生姜を毎日食べるとどうなる?効能や成分・効果的な食べ方を紹介
生姜は昔から漢方薬に使われてきた生薬です。多彩な効能を期待できることもあり「毎日食べると良い効果を得られるのでは?」と考えている方もいるでしょう。本記事では、生姜に関する効能や成分などを紹介します。
目次
生姜の成分や栄養素
一般的にスーパーなどで販売されている薄茶色の生姜は「根生姜」と呼ばれるものです。新しく育った新生姜を数カ月貯蔵することでつくられます。新生姜と比べると、根生姜は辛味が強いのが特徴です。
また漢方薬などに使われている生姜は、根生姜ではなく「ひね生姜」と呼ばれるものであり、スーパーなどで販売されている生姜とは異なります。
多くの方が食べている根生姜には、下記のような栄養素が含まれています。
ビタミン類 | ビタミンB1,B2,ビタミンC,ナイアシン,葉酸 |
ミネラル類 | カリウム,カルシウム,マグネシウム,リン,鉄,亜鉛,マンガン |
また生姜の辛味成分には、ギンゲロールやジンゲロン、香り成分にはジンギレベンと呼ばれる成分が含まれています。体を温めたり、食欲を増進したりとさまざまな効能を期待できます。
生姜を毎日食べるとどうなる?悪い影響はない?
体に良いイメージの生姜ですが「毎日食べても問題ないの?」と疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。1日の摂取量について詳しく解説していきます。
1日の摂取量が5〜10gであれば問題ない
基本的に1日の摂取量が5〜10g程度であれば問題ありません。スライスされた生姜の場合は、5〜7枚程度が目安です。すりおろされたものの場合は、小さじ1杯程度を目安にしましょう。
過剰摂取すると副作用が生じる可能性がある
5〜10g程度であれば人体に悪い影響を及ぼすことはないでしょう。しかし、過剰に摂取してしまうと、胃腸を荒らす原因になる可能性があります。
特に胃腸が弱っていたり、疾患にかかっていたりする際に多量摂取すると、胸焼けや腹痛、下痢を起こす可能性もあります。そのため、過剰摂取は控え、適量の範囲に留めておきましょう。
生姜を毎日食べるのをやめたほうがいい人もいる
さまざまな嬉しい効能を期待できる生姜ですが、毎日食べるのをやめたほうがいい人もいます。やめたほうがいい人の特徴は、下記の通りです。
- 胃腸が弱い人
- 子どもや妊娠している人
詳しく見ていきましょう。
胃腸が弱い人
生姜は胃腸に刺激を与えるため、胃腸が弱い人は毎日食べるのは控えたほうがよいでしょう。胃腸が弱いと自覚がある人の他にも下記に当てはまる人も同様です。
- 過敏性腸症候群(IBS)
- 急性胃炎
- 慢性胃炎
- 胃潰瘍
- 感染性胃腸炎
また乾燥した生姜は成分が凝縮されているケースがあるため、胃腸の弱い人は注意が必要です。
子どもや妊娠している人
7〜15歳未満の子どもには、生姜の刺激が強いため、多量摂取は控えたほうがよいとされています。もし生姜を摂取する場合は、薄くつくった生姜湯がおすすめです。大人と同様の食事で生姜を食べてしまうと、下痢や腹痛を起こす可能性があるため、注意しましょう。
また生姜が妊娠中の人に与える影響は、決定的なエビデンスがありません。十分な情報がないため、妊娠中に生姜を毎日摂取するのは控えたほうがよいでしょう。
生姜に期待できる効能・効果
生姜には、体を温めたり、健康維持を促進したりとさまざまな効果を期待できます。ここからは、生姜に期待できる効能や効果を紹介します。
血行促進や発汗作用
冷え性は、体が冷えるだけでなく、疲れが取れなかったり、風邪を引きやすかったりとさまざまなトラブルにつながりかねません。生姜に含まれている成分には、血行を促進したり、熱をつくり出したりする効果を期待できます。体を内部から温めてくれるため、冷え性の改善も目指せます。
また血行が促進されることで、発汗が促され、体にこもった余計な熱を逃す効果も期待できるのが特徴です。発汗作用は、生の生姜に期待できる効能です。そのため、発汗作用を得たい場合は、食べ方も意識しましょう。
美肌効果
生姜には、美肌効果を期待できるビタミンCが多く含まれています。他にも、抗酸化作用によって、体内の活性化酵素を除去する働きも期待できます。
ニキビや湿疹などの炎症を抑え、健康的で美しい肌を維持できるのは、女性にとって嬉しい効果といえるでしょう。
抗炎症作用
生姜には「ジンゲロール」と呼ばれる成分が含まれています。ジンゲロールは主に辛味成分であり、炎症作用効果を期待できます。リウマチや神経痛などの痛みを和らげる効果を期待できるのが特徴です。他にも血行不良による肩こりなどの改善も期待できます。
免疫力アップや風邪予防
生姜には、体を温めるだけでなく、新陳代謝の促進や殺菌作用などがあり、免疫力アップや風邪予防を期待できます。特に生姜特有の成分には、白血球の量を増やし、免疫アップにつなげてくれるため、丈夫な体づくりに向いています。
抗アレルギー作用もあるため、花粉症などのアレルギーに悩んでいる方にもおすすめです。
抗酸化作用やアンチエイジング
生姜特有の成分には、活性化酵素を除去する抗酸化作用があります。活性化酵素は、体に必要な物質ではありますが、過剰に増えてしまうと酸化ストレスが生じます。
酸化ストレスは、老化や病気の原因となるため、生姜など活性化酵素を除去する働きがあるものを積極的に摂取しましょう。また生姜が持つ抗酸化作用は、アンチエイジングや生活習慣予防などさまざまな効果をもたらします。
口臭予防
生姜の抗菌作用は、口臭や歯周病予防などデンタルケアとしても注目を集めています。他にも、唾液に含まれている酵素を活性化させ、においの元を分解する働きも持っています。
普段から生姜を食べることで、口臭を予防できるのはもちろん、ニンニクなどにおいの強いものと一緒に食べるのも効果的です。
生姜の栄養を効果的に取る方法
生姜の栄養を効果的に取るには、下記の2点が大切です。
- 煮汁を捨てない
- 加熱をする
生姜に含まれるカリウムは水に溶けやすい性質を持っています。そのため、煮汁を捨ててしまうと栄養を逃してしまうことになります。栄養を効果的に取るためにも塩分を控えめにし、煮汁までいただきましょう。
また生姜は、加熱すると辛味成分のジンゲロールが、より効果の高いショウガオールに変化することがわかっています。ただし、加熱を始めてから60分後と長い時間加熱が必要になります。手間や時間をかけられない方は、加熱加工された商品を利用するのがおすすめです。
体を温める効果で知られているしょうがですが、実は夏の食欲アップにも効果的であることをご存じでしょうか。今回はそんなしょうがを使用した夏のレシピを2つ紹介します。
注意!チューブタイプの生姜はほとんど効能を期待できない
チューブタイプの生姜は、使いたいときにすぐ使えるなど便利さが魅力です。しかし、生の生姜に比べると栄養素や効能などが劣ります。他にも、添加物などが含まれていることもあり、全く効能がないわけではありませんが、ほとんど期待できません。
そのため、しっかりと効能を得たい方は、チューブではなく生の生姜をすりおろしたり、スライスしたりして食べるようにしましょう。
まとめ
生姜は、血行促進や抗炎症作用、免疫力アップなどさまざまな効果を期待できます。さらに1日5〜10g程度であれば、毎日摂取しても問題ありません。多量摂取や子ども、妊娠している人が毎日摂取すると、体調を崩す可能性があるため注意しましょう。
また生姜の栄養素を効果的に取るには、チューブタイプではなく、生の生姜がおすすめです。時間がある際は、料理にひと手間加えて生姜をいただきましょう。