ダイエットや元気な体づくりに注目の「血糖値コントロール」できてますか?
血糖値はダイエットや体調に大きな影響が。でもベジファーストや糖質オフ以外の対策って知ってる? そこで、家で簡単にできる方法を提案する、日本血糖値協会が発足。血糖値コントロールでの健康作り、始めましょう。
目次
食後にだるくなるのは血糖値のしわざ
お昼ごはんを食べた後、だるくてしかたない…。誰しも経験する、あるあるですよね。これに、血糖値が関わっているかもしれないことを知っていましたか?
食べ物が体に入ると、消化後、血液の中を糖が流れ、エネルギー源として細胞に届けられます。この、血液中の糖の濃度を表したのが「血糖値」です。
たくさん糖分を摂ると血糖値が上がり、それに応えるようにインスリンというホルモンが体から出て、血糖値を下げてくれます。
特に、食後、急激に血糖値が上がるとインスリンが過剰に出るので、今度は急激に血糖値が下がります。この血糖値のジェットコースター状態のことを「血糖値スパイク」といい、この血糖値・インスリンの乱高下がだるさの原因ではないかと言われています。
血糖値スパイクの影響のひとつが、食後の強いだるさ。さらに、太りやすい体や頭痛体質になったり、糖尿病、心臓病や認知症につながったりと、さまざまな形で健康を損なう元凶になるのです。
血糖値とのつきあい方を広める「日本血糖値協会」がスタ-ト
こうした血糖値の問題を改善するために設立されたのが「日本血糖値協会」。10月8日に開催された設立記念パーティでは、100名を超える参加者が集まり、注目の高さを伺わせました。
協会の会長である、糖尿病専門医の木屋 舞さん(33歳)は、順天堂大学の特任研究員でもある、血糖値のエキスパート。
おいしいものを食べるのが大好きで、食事を楽しみながら健康を保ち、病気を防ぐ方法を日本中の人に伝えたいという夢をかかげて活動を続け「その1歩として、協会を設立しました」と熱く語ります。
設立に関わっているのは、予防医療の専門家たち。応援で駆けつけていたのは、医療従事者から低糖質のパン屋さんまでさまざま。いろいろな立場から、血糖値コントロールの重要性を広めていこうという思いが結集した設立パーティでした。
やせている女性に増えている糖尿病予備軍
協会を立ち上げた木屋さんに、話を伺いました。
「糖尿病の治療の現場で、患者さんたちが食事制限をつらそうに頑張られているのを目の当たりにし、私自身『ドクターがいう理想的な生活習慣をつづけるのはとってもむずかしい』と感じました。そして、食事を最大限に楽しんでもらいながら、治療を続けてほしいと思ったんです」
研究を続ける中で驚いたのが、実は、若くやせている女性に、糖尿病予備軍が多いということでした。
「糖尿病といえば、食べすぎて太っているというイメージをもたれがちですが、日本人は太っていないのに糖尿病の人が多いんです」。その理由は、欧米人とは違う日本人の体質です。
日本人は血糖値が高くなりやすい体質
一般的に、食べすぎて増えた血液中の糖質や脂質は脂肪にかたちを変えて体にたまっていきます。しかし、私たち日本人を含む東アジア人は、欧米人と比べて脂肪をためる能力が低いことが知られています。
実際、欧米人に比べて超肥満タイプの日本人は少ないですよね。
実は、研究の結果、そんなやせ型の若い日本人女性は、8人に1人が血糖値スパイクを起こしていることがわかったのです。これは、アメリカで肥満タイプの女性と同じくらいの発生率なのだとか。
自分は太っていないから、糖尿病なんて関係ない、と思っていても、実は肥満の人と同じくらいの糖尿病予備軍がいるというのです!
血糖値スパイクの症状をチェック
もうひとつ、問題なのが検診での血液検査の数字です。
「検診のときは前夜から食事を抜いて血液検査をしますよね。これが『空腹時血糖値』です。しかし、血糖値スパイクが出るのは、食後です。検診の結果、血糖値に問題がなかったとしても、食後は血糖値が急上昇しているかもしれません」と木屋さん。
ちなみに、血糖値スパイクが起っていると、こんな症状の出やすいというからチェックしてみて。
□疲れやすい
□寝床に入っても寝つけないなど、睡眠に問題がある
□食後にだるくなったり、パフォーマンスが低下する
□食後に頭痛がする
□食べてさほど時間がたっていないのに空腹を感じる
あなたの血糖値はだいじょうぶ?
そこで、木屋さんが中心となって開発したのが、血糖値を24時間測定した結果から、隠れた血糖値スパイクを見つけたり、専門的な改善法を教えてもらえる健康な方向けのシステムです。
直径3cmほどの測定機器「フリースタイルリブレ」を腕につけて、2週間、24時間の血糖値をチェックします。つけたままお風呂も入れるし、スポーツもOK。測った数値はアプリと連動して、スマホで見ることができます。
この数値を元に「血糖値スパイクコア解析プラン」では、2週間のスコアの解析結果をわかりやすく点数化。専門家によるアドバイスが受けられます。
「食事パーソナルケアプラン」では管理栄養士などのアドバイザーから、毎日の食事の改善指導のプログラムも。
「糖尿病になる人は自己管理能力がないためで、恥ずかしい病気というイメージがありますが、実は日本人の体質だったり、遺伝の要素も大きい。誰しもなる可能性があり、実際、すでに予備軍かもしれません」と木屋さん。
「アメリカでは、血糖値を測るリブレを腕につけて、みんな堂々としています。日本でも、健康への意識の高さを示すものとして、つけていることがむしろかっこいいと思われるようになってほしいですね」
そう語る木屋さんは、ノースリーブでリブレを装着して、日々、血糖値コントロールを実践中。
健康で美しい体づくりに、ぜひ役立ててみてください。