【簡単】肩甲骨ストレッチのやり方|寝ながら・座ったままでもOK
肩コリやむくみでお困りの方は、肩甲骨ストレッチがおすすめです。この記事では、寝転がったままや座ったままでもできる、日常生活に取り入れやすい簡単なストレッチを紹介します。
目次
肩甲骨ストレッチを行う効果・メリット
ここでは、肩甲骨ストレッチを行う効果やメリットを紹介します。肩甲骨ストレッチにはどのような効果があるのかチェックしていきましょう。
(1)肩コリや首コリが解消される
肩甲骨ストレッチは、肩甲骨を正常な位置に戻し、肩の可動域を広げることで筋肉がほぐれ、肩コリや首コリの痛みがやわらぐ効果が期待できます。
首や肩のこりは日常生活での姿勢の乱れやストレスから生じることがありますが、肩甲骨ストレッチを毎日適度に行うと、こりにくい身体をつくれるでしょう。
特に冬は寒さや洋服の重さで肩コリが悪化する傾向があります。また、デスクワークで座る時間が長い方は、肩コリの不快感が増しやすいので注意が必要です。
肩甲骨ストレッチをリラックスした状態で行うことで、心身の疲れも解消され、日常生活がより快適になります。
肩コリは慢性化すると頭痛やめまいなど、他の症状を引き起こす可能性があるため、日ごろから肩甲骨をケアすることがおすすめです。
(2)むくみや冷えが解消される
肩甲骨の状態の悪さは、むくみや冷えの原因のひとつです。肩甲骨が正しい位置にないと、血行が悪くなり、手足の冷えを引き起こします。また、リンパの流れも悪くなり、むくみを引き起こす可能性もあるでしょう。
肩甲骨が正しい位置に戻ると、胸が開き、呼吸量が増え、身体に酸素がより効率的に供給されます。肩甲骨のストレッチを行うと、筋肉がほぐれ血行が良くなるため、冷えやむくみも軽減されるでしょう。日常的なストレッチは体の不調を改善し、健康的な生活を送るためのサポートになり得ます。
むくみがあると顔がたるみ、フェイスラインがもたついているように見えるため、美容に気をつけたい方にも肩甲骨ストレッチはおすすめです。
(3)姿勢が改善される
肩甲骨ストレッチは、猫背や巻き肩などの姿勢の改善にも効果的です。肩甲骨の適切な動きによって背筋が伸び、姿勢が自然に整います。
肩甲骨がうまく使えていないと、猫背の原因となるでしょう。そのため肩甲骨ストレッチを行い、正しい位置に戻すことで、姿勢の改善が期待できます。特に、デスクワークで前かがみの姿勢を長時間続けている方は、姿勢が崩れがちです。また、体幹や他の筋肉が使いにくくなり、疲れやすくなることも考えられます。
丸まった背中や肩が改善されることで、胸が開き、鎖骨も美しく見えるようになるでしょう。また、首から顔にかけてのラインも整い、横顔も美しくなります。日常的なストレッチで、美しい姿勢を手に入れましょう。
(4)けがをしにくくなる
肩甲骨には、胸や背中、腕などの約17種類の筋肉がつながっているため、肩甲骨をストレッチすることでそれらの筋肉もほぐすことが可能です。筋肉がほぐれると血流が改善し、全身の免疫機能が向上します。これにより、感染症などへの抵抗力が高まり、病気にかかりにくくなるでしょう。
また、筋肉量や柔軟性の向上も期待できるため、日常生活やスポーツでの転倒時にも身体への負荷が軽減され、けがのリスクが低減します。肩甲骨ストレッチを継続することで、健康的な身体を維持しましょう。
(5)ダイエット効果が促進される
肩甲骨の柔軟性を高めることで、ダイエット効果が促進されます。褐色脂肪細胞の活性化により脂肪燃焼効率が上がり、代謝が向上するでしょう。褐色脂肪細胞は脂肪をエネルギーに変えて消費しやすくする細胞で肩甲骨付近にあり、年齢とともに少なくなってくるといわれています。
また血行が良くなることで、余分な脂肪や水分、老廃物の排出が促進され、むくみや冷えの改善にもつながります。さらに、姿勢が改善されることで筋肉を正しく使えるようになり、代謝がアップするでしょう。
肩甲骨が柔らかいと、鎖骨がV字型に浮かび上がり、首元がすっきりして痩せて見える効果も期待できます。
血行が良くなることで、良質な睡眠をサポートする成長ホルモンの分泌が促進されるのも、ダイエット効果を高める要因です。肩甲骨ストレッチは、健康的なダイエットをサポートする重要な要素といえます。
肩甲骨ストレッチの前にまずは身体の状態をセルフチェック!
自分の肩甲骨の動きを確認することは、効果的なストレッチを行う上で重要です。まずは簡単なセルフチェックを試してみましょう。
- 壁に背中をつけ、腕を伸ばして肩の位置まで上げます。手のひらは下向きにしてください。
- 壁に沿って腕を上げ、肩の水平ラインから腕が上がった角度をチェックします。
60~90°の範囲で腕が上がる場合、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性が良好です。しかし、0~60°の範囲にとどまる場合、筋肉の動きが制限されている可能性があります。
セルフチェックの結果に応じて、適切なストレッチや治療を検討しましょう。柔軟性が十分でない場合や痛みを感じる場合は、専門家に助言を求めることが重要です。自分の身体の状態を把握し、健康を維持するために、セルフチェックを定期的に行いましょう。
【簡単】肩甲骨ストレッチのやり方4選
肩甲骨ストレッチのやり方を4つ紹介します。どれも簡単にできるものなので、仕事や家事の合間、お風呂上がりなど、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。
仕事中でも座ったままできる肩甲骨ストレッチ
以下は、忙しい仕事の合間でも簡単に行える肩甲骨ストレッチです。
- ひじを90°に曲げ、腕を肩の高さまで上げて、顔の前で合わせる
- 腕を上げたままで、肩甲骨を中央に寄せるように後ろにゆっくり引く
- 腕をゆっくり伸ばしながら上げ、頭の上で手の甲同士をくっつける
- ゆっくり腕を下ろし、2の状態で止める
- 1の状態まで戻す
このストレッチは、椅子に座った状態でも実践できます。仕事の合間や長時間のデスクワークの後に行うことで、肩や背中のこりが解消し、ストレスを軽減できます。時間を決めて定期的に行うことで、姿勢の改善や身体の健康をサポートしましょう。
肩こり解消のためのシンプルなストレッチを紹介します。これは忙しい仕事の合間でもできるので、ぜひ試してみてください。
- ひじを90°に曲げて、腕を肩の高さまで上げます。そして、顔の前で手を合わせます
- 腕を上げたまま、左右の肩甲骨を真ん中で合わせるようにゆっくり後ろに引きます。背中の中央に力を集中させてください
- 腕をゆっくり伸ばしながら上げ、頭の上で手の甲同士をくっつけます
- ゆっくりと腕を下ろし、2の状態で止めます。背中の伸びを感じながら、リラックスしてください
- 最後に、1の状態まで戻します
このストレッチは椅子に座ったままでも行えるので、デスクワークの合間や長時間の座りがちな時間にぴったりです。定期的に行うことで、肩こりや背中の凝りを解消し、ストレスを軽減する効果が期待できます。日常に取り入れて、美しい姿勢を保ちましょう。
寝ながらできる肩甲骨ストレッチ
肩コリ解消に効果的な肩甲骨ストレッチは、寝たままでも行えます。特別な道具は必要ない難易度が低いストレッチのため、寝る前や起床時に気軽に試してみてください。
寝ながらできる肩甲骨ストレッチのやり方は、以下のとおりです。
- 右半身を上にして横向きに寝転ぶ
- 右腕をまっすぐ伸ばし、ゆっくりと後ろに回す(5〜10回繰り返す)
- 体の向きを反対にして、左側も同様の流れで行う
腕を後ろに回す際は、ゆっくりと大きく回すことを意識しましょう。胸筋や脇の下の筋肉を伸ばす効果があります。
また、体を丸めて肩甲骨をほぐす方法もあります。仰向けに寝転んで、背中と頭を床にしっかりつけ、両膝を胸の前で抱えてください。両ひざの間は拳ひとつ分開けておくのがポイントです。体を左右に転がして背中や腰の筋肉をほぐしていきましょう。
首と肩の力を抜いて、首が天井を向いたままにすることで効果が高まります。しかし、首がつらい場合は、身体の向きと合わせると良いでしょう。自分が気持ち良いと感じる回数だけ行ってください。
寝たままでもできる肩甲骨ストレッチを紹介します。特別な道具は必要なく、難易度も低いので、気軽に試してみてください。
- 右半身を上にして横向きに寝転がります
- 右腕をまっすぐ伸ばし、ゆっくりと後ろに回します
- この動作を5〜10回繰り返してください
- 体の向きを反対にして、左側も同じように行います
腕を後ろに回すときは、ゆっくりと大きく回すことを意識しましょう。これによって胸筋や脇の下の筋肉をしっかり伸ばせます。
また、体を丸めて肩甲骨をほぐす方法もあります。
- 仰向けに寝転がって、背中と頭を床にしっかりつけ、両膝を胸の前で抱えます。両ひざの間は拳ひとつ分開けておくのがポイントです
- 体を左右に転がして背中や腰の筋肉をほぐしていきます
首と肩の力を抜いて、首を天井に向けるようにすると効果が高まります。自分が気持ちよいと感じる回数だけ行いましょう。
タオルを使った肩甲骨ストレッチ
タオルを活用した肩甲骨ストレッチは、効果的かつ簡単な方法のひとつです。身体の硬さに関係なく行えるため、誰でも取り組みやすいメリットがあります。このストレッチでは、肩甲骨が外側に開いた状態を元に戻すことがポイントです。
ストレッチのやり方は、以下のとおりです。タオルを上げ下げするだけの簡単なストレッチのため、ぜひ試してみてください。
- 椅子に浅めに腰をかけ、両腕でタオルを握り肩幅に広げる
- 腕を伸ばしてタオルを頭の上に持ち上げる
- 頭の位置を固定し、腕を曲げながらタオルを後ろに下ろしていく
- 両腕を伸ばして元の位置に戻し、上げ下げの動作を10回繰り返す
また、タオルを使用した肩甲骨ストレッチにはいくつかのバリエーションがあります。その中から3つの方法を紹介します。
- 肩甲骨を寄せるストレッチ
タオルを後ろで引っ張りながら肩甲骨を寄せる方法です。タオルの長さや引っ張る強さを調整しながら行います。 - 胸を張る肩甲骨のストレッチ
タオルを背中で持ち、肩甲骨を寄せながら腕を上げていきます。腕を高く上げなくても効果的です。 - ヒップタッチ
両足を広げて立ち、タオルを頭上に持った状態から片方の腕を下げて、お尻の後ろまで持っていきます。背中の筋肉を意識しながら行いましょう。
これらのストレッチを行うことで、肩甲骨の動きが改善され、肩コリや姿勢の問題を解消する助けになります。
タオルを使った肩甲骨ストレッチは、誰でも簡単に行える方法です。身体が硬い方でも、取り組みやすいでしょう。このストレッチの目的は、肩甲骨を正しい位置に戻すことです。
- 椅子に浅めに腰をかけて、両手でタオルを握ります
- タオルを肩幅に広げ、腕を伸ばしてタオルを頭の上に持ち上げます
- 頭の位置を固定し、腕を曲げながらタオルを後ろに下ろしていきます
- 両腕を伸ばして元の位置に戻し、上げ下げの動作を10回繰り返します
さらに、いくつかのバリエーションもあります。たとえば、タオルを後ろで引っ張りながら肩甲骨を寄せる方法や、両足を広げて立ち、タオルを頭上に持った状態から片方の腕を下げてお尻の後ろまで持っていく「ヒップタッチ」も効果的です。
これらのストレッチを定期的に行うことで、肩甲骨の動きが改善され、肩こりや姿勢の問題を解消するのに役立つでしょう。
壁を使った肩甲骨ストレッチ
壁を利用した肩甲骨ストレッチも、簡単にできる効果的な方法です。壁を使うことで、腕や肩甲骨をしっかりと固定し、ストレッチ効果を高めることができます。
ストレッチのやり方は以下のとおりです。
- 壁のコーナーに真っすぐ立ち、片手を壁に当てる。ひじは90°に曲げ、肩の高さに合わせる
- 腕を壁につけたまま、上半身をゆっくり前に倒し、壁側の肩甲骨が伸びるのを感じる
壁を使ったストレッチは以下の方法もおすすめです。
- 足を肩幅程度に開き、壁と向かい合って立つ。腕を前に伸ばし、壁に手をつく。手の向きは、指先が内側を向くように横方向にする
- 左足を右方向へ踏み出して、左肩に体重をかけながら腕を曲げ、身体をひねる。肩から下が右方向を向き、左足が前に出た体勢となる。肩甲骨に意識を集中しながら行う
- 足を入れ替えて、右側でも同様に肩に体重をかけてひねる。顔の向きを肩と逆方向に向け、骨盤が自然にひねられるようにする
これらの方法を参考に、壁を使って肩甲骨をしっかりとストレッチしましょう。
壁を使った肩甲骨ストレッチは、簡単で効果的な方法です。壁を使うことで、腕や肩甲骨を安定させて、ストレッチ効果を最大限に引き出せます。
- 壁のコーナーに真っすぐ立ち、片手を壁に当てます
- ひじを90°に曲げて、肩の高さに合わせます
- 腕を壁につけたまま、ゆっくりと上半身を前に倒し、壁側の肩甲骨が伸びるのを感じます
壁を使ったストレッチは以下の方法もおすすめです。
- 足を肩幅程度に開き、壁と向かい合って立ちます
- 腕を前に伸ばし、壁に手をつきます
- 手の向きは、指先が内側を向くように横方向にします
- 左足を右方向へ踏み出して、左肩に体重をかけながら腕を曲げ、身体をひねります
- 肩から下が右方向を向き、左足が前に出た体勢となります
- 肩甲骨に意識を集中しながら、同じように右側でも行います
- 顔の向きを肩と逆方向に向け、骨盤が自然にひねられるようにします
壁を使ってしっかりと肩甲骨をストレッチしましょう。身体の硬さに関係なく、誰でも簡単に取り組めるので、ぜひ実践してみてください。
肩甲骨ストレッチをしても肩コリや首コリが改善しない場合は?
ストレッチを試しても肩コリや首コリが改善しない場合の対処方法を紹介します。ストレッチ以外にも身体の不調を改善するポイントはさまざまです。自身が取り入れやすいものを試してみましょう。
食事や睡眠など生活習慣を見直す
肩コリや首コリが改善しない場合、生活習慣を見直すことが重要です。特に食事で摂取するビタミンは身体をスムーズに動かすための重要な栄養素であり、不足すると肩コリや首コリなどの不調を引き起こすことがあります。
ビタミンEは血行促進に重要な役割を果たし、肩コリや頭痛、冷え症などを改善する効果が期待できます。ビタミンB1、B6、B12は、体や脳を動かすためのエネルギーを生み出す代謝や、体や心に影響を与える神経伝達物質の合成に必要です。不足すると肩コリや血行不良が起こる可能性があります。
これらの栄養素が豊富に含まれる食品を積極的に摂取しましょう。例えば、アーモンドやうなぎにはビタミンEが、豚肉やほうれん草にはビタミンB1が、さんまやバナナにはビタミンB6が、豚レバーやあさりにはビタミンB12が含まれています。
バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠も確保することで、肩コリや首コリの改善につながります。
市販薬を活用する
市販薬の活用も有効です。ビタミンE、B1、B6、B12などが配合された市販薬を選ぶと良いでしょう。
ビタミンEは毛細血管の血液循環を促進させ、筋肉に栄養や酸素を供給して肩コリを和らげます。また、血液の流れが良くなることで、疲労物質を排出しやすくなる効果も期待できます。ビタミンB1はエネルギー生産を助け、筋肉の疲労回復やこりの緩和に役立つでしょう。
また、ビタミンB6は神経伝達物質の生成に関与し、神経の働きを正常に保ちます。さらにビタミンB12も神経の健康をサポートし、肩コリや腰痛の原因を緩和します。フルスルチアミンなどの抗疲労成分も効果的です。
もし市販薬を1カ月ほど服用しても改善が見られない場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
病院や整体院を受診する
肩コリや首コリが改善しない場合、病院や整体院を受診することをおすすめします。そして、専門家の指導を受けながら血行促進や筋肉のほぐしを試みましょう。ただし、痛みや違和感が強い場合は、より深刻な病気の可能性も考えられます。
例えば、がんや狭心症、痛風、肺結核、心筋梗塞、胆のう炎、椎間板ヘルニア、変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)などの疾患が原因で肩周辺に痛みが広がることがあります。
肺がんでは、しばしば肩から腕にかけてピリピリとした痛みが広がるでしょう。心臓疾患では、肩から腕にかけて広範囲にわたる痛みが生じることもあります。
このような症状がある場合は、ただの肩コリとして放置せず、医師の診察を受けることが必要です。肩コリの痛みは放置せず定期的なケアを行い、症状が良くならないときは、手足の痺れを伴う場合は整形外科、めまいや頭痛を伴う場合には脳神経内科を受診しましょう。
まとめ
肩甲骨ストレッチは、日常生活で簡単に取り入れられる肩コリや首コリを解消する効果的な方法です。 この記事では、寝ながらや座ったままでもできるストレッチ方法を紹介しました。肩コリや首コリを解消し、快適な日々を送るためにぜひ試してみてください。
[ 監修者 ]