家族関係に困ったら|ズバッと解決!実家の大問題(後編)
「実家の大問題」に悩むみなさんに贈る特集の後編。今回は、家族関係にまつわるトラブル全般の解決法について、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんと臨床心理士の玉井 仁さんに聞きました。
目次
「家族との関係」Q&A
近い存在だからこそ、問題も起こりがちな家族関係。“毒親”との付き合い方なども心得て。
これだけは覚えて!「親と子は別の人間。自分を最優先にする」
子どもにとって、親は特別な存在になりがち。でも、親と自分はまったく別の人間。価値観も違って当然です。ほかの人間関係と同じく、悩んだときは親や実家よりも「私」を大切に考えて。
Q.親からの口出しがうるさい
A.心の中で笑い飛ばす決めゼリフを作ってみて
マウンティングしてくる相手は、「言わせておけばいい!」くらいの気持ちでスルーするのが◎。「また猿が何か言ってる(笑)」など、心のなかで笑い飛ばすための決めゼリフを作るのもアリです。
Q.母の愚痴に付き合うのがキツい
A.最初に時間を設定し時間内でだけ聞いて
無理して長電話に付き合うのではなく、最初に「予定があるから10分聞くね」などと明言を。その時間内は、カウンセラーになったつもりで親身に聞きましょう。電話が終わったら、「がんばったね」と自分を褒めて。
Q.認知症の父と話すのがつらいです
A.記憶は眠っていると思えば気持ちがラクに
「記憶が消えた」と考えると寂しいですよね。少しだけ捉え方を変えてみて。思い出そのものがすべて消えたのではなく、鍵のかかった箱の中に眠っていると考えると、少し心穏やかになれるはず。
Q.帰省しないことを親不孝と言われる
A.親族に説明するか自分で決めるのが大切
親不孝と思われたくないなら、親族に事情を説明してみては。もちろん、エネルギーをかけたくないなら“説明しない”のも選択肢の1つ。「事情を説明するかどうか」を自分で決めれば、モヤモヤは弱まりますよ。
Q.親と疎遠だけど本当にこれでいい?
A.その都度、自分で決めれば後悔しなくてすむはず
まず、一度よく考えて決めたのは立派なこと。でも、その決定にとらわれすぎないで。「これでいいのか」と気になるなら、考え直すタイミングなのかも。その都度、自分で考えて選択することで後悔は最小限に。
本音を引き出すコツ:「私」を主語にして心配ごとを切り出す
親の生活や体調に関する、さまざまな心配ごと。うまく本音を引き出すコツをお伝えします。
「ちゃんとご飯を食べているか心配」
→宅配食の利用で見守りも兼ねられる
高齢者向けの宅配食を、週に1度などの低頻度から試してみて。手渡しで届けることで “見守り”を兼ねている、一石二鳥のサービスも。
「免許証を返納してほしい」
→「危ない」ではなく心配していると伝える
「こういう事故があったから心配だな」など、客観的に切り出して。親を大切に思う気持ちが伝われば、受け入れてもらいやすく。
「認知症の検査を受けてほしい」
→主治医経由が◎。ときにはウソも方便
子の言葉を聞かない親も、主治医の言葉なら聞く傾向が。主治医に勧めてもらうほか、「今なら検査が無料」とウソをつき連れ出した成功例も。ただし「食事に行こう」などのだまし討ちは厳禁。
「知らないうちに倒れていないか不安」
→“見守りサービス”を活用してみて
近年、離れて暮らす親の様子をアプリなどで知らせてくれるサービスが増えています。親の生活に取り入れやすいものを選んで。
心配ごとが減るかも?便利家電
ポットの利用が安心のサインに
1日3回、電気ポットの使用状況がメールで届きます。使用履歴から生活リズムの変化を知れるメリットも。
みまもりほっとライン/象印マホービン
冷蔵庫の開閉で安否を通知
冷蔵庫に設置した端末が、ドアの開閉を検知。一定時間動きがない場合、スマホアプリに通知します。Wi-Fi不要。
まもりこ/ネコリコ
1回分の薬を用意してくれる
設定した時刻に薬を出すロボット。アプリで利用状況を知れるほか、熱中症予防の声掛けなどのお役立ち機能も満載。
見守り服薬支援ロボット FUKU助/メディカルスイッチ
実家じまいをしたい時は?
→勝手に捨てるのはNG!準備はほどほどに
実家は“今住んでいる”親のもの。無断で物を捨てたり、焦って片付けを提案しすぎたりすると、親は寂しさを感じます。事前の準備はほどほどに。
イラスト/前田はんきち
(からだにいいこと2023年8月号より)
[ 監修者 ]