心が穏やかで軽くなる「脱・大人のメンヘラ」【前編】
不安定な感情をコントロールできないのは、一時的に“メンヘラな状態”になっているからかもしれません。そんな、誰もが陥る「大人のメンヘラ」を乗り越え、心を軽くする方法をお伝えします。
目次
「メンヘラになっている」と気付くだけで心は落ち着く
メンタルヘルスから派生した造語“メンヘラ”。心が不安定な人を指す、ネット上で生まれた言葉です。でも、「感情が不安定になったり、思考が極端になったりすることは、誰にでもあります。ならば、自分がそうなったときに『今、メンヘラっぽいかも』と認めるように使ってみて。暴走する感情をいなし、穏やかさを取り戻す助けとなります」と言うのは、精神科医いっちーさん。
メンヘラっぽいとは、感情が頭の中を占拠する状態のこと。抜け出すには“感情的な自分”と“理性的な自分”を切り分けることが重要です。
「理性的な自分が、『今、メンヘラ中』と気付けば、冷静さを取り戻せます」
【読者135人に聞きました】“メンヘラ”という言葉を知っていますか?
読者135人に聞いたところ、「メンヘラという言葉を聞いたことがあり、意味も分かる人」が44%、「聞いたことがあるが、意味はわからない人」が46%と、メンヘラの認知度は90%という結果に。精神的に不安定な人を指し、ネガティブな印象を持つ人が多いことが判明。なかには「自分もメンヘラ」と答える読者も。
感情が不安定になる“メンヘラ”なとき
- 人から優しくされると涙がこぼれる
- 素敵なSNS投稿を見て落ち込む
- イヤなことは全部リセットしたい
さらに、精神科医いっちーさんによると、そもそもメンヘラを否定的に捉える必要はないのだそう。
「ネガティブな感情や満たされない感情は、いわば伸びしろ。感情を味方につけることで、もっと幸せになれる人たちなんですよ」
感情の暴走に気付くと冷静になれる
状況がわからず暴れる「木から落ちたサル脳」
「感情」はサルに例えられます。楽しい、うれしいというポジティブな気持ちをもたらす一方で、突然木から落ちれば状況を理解できず、もがき苦しみ暴れることも。
冷静に状況を見渡す「木の上のフクロウ脳」
木の上のフクロウのように冷静な視点を持つのが、いわゆる「理性」。地に落ちて苦しむサルに気付いて、再び木の上に戻るにはどういう対策をすべきかを探します。
フクロウの視点でサルの状況を受け止めて
木から落ちたサル状態で荒ぶる感情の真っただ中にいるときは、木の上のフクロウの視点に立ってその状況を見つめることでクールダウン。2つの脳をいつでも切り替えられると、心の安定を保ちやすくなります。
“脱・メンヘラ脳”を育てる3つの習慣
やりたいことを妄想し1行メモを書く
「なりたい自分」や「やりたいこと」を妄想し、1行でメモしてみて。頭の中にとどめず、実際に文字を書くと思考が前向きになるうえ、自分の思いを客観的に受け止めやすくなります。
感情を揺さぶる犯人を数字で追跡する
浪費がイヤなら、家計簿でお金を費やす先を特定。太って落ち込むなら、体重を量って増加する時期を探るなど、感情を揺さぶるきっかけを数字で追跡。感情と切り離して観察でき、対策を検討しやすくなります。
気分を盛り上げるジンクスを作る
「〇〇するとうまくいく気がする」という心持ちが、前向きな行動を促すことも。「朝、水を飲むと仕事がうまくいく」など、気分を盛り上げる小さなジンクスを作って実践してみて!
イラスト/フクイサチヨ
(からだにいいこと2024年6月号より)
[ 監修者 ]