか難しいのが現実。日本人には日本人に合ったお尻の形がありますので、日本人ならではの、小ぶりで形の整ったお尻を目指しましょう。
美尻をつくるカギとなる4つの筋肉
美尻をつくるには、お尻の筋肉を強化して、筋力をアップさせることが必要になります。また、お尻をより魅力的に見せるには、太ももの付け根や裏側といったお尻のまわりの筋肉を鍛えることも大切です。次から、美尻づくりのカギを握る「4つの筋肉」について解説します。
女性らしい丸みを作る「大臀筋(だいでんきん)」
大臀筋(だいでんきん)とは、お尻全体を覆っている大きな筋肉のこと。太ももを後ろに振るときに強く収縮し、大きな力を発揮します。
また、立ったり歩いたり、姿勢を維持したりするのに必要な筋肉です。大臀筋を鍛えると、お尻全体が引き締まるとともに、女性らしい丸みのあるヒップラインになります。
お尻の位置を上げる「中臀筋(ちゅうでんきん)」
中臀筋(ちゅうでんきん)とは、お尻上部の側面にある筋肉。太ももを横に振り上げるときに強く収縮し、大きな力を発揮します。また、骨盤を安定させるうえでも重要な筋肉です。
中臀筋を鍛えると、お尻の位置が上がります。お尻は「下部」その次に「上部」の順に垂れ下がります。しかしお尻のトレーニングを行うと、大臀筋が主にお尻の下部の垂れ下がりを防ぎ、中臀筋が主に上部の垂れ下がりを防ぎます。
お尻の位置を高く保つ「腸腰筋(ちょうようきん)」
腸腰筋(ちょうようきん)とは、上半身と下半身をつないでいる筋肉で、背骨から太ももの付け根にかけて左右対称に付いています。
腸腰筋には、骨盤を正しい位置に保つ働きがあります。骨盤はお尻の中にあるため、骨盤が整うとお尻の筋肉が連動して、お尻の位置を高く保てるようになるのです。
太ももとの境目を作る「ハムストリングス」
太ももの裏側にある筋肉を、ハムストリングスといいます。脚を曲げたり、股関節を伸ばしたりするときに働く筋肉です。
お尻がたるんでくると、太ももとの境目があいまいになります。ハムストリングスが鍛えられて引き締まると、お尻と太ももの境目にメリハリができ、お尻の位置がより高く見えるようになります。
自宅でできる3つの「美尻トレーニング」
上がったお尻を目指すには、筋力アップが必須とお伝えしました。美尻トレーニングは自宅で手軽にできます。しかも、このあとご紹介するたった3種でOK。
ダンベルなどの器具を使わず自分の体重を負荷にして行うので、体力に自信がなくても無理なく取り組めます。種目ごとにやり方を詳しく解説しますので、ぜひ実践してみてください。
1、大臀筋・中臀筋を鍛える「ワイドスタンススクワット」
ワイドスタンススクワットとは、足を広めに開いて行うスクワットです。大臀筋と中臀筋を鍛えて、お尻全体を引き締めて形を整えます。
【やり方】
- 足を肩幅よりも広く開き、つま先を外側に向けて立つ。手は後頭部で組むか、前方に伸ばしておく。胸を張り、背筋を伸ばす。
- 息を吸いながらゆっくりしゃがむ。しゃがむ深さは、ひざが90度になるくらいまで。
- 息を吐きながらゆっくり立ち上がる。立ち上がった位置で、意識的にお尻をキュッと締める。
- 2~3を10回繰り返す。
2、中臀筋・ハムストリングスを鍛える「ヒップリフト」
ヒップリフトとは、仰向けの状態でお尻を高く上げるトレーニングです。中臀筋とハムストリングスを鍛えて、上向きでメリハリのあるお尻をつくります。
【やり方】
- 仰向けになり、ひざを立てて足は腰幅程度に開く。腕は、手のひらを下向きにして体の横で伸ばす。
- 息を吐きながらゆっくりお尻を持ち上げ、その位置で2~3秒キープ。キープしている間は、意識的にお尻をキュッと締める。
- 息を吸いながらゆっくりお尻を下ろす。
- 2~3を10回繰り返す。
「中殿筋」とは、お尻の外側にある三角の筋肉。腰痛があると、この筋肉が硬くなっていることが多く、セルフケアでほぐすことが大切です。健康運動指導士が、美尻効果も期待できる中殿筋のストレッチやエクササイズを紹介します。
3、大臀筋・腸腰筋を鍛える「バックキック」
バックキックとは、四つん這いの状態で片足を後ろに伸ばすトレーニングです。大臀筋と腸腰筋を鍛えて垂れ尻を防ぎ、お尻の位置を高く保ちます。
【やり方】
- 四つん這いになる。
- 息を吐きながら、右足をすばやく後方に伸ばす。このとき、右足をお尻よりも高く上げるように心がける。その位置で2~3秒キープ。キープしている間は、意識的にお尻をキュッと締める。
- 息を吸いながらゆっくり右足を戻す。
- 2~3を10回繰り返す。
- 左足も同様に行う。
「美尻トレーニング」の効果を高めるポイント
美尻トレーニングは、動作スピードや頻度によって効果が変わります。動作のコツを知り、適切な頻度でトレーニングすることが大切です。次から、トレーニングを行う際の3つのポイントを解説します。
ゆっくり動かす
美尻トレーニングは、使っている筋肉を意識しながら、ゆっくり動かすことが大切。持続的にじわりと負荷がかかり、軽い負荷でも筋肉を刺激しやすくなります。例えば、ワイドスタンススクワットであれば、3~4秒かけて立ち上がり、3~4秒かけてしゃがむことを意識しましょう。
また、ゆっくり動かして刺激すると、脂肪をエネルギーとして消費しやすい「赤みを帯びた筋肉」が主に鍛えられます。この筋肉は筋線維が細いため、鍛えてもムキムキにはならず、しなやかで柔軟性のある筋肉になります。
少しきついと感じるまでくり返す
美尻トレーニングでは「10回を基本」にして、もっとできそうな場合は「少しきついと感じるまで繰り返す」ことがポイントです。お尻の筋肉が適度に刺激され、女性らしい丸みとしなやかさが増してきます。
ただし、限界まで追い込むのではなく、「あと1、2回できるかな」という時点で止めるのがコツです。
筋肉は使わないと衰えますが、使いすぎても疲労が回復せず、筋力が低下します。筋力をアップさせるには、無理のない範囲でくり返すことが大切です。
週2~3回のペースで続ける
美尻トレーニングは、1~2日おきに週2~3回のペースで続けると効果的です。毎日やるよりも、間に休みを入れた方が、筋肉の回復がスムーズに行われ、筋力アップしやすくなります。また、適度なペースを保つことで、運動習慣が少ない方でもトレーニングを継続しやすくなります。
美尻バンドを使うと更に効果アップ!
ご紹介した3種のトレーニングだけでも十分ですが、美尻トレーニング用の運動器具、「美尻バンド」を使うともっと効果的です。自宅で簡単に使えて、しかも高性能なマシンと同じ効果が期待できるのでおすすめです。
「美尻バンド」とは?
美尻バンドとは、ゴムや布の伸縮性を利用して負荷をかけるトレーニング器具です。輪形になっていて、幅が広いほど強度が高く、脚に通したりひっかけたりしながらトレーニングを行います。
ほとんどのメーカーの美尻バンドは、強度が「3~5段階」に分かれていますので、自分の筋力に合わせて選ぶことができます。
美尻バンドのメリットは?
美尻バンドの一番のメリットは、筋肉に無理なく負荷をかけられるところ。美尻バンドを使ってすぐは負荷が弱く、バンドが伸びるに従って少しずつ負荷が強まります。そのため、自分の筋力に合わせて、適度な負荷をかけることができるのです。
また、ゴム製や布製が多いため使っても音が出ず、自宅でのトレーニングに最適。さらに、コンパクトに収納できるため、持ち運びにも便利です。
美尻バンドの使い方は?
美尻バンドの使い方はとても簡単です。例えば、両脚をバンドに通した状態でスクワットなどを行います。また、土踏まずにバンドをひっかけてバックキックなどを行います。
運動初心者の方は、ご紹介した美尻トレーニングで十分効果的ですが、筋力がアップして自重では物足りなくなってきたら、美尻バンドを使ってみてください。インターネットでも購入できます。
日常生活の中でできる「らくちん美尻トレーニング」
最後に、日常生活でも簡単にできる美尻トレーニングをご紹介します。わざわざ時間を取ってトレーニングができなくても、歩き方や立ち方を変えるだけでお尻の筋肉を鍛えることができます。今日から習慣にしてみましょう。
美尻をつくる歩き方
歩くときは、背筋を伸ばして足を前後にしっかり動かしながら進みます。お尻の筋肉は、太ももに連動しているため、太ももが前後に動くことでお尻の筋肉も効果的に使われます。
コツは、前方を見ながら太ももの付け根から動かすこと。これだけでも筋力アップにつながります。
美尻をつくる立ち上がり方
イスやソファーから立ち上がる前に、背筋を伸ばして浅く腰かけた姿勢になります。そして、両手を腰に当てて腰から上半身を曲げ、お尻を突き出すように立ち上がってみてください。
たったこれだけで、お尻の筋肉が効果的に使われます。立ち上がるたびにこれを続ければ、お尻がキュッと引き締まってきます。
美尻クッションもおすすめ
座るだけで骨盤のゆがみを改善できる、美尻クッションを使うこともおすすめです。姿勢の悪い状態で座る時間が長くなると、骨盤がゆがんで垂れ尻の原因になります。美尻クッションを使うと、骨盤を立てた状態で座ることができます。骨盤のゆがみが改善しお尻の形が整ってくるでしょう。
まとめ:自宅での「美尻トレーニング」を習慣にしてきれいなお尻に!
美尻をつくるのに、わざわざジムに通ったり、高価なマシンを購入したりする必要はありません。自宅でトレーニング行うことで、キュッと引き締まった上向きの美尻を目指せます。
お尻が垂れてきた、形が崩れてきたという方は、ご紹介した3種のトレーニングや美尻習慣を取り入れてみてください。美尻づくりを効率よく進めて、丸みのある女性らしいヒップを目指しましょう。
手を握って刺激するだけで、下腹がヘコんでプリ尻に! “韓流の健康法”をもとに考案した「手のひらにぎにぎ」を習慣にすれば、骨盤が正しい位置に戻りポッコリ下腹が改善。お尻もキュッと上がります。
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