【暮らし】“森林セラピー”で心と体を整えましょう
森の中に入ると、木々の香り、美しい緑、鳥のさえずりや優しい風に包まれて、とても心地よく、清々しい気分になりますね。今月はこれからの新緑の季節に、メリットいっぱいの森林浴をおすすめします。
免疫力アップに、がん予防も!
科学的に実証されている森林浴の素晴らしい効果を知って以来、私は家の近くの森にちょこっとお散歩に行くようになり、日常的に元気をチャージしています!
みなさまも、慌ただしい日常に疲れてしまった時には、少しの時間を見つけて緑豊かなスポットで癒やされてみてはいかがでしょうか。
美しい木々やマイナスイオン溢れる森は、私たちに気分的な快適さをもたらすだけではありません。実際に心身の健康維持、増進、病気の予防など様々な力を持っていることが科学的にも解明されていて、現在、 欧州諸国では自然療法としての“森林セラピー”が医療の現場でも実用化されているそうです。
日本では約20年前に林野庁が主導し、森林浴を広めようとしたのをきっかけに、多くの研究者による実験が進められ、2004年以降、森林浴を予防医学などに役立てようと多くの各研究機関や大学、企業が森林セラピーの研究に取り組んでいます。
森林浴の効果とフィトンチッド
それでは、研究結果により明らかになった森林浴の効果についてお伝えしていきましょう。
森林浴が人体に与える影響の科学的根拠は、数多くの継続的な実験の結果によって示されており、脳波やストレスホルモンの濃度、心拍数や血圧などの測定値からは以下のことが明らかになりました。
・ ストレスホルモンの減少
・ 副交感神経の活発化
・ 交感神経活動の抑制
・ 血圧、 脈拍数の低下
・ 抗がんタンパク質の増加
・ 免疫力アップ
これらの作用により、うつや疲労などの ストレス状態から解放され 活力が回復。自律神経系も整い、気分や体の痛みなどの不調が改善します。
また、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性が2日の森林浴により、約50%向上し、同時に抗がんタンパク質の濃度も上昇していることが確認されました。
現在も様々な実験が継続的に続けられており、森林の環境が免疫機能の向上に特異性を持つことが実証されています。
そして その有益な効果の秘密は樹木が作り出し放出している 森の香り《 フィトンチッド 》という物質。
自由に動くことのできない植物が外敵の攻撃や刺激から身を守るために発散している、揮発性の有機化合物です。
人体へのリラックス効果だけではなく、 抗菌、 防虫、消臭、 抗酸化といった作用があり、私たちの日常生活にも活用すべく関心が高まっているそうです。
五感を使ってエネルギーチャージ
ようやく暖かくなりお天気の良い日が続いている近頃、私も家から程近い森へよく訪れています。
一歩足を踏み入れた途端に爽やかな空気と木々の香りに包まれて、心と体が解放されていく感覚は、たまらなく気持ちの良いもの。
春のお花や新芽を膨らませつつある葉の緑を眺めたり、小鳥たちのさえずりや小川のせせらぎの音に耳を傾けたりしながら、ゆったりと森の中を歩けば、絡まった思考や悩み事も次第に整理され、穏やかな気持ちに。
また、すれ違う散歩中の犬たちの反応やアイコンタクトに自然と笑みがこぼれることも…。
こんなふうに、森にはいろいろな楽しみや小さな幸せが詰まっていて、まさに五感を使ってエネルギーチャージする感じです。
緑豊かな季節に森林浴の効果を実感できたなら、年間を通して森へ行くことを習慣にしてみましょう。
四季折々に表情を変える自然の力を受けとり、心もからだも健やかになれる森林セラピー。身体的な疲れだけでなく、生きづらさが加速する世の中で精神的にも負担がかかっている現代の人々の間に、もっともっと拡がっていくといいなと思っています。
*この記事は著者自身の感想をもとに作成しています。