
マッサージと顔筋トレを同時に!「クロス流し」でほうれい線対策を
顔のむくみとたるみが原因で生まれるほうれい線。むくみを流すマッサージと、表情筋を引き締める顔の筋トレを同時に行う「クロス流し」で、ほうれい線を改善しましょう。顔全体がリフトアップし、若々しい印象に。
目次
顔ヤセとリフトアップが同時にかなう「クロス流し」
「ほうれい線ができるのは、顔のむくみとたるみが原因です。1日1回、簡単なマッサージと顔の筋トレを行えば、ほうれい線が薄くなって“10年前の顔”が戻りますよ」と話すのは、鍼灸・指圧師の寺林陽介さん。
むくみは冷えなどの血行不良により、老廃物や余分な水分が排出されずに体の中にたまって起きるもの。顔がむくむと頬の肉が重くなって下がり、ほうれい線を作ることに。
さらに加齢やマスク生活で衰えた表情筋が重力に負けて下がると、その上にある皮膚も一緒に下がり、ほうれい線がより深くなります。
「体と同じように顔も筋トレで鍛えられます。口を動かして表情筋を引き締めるトレーニングと、むくみを押し流すマッサージを同時に行うと、相乗効果で顔全体がリフトアップ。ほうれい線が改善して、印象が若返ります」
むくみが強い人は、腰をもんで腎臓の血行を促し疲れをとることで血液がきれいに。栄養が行き届いてハリのある美肌になります!
「クロス流し」のやり方
ほうれい線を改善する「クロス流し」のやり方を解説します。顔の筋肉を鍛えるように意識しながら「ふー」「ひー」と口を動かすことがポイントです。
(1)親指を口角に当てる
肌の摩擦を防ぐために、顔にクリームやオイルを塗る。手をクロスして親指を立て、口角に第1関節をしっかり当てる。口をとがらせて「ふー」と言う。

(2)指を耳の下まですべらせる
老廃物を逃さないようにしっかり肉を捉らえながら、ゆっくり親指を耳の下まですべらせる。耳の下に指がつくまで「ひー」「ふー」とハッキリ言う。

(3)耳の下で指を下向きに
指が耳の下のくぼみまできたら、くぼみを強めに押しながらひじを上げて親指を下向きにし、鎖骨に向かってすべらせる。その間「ふー」「ひー」を続ける。

(4)鎖骨まで指をすべらせる
耳の下から首に沿い、鎖骨のリンパに向かって指をゆっくりすべらせる。指が鎖骨についたら、最後に「ひー」と言って終了。全部で30秒くらい、1〜3セット行う。

むくみとたるみにWでアプローチ!
ほうれい線はむくみとたるみでできるもの。「クロス流し」はその両方を同時に撃退! 相乗効果で驚くほど顔がスッキリ若返ります。
なまけている顔の筋肉を引き締めて「たるみ上げ」
たるみの原因は、顔の筋肉の衰え。顔の筋肉は皮膚に付いているので、筋肉が衰えると重力に負けて肌も一緒に下がります。「ふー」「ひー」と口を動かし、なまけていた筋肉を鍛えてリフトアップ。血行が良くなりシワも改善。

「ふー」「ひー」と言うときに口を大きく動かして。指の動きに逆らう力が増して、筋トレ効果がアップします。
老廃物と余分な水分を流して「むくみ改善」
むくみの原因は、たまった老廃物や余分な水分。顔がむくむと頬が重くなって垂れ下がり、深いほうれい線を作ります。指で老廃物や余分な水分をリンパ節までしっかり押し流すと新陳代謝もアップ。シミも薄くなります。

耳の下のツボ「翳風」(えいふう)を押して痛い人は老廃物がたまってむくみが強い傾向が。こまめにもむのも◎。
1分でできるむくみ対策
むくみは疲労や食べすぎ、運動不足による血行不良から起きるもの。生活改善と日々のケアで血行を良くして体のゴミを排出しましょう。
むくみ傾向チェック
脂肪と勘違いして、むくみに気付かない人も多いもの。自分のむくみ傾向をチェックしてみて。

3つ以上当てはまる人は要注意 ! ハードな毎日で腎臓がお疲れ状態で、体内の老廃物が多め。体を温めるなど、体の中からケアをしてください。


“お疲れ腎臓”をいたわる小ワザ
先ほどのチェックリストに3つ以上当てはまった人は、腎臓が疲れ気味かもしれません。
「働きすぎ」「食べすぎ」「ストレスをためすぎ」などで疲れが重なると、自律神経が乱れて腎臓の働きが悪化。血液中の老廃物をろ過できなくなり、血液がドロドロになって、むくみや疲労感の原因に。

次に紹介する「腎臓もみ」で、血流を促し、腎臓と体を労わってあげましょう。
これで解決! 1分の「腎臓もみ」で血液の流れを促す
腎臓の疲れを取るには1日1分のマッサージがおすすめ。腰にこぶしを当て、ゴリゴリ左右に動かして背骨の際までよくもんで。腎のツボ「腎兪」と「志室」が刺激されて血行が促進。むくみが改善します。

「腎兪」はおへその裏側、背骨から指2本分外側。「志室」は腎兪から指2本分外側に。
腎臓が元気になるとイイコトたくさん
血液サラサラでアンチエイジング
腎臓の疲れがとれると血液がサラサラになり、活性酸素による細胞の酸化も軽減。老化が抑えられます。
血流アップで免疫力強化
腎臓の血流アップで体温が上昇。体温が1度上がれば免疫力も約3割増に。活発な免疫細胞が全身を巡り病気を防ぎます。
ホルモンが分泌され更年期の症状を緩和
副腎皮質から分泌され、女性ホルモンの代わりに働くホルモンの分泌量が増加。更年期症状を和らげます。
日々の生活でたるみ対策
顔のたるみを防ぐには、うつむく時間を少なくするのが一番 ! 筋肉を作るたんぱく質を摂って、重力に逆らう生活を目指しましょう。
スマホやパソコンは目の高さで
スマホやパソコンでうつむきがちな人は、スタンドを使うなどして画面を目の高さに上げて。うつむいた顔を下からスマホで撮影すると、顔の垂れ具合に驚きますよ!

たんぱく質をきちんと摂る
筋肉の材料となるたんぱく質は、一度に食べても体内にためておけないので毎食摂って。1日の必要量は体重1kgに対し1g。毎食手のひらサイズ分の摂取が目安。

両方の歯でバランスよく噛む
食事のときは両方の歯でバランスよく噛んで。片方ばかりで噛むと、噛まないほうの筋肉がたるんで深いほうれい線に。両側の歯で噛めば自然と顔がリフトアップ。

たるみ改善! ほうれい線のばし
手と舌でほうれい線を挟み撃ち! 口のまわりの筋肉が鍛えられ、二重あごも改善します。
※肌の摩擦を防ぐため、顔にクリームやオイルを塗ってから行ってください。
(1)ほうれい線を内側から舌でこする

右のほうれい線に指先を軽く当てる。舌でほうれい線を押しながら、上、真ん中、下の部分を上下に10回ずつ舌でこする。左も同様に行う。
(2)小鼻の横をほぐす

両手の人さし指の第2関節を小鼻の横に当て、小刻みに左右に10回揺らしてコリをほぐす。イタ気持ちいいくらいの強さで行う。
(3)ほうれい線をほぐす

ほうれい線に沿って指1本分ずつ下ろしながら、人さし指の第2関節で小刻みに左右に10回ずつ揺らし、あごにつくまで行う。1〜3セット行う。
撮影/古谷利幸 モデル/土屋ひかる イラスト/熊本奈津子
(からだにいいこと2023年2月号より)
[ 監修者 ]