ちょっと動くと汗が出る原因は?薬や漢方は効果的?対策方法を紹介
ちょっと動くだけで汗が出ることに悩んでいる方に向けて、原因や対策方法を解説します。医療機関を受診する目安も紹介しているので、不安を抱いている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ちょっと動くと汗が出る原因は?
ちょっと動くと汗が出る原因は、さまざまなものが考えられます。症状を改善するには、原因を知ることが大切です。まずはよくある原因を6つ紹介します。
基礎代謝がよい
1つ目の原因は、代謝のよさです。人間が何もしなくても1日の中で消費するエネルギーのことを「基礎代謝」と呼びます。体温調整や呼吸など生命維持に必要なエネルギーです。
この基礎代謝は、人間が1日で消費するエネルギーの約60%を占めます。そのため、基礎代謝がよい人は一般的に体温が高い傾向にあり、汗をかきやすいといわれています。冬場や大した運動をしていなくても多くの汗をかく人は、基礎代謝が高い可能性が考えられます。
更年期による影響
更年期は、女性ホルモンが急激に減少することでさまざまな不調を引き起こします。その中でも更年期特有の症状である「ホットフラッシュ」が見られる可能性があります。
ホットフラッシュは、発汗やのぼせ、ほてり、汗が止まらなくなったり、顔が赤くなったりする症状があります。気温や時間帯を問わず突然起こるため、動かなくても汗が出る場合は、更年期による影響かもしれません。
肥満
肥満の人も汗が出やすい傾向にあります。皮下脂肪は、熱が伝わりにくい特性を持っています。体が熱を放出しようとしても、皮下脂肪が壁になり、うまく放熱できなくなってしまうのです。
そのため肥満体型の人は、体温が上昇しやすく、なんとか熱を放出するために大量の汗をかいてしまいます。
運動不足や生活習慣の乱れによる影響
運動不足や生活習慣が乱れている人は、汗をかく機会が少ないため、汗腺が衰えてしまいます。汗をかく機会があっても体の一部だけで汗をかいて体温調整しているケースがあります。
特に脇など汗をかきたくない部分から発汗する傾向があるため「急に汗が出るようになった」と感じる場合は、運動不足が原因かもしれません。
自律神経の乱れ
人間は、自律神経である交感神経と副交感神経がバランスを取り、体の機能を維持しています。日中など仕事や勉強をしているときには交感神経が優位になり、就寝時やリラックスしている際には副交感神経が優位になります。
しかし強いストレスや緊張、睡眠不足などが続くことで、自律神経のバランスが乱れてしまいます。自律神経が乱れると汗の量が多くなったり、手足の冷えがひどくなったりなどの不調を引き起こすことに。
多汗症
少し動いただけで汗をかいたり、滴るほど汗が出たりする場合は、多汗症の可能性も考えられます。多汗症は、多汗と無汗を繰り返したり、体の左右で同時に発汗したりするといった特徴があります。また多汗症の人の多くが特定の部位のみ発汗するといわれています。
ちょっと動くと汗が出る際の対策法
ちょっと動くと汗が出ることで、仕事に支障が出たり、好きな服を着られなかったりと悩んでいる方も多いでしょう。汗が出る場合の対策法としては、下記が挙げられます。
- 市販薬や漢方薬を服用する
- ボトックス注射やミラドライなどの治療を受ける
- 基礎代謝を上げる
- 生活活動代謝を上げる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 市販薬や漢方薬を服用する
市販薬や漢方薬を服用することで、発汗を抑えられる可能性があります。ドラッグストアで購入できるため、気軽にできる対策法としておすすめです。
ただし医師から多汗症と診断されていたり、市販薬の服用を勧められたりした場合のみに使用しましょう。原因を知らずに服用すると効果を期待できなかったり、思わぬ副作用が生じたりする可能性があるため、注意が必要です。
② ボトックス注射やミラドライなどの治療を受ける
ボトックス注射やミラドライなどの治療を受けるのもおすすめです。それぞれ美容クリニックなどで受けられます。ミラドライは、マイクロ波を用いて半永久的に汗腺の活動を留める治療方法です。半永久的な効果を期待できるのがメリットですが、多汗症と診断されても保険適用外になります。
一方でボトックス注射は、製剤に含まれている毒素によってエクリン腺を麻痺させ、汗を抑える治療です。半永久的な効果は期待できません。しかし多汗症の診断を受けた場合は、保険適用で治療を受けられます。治療法によっては、効果を維持するために費用が高額になるケースも少なくありません。いくつかの治療方法があるため、リスクや副作用について詳しく理解してから治療を検討しましょう。
③ 基礎代謝を上げる
運動不足や生活習慣の乱れが原因で汗が出ている場合は、基礎代謝を上げるのがおすすめです。基礎代謝をあげることで、ちょっと動いても脇など汗をかきたくない部分からの発汗を抑えられる可能性があります。基礎代謝を上げるには、起床後は白湯を飲んだり、ストレッチを行ったりなどするのが効果的です。
いきなり生活習慣を変えるのは難しいため、日々の小さなことから始めましょう。
④ 生活活動代謝を上げる
基礎代謝と同様に運動不足や生活習慣の乱れによって汗が出る場合は、生活代謝を上げることで汗を抑えられる可能性があります。生活活動代謝とは、仕事や家事、通勤など日常生活で体を動かすことで消費されるエネルギーのことです。エレベーターではなく階段を使ったり、ドライヤーや歯磨きの時間にスクワットをしたりとちょっとした心がけで生活活動代謝の向上を期待できます。
ちょっと動くと汗が出るのは糖尿病など疾患の可能性が潜んでいる可能性もある
ちょっと動くと汗が出る人の中には、糖尿病などの疾患が関係している可能性があります。ここからは、医療機関を受診する目安などについて詳しく解説していきます。
医療機関を受診する目安のセルフチェック
下記に当てはまる人は、医療機関の受診を検討しましょう。
- 発汗量が多く日常生活に支障が出ている
- 症状が急激に進行している
- 発汗以外にも動悸やほてり、息切れなどの症状がある
- 基礎疾患を持っている
このような症状に当てはまる人は、放置せずに医療機関を受診してください。もしこれらの症状がなく、発汗のみの場合は、まず皮膚科を受診することをおすすめします。
何科を受診するべき?
発汗のみ見られる場合は、皮膚科を受診しましょう。他に動悸やほてりなどの症状が出ている場合は、内科や婦人科がおすすめです。全身の検査や評価を行い、適切な治療を受けられます。また基礎疾患を持っている方は、担当医に相談しましょう。
まとめ
ちょっと動くと汗が出る原因は、基礎代謝のよさや更年期、自律神経の乱れなどさまざまなものが考えられます。中には、糖尿病や甲状腺機能亢進症などの重篤な疾患が潜んでいる可能性もゼロではありません。
症状が悪化していたり、発汗以外のトラブルを抱えていたりする場合は、医療機関を受診しましょう。