水素水ブームがなくなった理由とは?効果はないの?詳しく解説します
一時期ブームだった水素水ですが、耳にすることが減った人も多いのではないでしょうか。本記事では、水素水ブームがなくなった理由を紹介します。水素水の効果についても紹介しているので、ぜひご覧ください。
目次
ブームになった水素水とは
そもそも水素水とは何なのでしょうか。ここでは、水素水について詳しく紹介します。水素水の正体や、効果が本当にあるか気になる人は、ぜひチェックしてください。
人工的な処理により分子状水素が溶解している
水素水とは、特定の技術によって水中に水素分子(H2)が溶解している飲料水です。通常の水とは異なり、水に圧力をかけて水素ガスを溶解させたり、微細な水素ガスを水に混ぜ合わせたりすることで製造されます。
水素分子は非常に微細な泡として溶解するため、炭酸水のようなシュワシュワ感はありません。また、味は使用される水そのものの味わいに左右されます。このように、水素水はその特有の製造方法によって他のアルカリイオン水や活性水素水とは異なる存在です。
まだ明確なエビデンスはない
水素水は、美容や健康への期待から注目を集めましたが、実際の効果については科学的な裏付けがまだ十分ではありません。抗疲労効果や酸化ストレスの抑制、さらには糖尿病の改善といった効果が期待されていますが、これらは全て可能性にとどまります。特定保健用食品や機能性表示食品として認可された水素水の製品も現時点では存在しません。
水素水を摂取する際は、水分補給としての側面で考えるのが妥当です。水素水と通常の水の違いは、溶け込んでいる水素分子の量にありますが、製品によって差があり、具体的なデータは確認されていません。また、水素分子は時間とともに抜けていく性質があり、一部の製品では、開封後1時間で水素濃度が半減するという報告もあります。
水素水ブームがなくなった理由
水素水はかつて美容や健康への良い影響が期待されて人気を集めましたが、実際の効果については科学的な根拠が乏しいことが判明しています。事業者側が水素濃度の高さを訴求する一方で、国民生活センターの調査では水素水について公的な定義や効果に関する明確な規定がないことが指摘されました。
特定保健用食品や機能性表示食品としての承認も得ていない状況で、一部の商品が過剰な健康効果をうたう広告に問題があるとして規制当局から指摘を受ける事態も起きています。
体内に取り込める水素は微量であり、健康への影響は限定的なため、清涼飲料水に近い存在です。このような科学的根拠の欠如と商品の過剰な健康効果の表示が、水素水ブームがなくなった理由といえます。
水素水は効果がないとは言い切れない?
水素水はエビデンスがないため、効果が批判的に見られている傾向があります。しかし、未知のメカニズムでも効果がある医薬品は存在します。そのため、水素水に効果がないと断言することはできません。
実際に300以上の研究論文が存在し、細胞や動物を対象にした実験も進行中です。しかし、人間での臨床試験は数が少なく、信頼性の高いエビデンスはまだ得られていません。それでも、効果を支持する論文は存在します。
また、水素ガスを直接吸引させる研究もあり、これは水素水ではなく水素ガスの高濃度を利用しています。これは理論的にも可能性がある方法です。
水素水のデメリット
水素水は飲みすぎるとお腹の調子が悪くなったり、保存がきかなかったりなどのデメリットが存在します。ここでは、水素水のデメリットを詳しく見ていきましょう。
摂取しすぎるとお腹の調子が悪くなる可能性がある
水素水は便通や胃腸の改善に役立つとされますが、過剰摂取すると下痢のリスクがあります。水素水以外の水分も過剰摂取するとお腹が緩くなる場合がありますが、還元水素水には豊富なカルシウムやマグネシウムが含まれています。そのため、腎不全やカリウム排せつ障害のある人にとってリスクになることがあるでしょう。
腎臓に問題のある人は、水素水を摂取する前に必ず医師と相談することが重要です。適切な量を守り、自分の体調に合わせた摂取を心がけましょう。
沸騰させると水素が抜けてしまう
水素水を沸騰させると、加熱によって水中の水素が気化して抜けてしまいます。そのため、料理に使用する際には水素が失われ、水素水としての効果が期待できません。
食材を茹でたり煮物をつくったりする場合は、水素水の特性を生かせないので注意が必要です。
保存や保管はおすすめできない
水素水を一度開封すると、時間とともに水素が徐々に抜けてしまいます。国民生活センターの調査によると、開封後5時間で水素濃度が30~60%、24時間後には約10%まで低下することが報告されています。水素分子は非常に小さく、容器の材質を通り抜けてしまう性質があることから、保存や保管には不向きです。
未開封の場合でも時間が経過すると水素の濃度は減少します。開封後はできる限り早めに摂取するようにし、1ヵ月以内に飲み切ることが推奨されてます。
水素水を摂取する際の注意点
水素水を摂取する際は、有効期限や薬を飲むとき、保管方法など気をつけなければならない点があります。ここでは、水素水を飲む際の注意点を詳しく見ていきましょう。注意点を守り、適切に摂取することが大切です。
水素濃度や有効期限が記載されているものを選ぶ
水素水を選ぶ際には、必ず水素濃度や有効期限が記載されている商品を選ぶことが重要です。未開封でも水素分子は時間とともに抜けてしまう傾向があり、特に有効期限が短い点が特徴です。
水素濃度や有効期限が明確に示されている商品であれば、その成分が保たれる期間がわかります。これにより、消費者は商品の品質や効果をより正確に確認できるでしょう。
薬を飲むときは水素水は控える
水素水には、一部の製品が医薬品と同様に扱われることがあります。そのため、医薬品を服用する際には水素水の摂取を控えましょう。
医薬品は、水道水や浄水で服用するように指示されているのが一般的です。水素水の特性や成分が医薬品と相互作用する可能性があるため、薬の効果や安全性に影響を与えることがあります。
水筒で保管する
水素水に含まれる分子状水素は非常に小さいものです。気体透過性のあるペットボトルに保存すると時間とともに分子状水素が逃げてしまい、水素水としての効果が失われてしまうことがあります。
水素水を効果的に保存するためには、密閉性の高い保存用の水筒を使用することが重要です。水筒は水素分子が逃げるのを防ぎ、水素水の効果を長期間保てます。特に外出時や運動中に水素水を持ち運ぶ場合は、適切な水筒を選んで使用しましょう。
まとめ
身体に良いといわれている水素水ですが、エビデンスがないためブームが去ってしまいました。しかし、100%効果がないとは言い切れません。ただし、摂取には注意が必要です。摂取量や保管方法に気をつけ、適切に水素水を飲むようにしましょう。
お腹を壊す可能性があることから、過剰摂取は禁物です。また、水素が抜けてしまうため、沸騰させるのはやめましょう。エビデンスはないものの、全く効果がないとは言い切れないため、気になる人は取り入れてみてはいかがでしょうか。
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