加齢臭・汗臭・腸臭を徹底対策!オトナ女子のにおい相談室(前編)
ふとした時に気になるにおい…実は、原因は生活習慣や健康状態によって異なります。前編では加齢臭・汗臭にスポットを当て、においの発生メカニズムと、お悩みに合わせた対策方法をご紹介します。
目次
オトナ女子のにおい4大原因
においとひとことで言っても、その発生のメカニズムはそれぞれ。主に、次の4つに分けられます。
(1)皮膚表面の物質が変化して加齢臭に
皮脂が酸化したり、肌表面の常在菌が皮脂を分解したりするときに発生。加齢臭の原因「ノネナール」の発生も皮膚表面の反応による。
(2)血液や体内から生じる疲労臭
血液中の物質が皮膚表面に揮発して発生するにおい。飲酒後、喫煙後などのほか、疲労時にも血液を介して皮膚からにおい成分が発生。
(3)汗が化学反応したすっぱいにおい
汗腺や脂腺など、皮膚内部の皮膚腺から発生するガス。酢酸は血液中から汗へと移り、発汗とともに”すっぱい”においになります。
(4)女性ホルモンが減り更年期のにおいに
女性ホルモン・エストロゲンの減少により、腟内がアルカリ性に傾き、雑菌が繁殖しやすい状態に。すると、腟やその周辺からにおいが。
においは体調を映す鏡、習慣の見直しで激変!
運動後やトイレの後、寝起きなど、ふとしたときに気になる“大人のにおい”。いっそ無臭になれたら……と思うこともありますよね。
「においは、生活や健康状態によって1人ひとり異なる個性。自分の体を知るバロメーターでもあります」と、東海大学教授の関根嘉香さん。
たとえば、ストレスによる自律神経の乱れは、においに表れやすい変化の1つ。興奮して交感神経が優位になると、鼻にツンとくる“疲労臭”の原因になるといいます。
また、加齢とともに気になる腟のにおい。おりもののせいと思う人も多いかも知れませんが、産婦人科医の八田真理子さんは「おりものは腟を守る存在。目の敵にしてシートに吸わせるよりも、下着をこまめに替えるなど、工夫してうまく付き合うのがおすすめ」と話します。
さらに、においには負の面だけでなく、健康増進につながる可能性も。
「ストレス状態や病気など、においからわかる情報についての研究が進んでいます。健康になれる手がかりの1つとして、においに関心を持ち続けてくださいね」(関根さん)
夏こそ対策を強化せよ!「加齢臭」「汗臭」
汗と反応する“皮膚ガス”がにおいを引き起こす
皮膚ガスとは体の表面から発生する微量のガスで、1人ひとり量や成分が異なる個性的なもの。加齢臭や汗のにおいの原因となるのは、表面反応と皮膚腺に由来する皮膚ガスです。
CASE1 いくら洗っても加齢臭が取れません…
→ゴシゴシ洗いはNG。適度に洗い清潔に
強い力で洗うと皮脂が落ちすぎてしまい、肌を潤そうと皮脂の分泌が活発に。せっけんを泡立て、こすらず優しく洗いましょう。
CASE2 加齢臭に効く食品はどんなものがあるの?
→カシスや梅は抗酸化作用で効果大
加齢臭の発生の抑制には、抗酸化物質が効果的。カシスや梅に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、1週間程度の摂取で発生を抑えられた実験結果もあります。
CASE3 ホットフラッシュの汗がとにかくにおって気になる
→首まわりの開いた服が◎。汗は濡れタオルで拭く
蒸れて雑菌が繁殖しないよう、首まわりの開いた服を着るのがおすすめ。乾いたタオルで汗を拭くと体温が下がらずまた汗が出るので、濡れタオルで拭き取り、水分が蒸発するときの気化熱で表皮の温度を下げて。
CASE4 汗のにおい、キツいときとそうでもないときの差は?
→体臭と疲労は関係大!におうなら体を休めて
運動したときに発生するにおい成分「アンモニア」は、心身が疲れていたり、ストレスがかかっていたりするときにも発生します。においが強くなるのは、疲れているサイン。体をゆっくり休めましょう。
取材・文/馬渕綾子 イラスト/カツヤマケイコ
(からだにいいこと2023年10月号より)
女性の“大人のにおい”のさまざまなお悩みに、対策方法を提案する本特集。後編ではデリケートゾーン臭、口臭、腸臭・オナラ臭の原因と対策のほか、においの最新事情もご紹介します。
[ 監修者 ]