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タイパ・コスパ達人になる一生モノの「冷凍テク」【後編】
タイパ・コスパを叶える、生鮮食品の冷凍保存法をお届けする本記事。後編では、野菜、卵、乳製品・大豆製品の冷凍テクのほかに、生鮮食品以外の食品についてもご紹介します。ぜひお試しください!
目次
冷凍保存で時間もお金も節約
冷凍保存は調理時間を減らして食品ロスも防ぐ、「家事」と「家計」の強い味方です。
鮮度を維持して食品ロスを減らせる
冷凍保存は酸化や微生物の増殖を抑えて、食品の品質を保てるのが最大のメリット。長い期間鮮度を維持しておいしく食べられるので、食品をムダにしません。
火の通りや味の染みが早くなる
一度冷凍すると細胞内の組織が変化。味が染み込みやすく、火の通りも早くなります。調理に時間がかかる煮込み料理も、味を落とさずに調理時間を短縮できます。
下味冷凍で調理時間を短縮
下味をつけて冷凍すると酸化を防ぎやすいうえ、味が染みておいしく仕上がります。焼くだけ、煮るだけ、揚げるだけで1品完成するので、忙しい日のお助けアイテムに!
食品別冷凍保存テク
食材の特徴を生かしておいしく食べる冷凍保存法と、解凍&調理法を身につけて。
【おいしく保存するコツ1】空気を遮断し乾燥を防ぐ
パサつきや霜の付着を防ぐには、ぴっちりラップと保存袋で密閉を。空気を遮断することで食品の酸化も防ぎます。
【おいしく保存するコツ2】開閉時間は短く、庫内の温度をキープ
冷凍庫の開閉時間が長いと庫内の温度が上がり、食品の劣化が進みます。電気代節約のためにも、開閉は速やかに。
野菜の冷凍保存テク
トマト・ミニトマト
冷凍トマトを活用し、年中おいしく(保存期間:3~4週間)
トマトは1cmの角切りにすると、煮込み料理などに使いやすい。ミニトマトは丸ごと保存袋に入れて冷凍を。旬を過ぎてもおいしく食べられます。
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【解凍&タイパ調理法】トマトは凍ったままスープに
沸騰したスープに凍ったトマトを入れて煮込めば、パパッと1品完成。
【解凍&タイパ調理法】ミニトマトは凍ったままマリネに
流水で皮をむき、調味液に漬けてマリネに。冷凍すると味が染みやすい。
きゅうり
塩もみ後に冷凍して食感キープ(保存期間:4~6週間)
水分量が多いきゅうりは、輪切りのスライスにして塩もみした後、水けを絞ってからラップで包んで保存袋で冷凍。シャキシャキ食感を維持できます。
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【解凍&タイパ調理法】冷蔵庫で解凍後、酢の物に
わかめと一緒に甘酢であえて。水分が抜けていて味がよくなじむ。
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なす
両面をしっかり焼いて冷凍(保存期間:3~4週間)
水分量が多いなすは、加熱後に冷凍するのがコツ。1.5cm厚さの輪切りにして油で両面を焼き、冷ましてからラップで包み、保存袋に入れて冷凍しましょう。
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【解凍&タイパ調理法】凍ったままカレーや麻婆なすに
ほかの具材に火が通ったら凍ったなすを加え、調味するだけ。
ブロッコリー
硬めに塩ゆでしてから冷凍(保存期間:4~6週間)
ブロッコリーは、新鮮なうちにサッと塩ゆでしてから冷凍するのが基本です。ゆでたら氷水に取って水けを拭き、ラップ後に保存袋に入れて冷凍を。
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【解凍&タイパ調理法】レンジで解凍後チーズ焼きに
電子レンジで解凍後、チーズをのせてオーブントースターで焼く。
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玉ねぎ
時短であめ色にできる冷凍ワザ(保存期間:4~6週間)
玉ねぎを一度冷凍しておくと水分が抜けて、あめ色玉ねぎがスピーディーに完成します。みじん切りにしたらラップをし、保存袋に入れて冷凍を。
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【解凍&タイパ調理法】凍ったまま炒めてハンバーグに
油を熱し、玉ねぎを炒めたら冷ましてハンバーグの種にする。
きのこ
冷凍するとうまみが溶け出しやすい(保存期間:2~3カ月)
きのこを冷凍すると細胞が壊れ、うまみが出やすくなります。お好みのきのこを食べやすい大きさに切って冷凍を。なめこは、袋のまま保存袋に。
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【解凍&タイパ調理法】きのこミックスは凍ったまま炒め物に
油を熱し、凍ったままのきのこミックスを入れて炒め、お好みの味に。
【解凍&タイパ調理法】なめこは凍ったままみそ汁に
だしに凍ったままのなめこを入れてみそを溶くだけ。食感も変わらない!
卵の冷凍保存テク
用途に応じて冷凍方法を使い分け
卵は解凍後の使い方に合わせて、炒り卵、溶き卵、殻付き卵と冷凍方法を選択。でも、殻付き卵は割れるので、必ずラップで包みましょう。
炒り卵(保存期間:2~3ヵ月)
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【解凍&タイパ調理法】温めて三色弁当に
電子レンジで加熱し、ひき肉そぼろ(前編をご覧ください)と一緒に三色弁当にする。
溶き卵(保存期間:2~3ヵ月)
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【解凍&タイパ調理法】解凍してオムレツに
冷蔵庫で解凍し、味つけをしてフライパンへ。忙しい朝のお助けに。
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殻付き玉子(保存期間:2~3ヵ月)
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【Point】
殻付き卵は割れるので、必ずラップで包みましょう。
【解凍&タイパ調理法】凍ったまま目玉焼きに
流水に当てながら殻をむき、縦半分に切ってフライパンで蒸し焼きに。きれいな形で焼けますよ!
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乳製品・大豆製品の冷凍保存テク
牛乳
保存容器に入れて冷凍(保存期間:6ヵ月~1年)
牛乳を飲み切れないときは、冷凍保存が便利。使いやすい分量が入る保存容器の8分目くらいまで牛乳を入れて冷凍し、解凍後はそのまま飲むことも。
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【解凍&タイパ調理法】解凍してホットケーキに
冷蔵庫で解凍後、よくふってからホットケーキミックスに加える。
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納豆
冷凍保存をしても納豆菌はそのまま!(保存期間:6ヵ月~1年)
納豆はパックのまま保存袋に入れて冷凍庫へ。空気を遮断できて、品質を保てます。納豆菌は冷凍しても休眠するだけで死滅しません。
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【解凍&タイパ調理法】解凍してそのまま食べる
冷蔵庫で解凍。そのまま食べられる。たれやからしも使用OK。
油揚げ
冷凍する前に油抜きするのが鉄則(保存期間:2~3週間)
そのまま冷凍すると冷凍焼けを起こすので、熱湯をかけて油抜きをしてから冷凍保存を。細かく切ってから冷凍すれば、ちょい足しにも便利。
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【解凍&タイパ調理法】凍ったまま焼く
凍ったままの油揚げを焼き網で焼き、食べやすいサイズに切る。
生鮮食品以外で冷凍保存に向く食品
冷凍することで品質とおいしさを保てる食品は、まだまだあります。ぜひ、お試しあれ!
小麦粉・片栗粉
冷凍しても固まりません。品質の劣化やダニの発生を防げるのもメリット。
コーヒー・緑茶
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コーヒーや茶葉の酸化を食い止め、香りと味わいを長くキープできます。
大福・カステラ
和菓子は砂糖を多く使っているため、カチカチに凍りません。解凍後の食感は元通りに。
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撮影/国井美奈子 イラスト/奥川りな
(からだにいいこと2024年8月号より)
[ 監修者 ]