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食べ物を思い浮かべる女性

便秘・下痢などに!胃腸&メンタルを強くする食べ方|櫻井大典さん(2)

胃腸が弱りやすいこの時期は、暴飲暴食や脂っこいものを控えて胃腸をいたわらないと、さまざまな不調を招いてしまいます。どんな食べ方を心がければ胃腸が丈夫になるのかを漢方家・櫻井大典さんに聞きました。

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冷たいものを避けて、物理的に胃腸をあたためよう

温かい飲み物を飲む女性

胃痛、胸焼け、便秘、下痢、うつうつ、イライラ、情緒不安定……、胃腸やメンタルが調子を崩すと、さまざまな不調が起こります。食べたものの消化吸収がうまくいかないと、体内の“気血水(きけつすい)”のバランスが崩れてしまうので、別の不調にもつながったりと、負のループに陥ってしまいます。

そこで、こうした不調に悩んでいる人はもちろん、予防にも役立つ、すべての人におすすめの食べ方をご紹介しましょう。

おすすめの食べ方「冷たいものを避ける」

アイスクリームやアイスコーヒーはもちろん、ヨーグルトや生野菜サラダ、スムージーといった健康によさそうなものも要注意! 毎日のように食べていたら、胃腸を弱らせてしまいます。

そもそも冷えるということは、胃腸だけでなく体全体の動きも悪くします。例えば、氷をしばらく握っていたら、その後、手を動かしづらくなりますよね。胃腸も同じです。

私たちの体内の温度(深部体温)は、通常37.5~38度くらいに保たれています。なぜこの温度なのかといえば、消化酵素が働きやすい温度で、また腸内細菌も活発に働ける温度だから。

それなのに、この深部体温より冷たいものを毎日大量に摂り続けていたら、消化酵素や腸内細菌の動きが悪くなり、消化吸収のプロセスがスムーズにいかなくなってしまいます。

冷たいものは絶対に食べてはダメ、とはいいません。でも、コーヒーを飲むならホットで、生野菜サラダではなく加熱した野菜のおかずを選ぶ、冷たいざるそばを食べた後には熱いそば湯やそば茶をいただく、といった工夫を取り入れてみてください。冷やされることで疲れていた胃腸が、日々の温かい食事で元気を取り戻します。

アイスクリームやゼリーを食べたときは、食後に温かいお茶を飲んで胃腸の冷えをリセットするのをお忘れなく。

おすすめの食べ方「汁物を食事の最初に飲む」

豚汁

次におすすめする食べ方は、「汁物を食事の最初に飲む」です。汁物は、胃腸の働きを高めて、食べすぎも防止できます。

日々の食事で胃腸をあたためるには、汁物が強い味方になってくれます。野菜たっぷりの味噌汁やスープをぜひ毎日の食卓に取り入れましょう。体温より温かい汁物を摂れば、それだけで胃が元気に動き出します。

具から汁に染み出た栄養も丸ごと取り入れられるのも、汁物の利点です。実は、生の野菜の細胞壁はかなり硬いので、よく嚙んで食べても野菜の中に含まれる栄養を十分に吸収するのは難しいのです。その点、汁物の具として煮れば細胞壁は柔らかくなり、栄養が溶け出した汁ごと食べられます。また、煮ることでかさが減るので、生の状態よりたくさん食べられます。

さらに体によい効果を得るには、食事の最初に汁物を全部食べてしまいましょう。汁物が先にお腹に入ることで、胃があたたまってエンジンがかかり、正常に働きやすくなります。また、水分と具によって胃の空きスペースが多少埋まるので、その後の食べすぎも防止できます。

食べる順番をちょっと変えるだけで、胃腸をいたわることができるので、試してみて損はないですよ。

揚げ物を食べるときに胃腸を守ってくれる2つの野菜

キャベツと大根

胃腸に負担がかかるのはわかっているけれど、「どうしても揚げ物が食べたい!」という日もありますよね。そんなときに役立つおすすめの食べ方は、「揚げ物は、キャベツや大根と一緒に食べる」です。

外食で揚げ物を注文すると、千切りキャベツや大根おろしが定番のように添えられていますよね。これらは、胃腸の負担を軽くし、胃腸を守ってくれるのです。

キャベツ

キャベツには、キャベジン(ビタミンU)と呼ばれる成分が含まれていて、胃粘膜の新陳代謝を活性化し、胃壁を強くして胃を守ってくれます。中医学的にも、キャベツには胃を健康にする働きがあります。生よりも加熱したほうが有効な成分を吸収しやすい状態になるので、加熱して添えるとベストです。ひと口大に切って、電子レンジで加熱し、かつお節とポン酢をかけるとおいしいですよ。

大根

大根には、ジアスターゼとプロテアーゼという成分が含まれています。ジアスターゼはデンプンを消化する酵素、プロテアーゼはタンパク質の分解を促す酵素です。固形の大根をすりおろすことで細胞壁が壊れ、そこから酵素が出て摂りやすい状態になっているので、揚げ物に大根おろしを合わせるのは、とても理にかなっています。酵素は加熱に弱いので、生のままがいいとされますが、中医学的には、加熱した大根にも消化を促す力はあるので、どちらを選んでもいいでしょう。

胃を守ってくれるキャベツ、消化を促してくれる大根、それぞれ作用が違いますが、どちらも胃腸の強い味方です。揚げ物を食べるときはもちろん、普段の食事でもぜひ一緒に食べてください。胃腸が元気になれば、メンタルも安定し、さまざまな不調も消えていく。その土台となるのは、やっぱり日々の食事なのです。

連載(3)では、中医学の観点から、胃腸と心の健康のために食べてほしいおすすめ食材をご紹介します。

さらに詳しい胃腸のいたわり方は、『胃腸をあたためると心の不調が消える ~心も体も自然と元気になる食事と暮らし~』(Gakken)でご確認いただけます。

『からだにいいこと』8月号では、櫻井大典さん監修の「セルフ漢方的お手当MAP」付録付き。

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