安らぎホルモン・オキシトシン増「セルフハグ睡眠」でグッスリ&寝てる間ヤセ
眠いのになかなか寝つけなかったり、眠りが浅くて疲れがとれないとき、「セルフハグ睡眠」を試してみてください。快眠のポイントは、寝室の環境と寝る前のセルフハグ。快眠だけでなくヤセ体質になるとか!?
目次
寝る前のセルフハグで食欲を押さえてヤセ体質
「成長ホルモンの分泌を促すような深い眠りを得るためには、眠る直前に心を休ませることが重要です」というのは、身体心理学者の山口創さん。
寝る前は、ストレスを軽減させ、安心感を得ることが大切なのだそう。そのために有効なのが、ハグや握手などの軽いスキンシップ。
「皮膚を軽くタッチすると、“安らぎのホルモン”とされるオキシトシンが分泌されます。人間やペットとふれ合うことができなくても、自分で自分を抱きしめる“セルフハグ”で十分にオキシトシンは分泌されます」
オキシトシンは、自律神経を整え入眠に誘うだけでなく、心を安定させるセロトニンの分泌を促す作用も。さらに食欲抑制効果もあり、「毎日セルフハグをしていれば、自然とヤセ体質に」と山口さんは言います。
「オキシトシンは、五感で快楽を感じると分泌されやすくなります。証明を暗くしたり、心が安らぐ音を聞いたり、アロマを焚くなど、できる範囲で寝室の環境を整えてみて」
「セルフハグ睡眠」のやり方
寝室の照明を消し、布団に入って目を閉じる。腕を胸の前でクロスさせ、手を肩に当てる。肩から5cm離れたところから、ゆっくり肩をタッピング(優しく指先で触れる)。心が落ち着くまで左右交互に繰り返す。眠りやすい体勢になりそのまま就寝する。
1 左肩に右手を当て、軽く1回たたく
2 右肩に左手を当て、軽く1回たたく
1~2を繰り返す。
寝室は心地よさを追求して
いい香りで寝室を満たす
睡眠の質を上げるには、香りも重要。副交感神経を優位にしてくれるラベンダーがおすすめです。
川のせせらぎの音を流す
川のせせらぎなど、自然の音は脳をリラックスさせる効果が。動画サイトで「せせらぎ」と検索してみて。
【オキシトシンのひみつ1】セルフハグは生物の本能?
自分で自分の体を抱くという行為はアカゲザルなどの霊長類も行います。本能的にオキシトシンの分泌を促す術を知っているのだと、山口さんは言います。
「育児放棄など何らかの理由で隔離飼育された子ザルは、母親から愛情を受けられないことを察知すると、自分で自分の体を抱きしめたり、軽くたたいたりします。ネズミなども強いストレスがあると、隅の方にうずくまります。セルフハグをしてオキシトシンの分泌を促すことは、哺乳類の本能なのだと思います」
【オキシトシンのひみつ2】自然と低カロリーのメニューを好むように
ハーバード大学が25人の肥満男性を対象に行った実験で、オキシトシンには食欲抑制効果があることが判明。オキシトシン含有の点鼻薬を投与したグループ、偽薬を投与したグループに分かれて自由に食事をさせたところ、「投与したグループの方が平均122kcal低いメニューを選んで食べる」という結果に。毎日セルフハグをしてオキシトシンを分泌させていれば、ストレスで暴飲暴食をすることも減り、ヤセ体質への改善につながります。
「セルフハグ睡眠」で、快眠とヤセ体質を手に入れてください。
モデル/中世古麻衣
(からだにいいこと2019年10月号より)