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「オーダーメイドの医療」をすべての人に提供したい|ホームドクター(6)

普段なかなか知ることのできない医師の素顔に迫る連載の第6回。今回は、プロサッカーチームのスポーツドクターも務める小林洋平先生です。

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「からだにいいことホームドクター」とは?
「この健康法は自分に合っているのかな」「どうしてこんな不調が起きるんだろう」など、自分ではわからないけれど病院に行くほどではない“セルフケア以上、診療未満”のお悩みを、各科の名医と一緒に解決していく、健康応援プロジェクトです。

スポーツマンと医師に囲まれて育った子ども時代

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小林洋平先生

小林洋平先生は、なぜ医師を目指したのですか?

小林先生 もともとスポーツが好きで、医師というよりスポーツドクターになりたかったのです。いとこがアメフトで日本代表になったのですが、ひざにけがをして靱帯(じんたい)再建の手術を受けました。当時小学生だった私は、スポーツでけがをし、手術を受け、復帰するその姿をぼんやり見て、自分もこういう形でスポーツに関わりたいと思うようになりました。親戚に医師が多いことにも影響を受けているかもしれません。

サッカーチーム・ジェフ千葉のドクターになったきっかけは

小林先生 私が入局した順天堂大学整形外科教室の先輩が、ジェフのドクターでした。その関係で最初はジェフの下部組織などを担当し経験を積み、今はチーフドクターになりました。スポーツドクターは大きく分けて、自らチームに帯同しあらゆる問題に対応する「現場型」と、病院で自分の専門領域の対応をする「病院型」がいます。私は前者です。病院で一般診療をするかたわらクラブハウスへ診療に行き、土日には試合に帯同します。医学的な所見だけでなく、選手やチームのニーズも加味して相談しつつ治療方針を決めるプロセスは現場型ならではです。

目指すは医療のオーダーメイド。個人に合う選択肢を与えたい

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ジェフ千葉の試合に帯同しているときの様子。小林先生自身もサッカーが好き。

先生は「医療の個別化」を目標とされているそうですね。

小林先生 おゆみの整形外科は来年度、千葉県・鎌取駅前に拡張移転する予定ですが、そのコンセプトが「医療のオーダーメイド」です。同じ疾患でも患者によって状態が異なり、様々な要望があります。「介護で家を長く空けられない」とか「死んでも手術はしたくない」とか(笑)。治療方法が様々あるときに、個人に合った選択肢を提示したいと考えています。これは前述のスポーツ現場で培った考え方が基になっています。

具体的には、どのようなことをされるのでしょうか

小林先生 最新の機器を使って、個人の病態を客観的な数値として「見える化」し、それによって個々に合った医療を提供したいと考えています。たとえば、海外でスポーツ選手に使っている「グリーンルーム」と同様の動作解析設備を導入する予定です。人工芝を敷いた小部屋になっており、患者さんがその中に入って動くことで、関節の可動域や足への体重のかかり方などが測定でき、目の前の大きなスクリーンにリアルタイムで映し出されます。治療やリハビリによってどれだけ良くなったか、などが感覚ではなく数値でわかるようになります。

そういった取り組みは、先生がスポーツドクターであることが影響しているのでしょうか

小林先生 そうですね。プロスポーツの現場で使われる良いシステムを、トップアスリートだけでなくみんなが享受できればいい。そう考えるようになったのは、普段からトップアスリートと一般患者の両方を見ているからかもしれません。

ドクターズアドバイス

「適度な運動」が意外と難しい? 体が痛いならばまずは整形外科へ

小林先生 ウォーキングやランニングは健康にいいといわれていますが、ひざが悪い人にとっては逆効果になることも。「適度な運動」というのは案外難しいものです。もし体に痛みなどがあるなら、整形外科、特に運動療法(リハビリ)ができるところへ行くことをおすすめします。運動療法の相談ができる理学療法士がいるとなおいいですね。

協力/メディコレ
(からだにいいこと2022年2月号より)

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