老眼や近視も視界良好に!透かしを見るだけ「1000円ウォッチング」
近視や老眼で目が見えにくい人は、1000円札の透かしを見つめる「1000円ウォッチング」を試してみて。視力そのものを回復させるのではなく、脳の処理能力を高めることで視界が良好になります。
目次
1000円札を見つめて脳を鍛え、目を「見えやすく」する
私たちが「見えにくい」「ぼやける」と感じる原因は、目の不調だけではなく脳にもあります。
「実は目でものを見たとき、画像はまだぼんやりとした状態。情報が伝えられた脳が画像処理をして、はじめて正常に見えるようになるんです。この脳の処理能力が上がると、私たちは『見えやすい』と感じます」というのは眼科医の平松類さん。
脳の機能は簡単なトレーニングによって高められるそう。それが、「1000円ウォッチング」。輪郭のぼやけた「ガボール・パッチ」という特殊な図形を眺めるトレーニングを応用した老眼・近視改善法です。
「老眼や近視を治す方法ではありませんが、脳が画像処理という作業をさぼりがちだった人には効果的。約7割の人に効果があり、視力も平均0.2程度上がります。脳の老化防止にも効果的で、疲れにくくなったりミスが減ったりと、生産性も高まります。毎日を生き生き過ごすためにも、ぜひ始めてみてください」
老眼や近視の見え方の違い
小さい文字が読みにくくいのは「老眼」、遠くが見えづらいのが「近視」。老眼と近視は、原因や見え方が違います。
小さい文字が読みにくい「老眼」
原因は見たもののピントを合わせる「毛様体筋」の機能の衰え。指や本を目の前から離していき、ピントが合う場所が目から30cm以上離れていると老眼といえます。
加齢による目の調整力の低下
実は10代後半から始まっている老眼。進行し、生活に支障が出てくることで、40代になると自覚する人が増えます。
遠くが見えない「近視」
多くの近視は、何らかの理由で目の奥行きが伸び、遠くのものがぼやけ、近くでピントが合う状態。手元を見る作業が増えるほど、近視になりやすくなるといわれています。
1000円札を見つめて老眼・近視改善!
1000円札の中央にある透かしを見てから、透かしがギリギリ見えるところまでお札を動かします。これを繰り返すことで、透かしという画像情報を処理する脳の視覚野の能力を鍛えます。
脳でものを見る仕組み
「網膜」で瞳から入った光を、角膜、水晶体で屈折させ、目の奥の網膜に届けます。次に視細胞が網膜に届いた情報を「視神経」で集め、視神経を通じて脳に信号を伝達。脳の「視覚野」という場所で受け取った信号の情報を処理し、ものの形や色を認識しています。
脳を鍛えると視力がよくなる
1000円ウォッチングは老眼や近視を「治す」ものではなく、見たものの情報を処理する脳の能力を高めるトレーニング。ぼやっと見えていたものがクリアになり、視力も向上します。
「1000円ウォッチング」のやり方
1000円札を見つめる「1000円ウォッチング」のくわしいやり方を紹介します。メガネやコンタクトレンズを着用したままでもOK。必ず、明るい場所で行いましょう。
(1)両手で1000円札を持ち、両手をゆっくり上げて透かしを見る
1000円札を横に広げ、両端の下側を左右の手でそれぞれ持つ。お札を持った手をゆっくり上げ、お札を目から20〜30cm離す。お札をかざし、中心にある透かしを見る。
(2)透かしを見つめたまま両手をゆっくり下ろす
目とお札の距離を保ったまま、両手をゆっくり下ろしていく。目で透かしを追っていき、透かしが見えるギリギリまで手を下ろす。ここで手を止め、10秒透かしを見続ける。このまま、両手を上げ(1)の場所まで戻す。(1)と(2)を10回繰り返す。
イラスト/清水利江子(https://riekoshimizu.com/)
(からだにいいこと2022年12月号より)
神戸にある漢方相談薬局「CoCo美漢方」田中友也さんが、“季節の養生法”をお届けする連載。今月は「目の疲れ」がテーマ。東洋医学的セルフケアで、眼精疲労をすっきりさせる方法を紹介します。