アラフォーからの健康美を作る「血糖値ウソ・ホント」クイズ【前編】
血糖値を上手にコントロールしながら生活すると、体の老化をスピードダウンさせることができます。老化の原因となる“AGE”を減らす習慣を心がければ、老化を防ぐことができますよ!
アラフォー世代の老いを遠ざけるカギは“血糖値”
「老化は“糖”と深く関係しています」と、糖尿病専門医の山岸昌一さん。
体内に入った糖がたんぱく質と結びつくと、たんぱく質は“糖化”して「AGE(終末糖化産物)」という物質に変化。このAGEが体内のあらゆる細胞の働きを妨害し、慢性的な炎症を起こすことで老化を早めます。
現代人の食事では、糖やAGEを大量に摂取しがち。すると食後の血糖値が一気に上がり、その後急降下する「血糖スパイク」が発生。血糖値が高い状態が続いたり、血糖スパイクを繰り返したりすると、体内のAGEはどんどん増加します。
「AGEが増えると将来の病気リスクが高まるほか、更年期症状や白内障、シワ、たるみ、髪のパサつきなど、さまざまな老化現象が起こります。アラフォー世代にとって、決して他人事ではありません」
“糖”のとりすぎで老化が加速
老化の正体は、体を構成するたんぱく質の「酸化」と「糖化」。特に近年注目されているのが糖化です。摂りすぎた糖がたんぱく質にくっついて焦げつくと、「AGE」という物質に変化。これが細胞や臓器に酸化や炎症を起こし、老化を招きます。
終末糖化産物「AGE」が老化を進める
糖とたんぱく質に熱が加わり、焦げたものが老化の原因物質「AGE(Advanced Glycation End products=終末糖化産物)」。体内で作られるほか、食品にも含まれます。
食後の体内では老化の元凶が激増
血糖値は通常、ゆるやかに変動します。しかし食生活によっては、食後の血糖値が急上昇・急降下。この状態が「血糖スパイク」で、血管を傷つけるうえ、AGEも増やす厄介者です。
トラブル続発! 血糖値が起こす老化現象
血糖値が高い状態が続いたり、乱高下を繰り返したりすると、体内の糖化=“焦げ”がさらに進行。体の内側も外側も、年齢以上に老化が進み、さまざまな老化現象が起こります。
〔老化現象1〕視力が落ちてかすみ目になる
AGEは体内のたんぱく質の機能を低下させます。かすみ目もそのひとつで、視力低下を引き起こすことも。
〔老化現象2〕ケラチンの質が低下し髪のトラブル多発
髪の美しさを保つのに欠かせないのが「ケラチン」。AGEはこのケラチンを劣化させ、薄毛の原因になります。
〔老化現象3〕シミ・シワ・くすみが目立って老け顔に
肌のコラーゲンが糖化すると弾力が失われ、シワやたるみのもとに。シミも増え、見た目年齢を上げてしまいます。
〔老化現象4〕眠りを妨げ認知機能の低下にも
血糖値が高すぎると、睡眠の質が低下。睡眠中に除去されるべきAGEが脳内に残り、認知症の一因に。
〔老化現象5〕うつや不安を感じやすくなる
糖化しやすい食生活は、抑うつ状態や不安を引き起こすことが研究で明らかに。ストレスもたまりやすくなります。
〔老化現象6〕生活習慣病のほか病気のリスクが上昇
AGEは、体内の抗酸化作用を阻害。慢性の炎症を起こして糖尿病や心臓病、がんなどのリスクを高めます。
健康なアラフォー女性でも血糖値のケアは必須!
AGEを減らし、老化を防ぐためには、血糖値コントロールが必須です。
「毎日の習慣をほんの少し見直すだけでもOK。AGEをためにくい体にすることができます。早くから始めれば、それだけ老いが遠ざかりますよ」(山岸さん)
健康診断の数値では“糖化度”はわからない
健康診断での血糖値だけでは、体内のAGEは推定不可能。正常値であっても、食後の血糖スパイクなどで糖化が進行している可能性があります。
女性の“ゆらぎ”は血糖値と関係大
AGEが体内にたまると、女性ホルモンの働きが低下。更年期症状やPMS(月経前症候群)など、女性特有のゆらぎが起こりやすくなります。
血糖値コントロールで若さも元気も復活!
血糖値を上手にコントロールしながら生活すれば、体内のAGEは徐々に減っていきます。特に変化を実感しやすいのは、肌や髪のツヤ。今日から始めて、若さも元気も取り戻しましょう! 後編では、AGEの量を減らして老化を防ぐ食事・生活のコツをクイズ形式でお伝えします。
イラスト/しまはらゆうき
(からだにいいこと2024年8月号より)