40代の血圧の正常値は?血圧を正常値に保つためのポイントを詳しく解説
40代の健康を維持する上で重要な要素のひとつが血圧です。この記事では、40代の正常な血圧の基準と、その維持に役立つポイントを詳しく解説します。
目次
40代の血圧の正常値
まずは、40代の血圧の正常値について紹介します。男女別に解説するので、自身の血圧が正常値か確認してみましょう。
男性の正常値
厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によれば、40代男性の血圧平均値は、収縮期血圧は125.8mmHg、拡張期血圧は81.3mmHgで、血圧を下げる薬の使用者を除いた場合はそれぞれ125.4mmHgと80.6mmHgです。
これらの数値は、基準値をやや上回っています。血圧の正常値は収縮期血圧が120mmHg未満、拡張期血圧が80mmHg未満ですが、この調査ではそれを上回っていることがわかりました。
女性の正常値
40代女性の血圧の平均値は、収縮期血圧が114.3mmHg、拡張期血圧が71.2mmHgで、血圧を下げる薬の使用者を除いた場合はそれぞれ113.7mmHgと70.9mmHgです。これらの数値は、収縮期血圧、拡張期血圧ともに正常血圧の基準値内です。
一方で、女性の場合は更年期以降に高血圧になる可能性もあります。そのため、40代の女性も定期的な血圧チェックと健康的な生活習慣の維持が重要です。
40代で血圧が正常値よりも高くなるときに考えられる原因
なぜ40代で血圧が高くなるのでしょうか。ここでは、その原因について紹介します。血圧を改善する前にその原因を探りましょう。
更年期などのホルモンバランスの影響
女性の体は、若い頃は女性ホルモンのエストロゲンによって血管の老化が抑えられています。しかし、更年期を迎えると、エストロゲンの減少により血管が硬化し、高血圧になりやすくなるのです。
更年期のホルモンバランスの影響による高血圧は放置すれば慢性的な高血圧に進行するリスクがあるでしょう。更年期には高血圧以外にも身体的な症状や、精神的な症状もあらわれることがあります。
多忙な仕事や家庭事情による生活習慣の乱れ
高血圧には、二次性高血圧と本態性高血圧の2つのタイプがあります。仕事や家庭のストレス、不規則な生活リズム、運動不足、飲酒や喫煙の習慣、そして塩分の摂り過ぎなど、生活習慣の乱れが本態性高血圧の要因と考えられています。
日本人のほぼ9割がこの本態性高血圧に該当しており、特に男性は内臓脂肪が増えやすい傾向があり、メタボリックシンドロームと呼ばれる生活習慣病を発症するリスクが高まります。このリスクを避けるには、早めの対処が必要です。
高血圧・低血圧が原因で引き起こされる病気
高血圧や低血圧が放置されると、さまざまな病気が引き起こされる可能性があります。
高血圧症の場合、脳血管障害が起こりやすくなります。脳出血や脳梗塞、脳底部の動脈瘤の病気がその代表です。また、心臓病や腎臓病、動脈硬化なども危険な合併症としてあらわれます。
低血圧症は、起立性低血圧症と本態性低血圧症の2つに分類されます。前者ではめまいや立ちくらみ、一時的な失神が見られるでしょう。後者は症状がない低血圧ですが、日常生活に支障がなければ血圧を無理に上げる必要はありません。
日常生活では、規則正しい生活やバランスの取れた食事、適度な運動が重要です。
血圧を正常値に保つためのポイント
ここでは、血圧を正常値にするポイントを紹介します。高血圧に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
①食生活を改善する
食生活の見直しは、血圧を正常値に保つ上で重要です。特に高血圧を予防・改善するには、減塩が不可欠です。日本人の高血圧の主な原因は塩分の摂り過ぎであり、一日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。
しかし、現実にはこの目標値を下回ることは難しいことが分かっています。それでも、減塩のためには工夫が必要です。例えば、酢や柑橘系の酸味、香辛料、香味野菜を使うことで味を引き立てることができます。
②適度な運動をする
適度な運動は、血圧を正常に保つ上で不可欠です。特に習慣的な有酸素運動は、血圧を下げる効果があることが知られています。有酸素運動は、筋肉の負荷が比較的小さいものです。ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどがその例です。
1回30分以上の運動を行うか、1日の合計で40分以上の運動を行いましょう。定期的に、できれば毎日行うことが推奨されます。また、掃除や買い物などの日常的な活動を増やしてみることもひとつの方法です。
本記事では、室内で楽しく有酸素運動を実践し、健康的な生活を手に入れる方法をご紹介いたします。ジムや器具が不要で日常生活に取り入れやすい方法ばかりです。ぜひ参考にしてください。
③飲酒や喫煙を控える
血圧を正常に保つためには、飲酒と喫煙を控えることが不可欠です。
アルコールの影響は摂取した純アルコールの量によって異なります。例えば、1日の平均的なアルコール摂取量は20g未満が推奨されます。高齢者や女性はアルコールに弱いため、より少ない量に抑えることが望ましいでしょう。
また、たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素は血圧の上昇を招きます。禁煙はいつからでも遅いということはありません。
④休息をとりストレスをため込まない
十分な睡眠や休養を取ることは、正常な血圧を維持する上で欠かせません。不十分な睡眠や休養はストレスの原因となり、心身にさまざまな不調を引き起こす可能性があります。実際、ストレスは高血圧のリスク要因としても知られています。
さらに、睡眠不足は低血圧の症状を悪化させることもあります。毎日十分な睡眠を確保し、ストレスをため込まないよう心がけましょう。リラックスする時間を持つことやストレス解消法を取り入れることも、血圧をコントロールするために役立ちます。
⑤肥満体型の場合は体重を減らす
肥満の方は、肥満でない方と比べて高血圧を発症する確率が2~3倍ほど高いとされています。
肥満が高血圧のリスクを増加させるため、体重を減らすことが重要です。体脂肪を減らすことで、血中のインスリンなどのホルモン量を減少させることができます。これにより、高血圧になりにくい体をつくれるでしょう。
高血圧・低血圧が改善されない場合は医療機関を受診しよう
生活習慣の改善を試みても、血圧がなかなか下がらない場合、別の病気が潜んでいる可能性があります。これが「二次性高血圧」と呼ばれるものであり、高血圧の原因となる病気を治さない限り血圧を正常値に戻すことが困難です。高血圧の患者の約10人に1人が二次性高血圧であるといわれています。
代表的な疾患のひとつが「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。この病気は睡眠中に喉が閉じることで何度も呼吸が止まってしまう疾患で、肥満などが原因とされます。日中の眠気や頭痛、高血圧、糖尿病、心筋梗塞などのリスクを高め、放置すると将来的に重篤な病気を引き起こす可能性があります。
まとめ
40代の血圧は、更年期やホルモンバランス、生活習慣の乱れにより、高くなりやすいでしょう。 血圧を正常にするには、健康な生活習慣や適切な食事、運動、ストレス管理などが重要です。なかなか血圧の数値が改善されない場合は、医療機関の受診も検討しましょう。自己管理と定期的な医療機関の受診を通じて、血圧を適切な範囲に保つことが大切です。