布団は干す意味がないって本当?正しい干し方について詳しく解説
布団は干す意味がないと聞いたことはありませんか? 本記事では、「布団は干す意味がない」といわれている理由を紹介します。気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
「布団は干す意味がない」といわれている理由
布団を干さずに放置していると、ダニが湧いたり臭いが気になったりすることから、定期的に干している方が多いのではないでしょうか。しかし、ネットなどで「布団は干す意味がない」といった意見を目にし、悩んでいる方もいるでしょう。
布団は干す意味がないといわれている理由として、天日干しと布団叩きの組み合わせは効果がないとされています。ダニを死滅させるには、60℃なら一瞬、50℃では20分以上かかります。そのため、天日干し程度の温度ではダニを死滅させることはできません。
天日干しが全く効果がないかといわれればそうではなく、布団を乾燥させる点ではダニが繁殖しづらい環境をつくることができます。
ただし、布団叩きはやらないほうがよいでしょう。理由としては、効果がないどころか、布団を叩くことでダニの死骸や糞が粉砕されてしまうためです。
ダニを死滅させるには、加熱と掃除機で吸い込むのが効果的です。
布団を干さないといけない理由
布団を干すのは、ダニを死滅させる効果は期待できません。しかし、布団を干さないといけない理由として、下記が挙げられます。
- カビの繁殖を防ぐ
- ダニの繁殖を防ぐ
- 臭いの原因をなくす
- 寝心地が向上する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
カビの繁殖を防ぐ
天気の良い日に布団を干して乾燥させると、カビの繁殖を防ぐことができます。
人間は季節にかかわらず寝ている間に大量の汗をかきます。一晩でコップ1杯分の汗をかくとされており、起床時に実感していないだけで、布団はたくさんの水分を吸っています。
汗が染みた布団を放置していると、湿気や雑菌によってカビが繁殖しやすくなるでしょう。天日干しなどで除湿することで、カビが繁殖しづらい環境をつくれます。毎日干せなくても、掛け布団を端に寄せるなどして、乾燥させるように意識してみましょう。
ダニの繁殖を防ぐ
ダニの繁殖を防ぐのも布団を干す理由のひとつです。
ダニが好む環境の条件は、25℃前後かつ65%以上の高い温度と湿度です。高温多湿な環境を好むため、汗や汚れが染み付いた布団を放置していると、ダニが繁殖しやすくなります。
そのため、布団を干して乾燥させることで、ダニの繁殖を防げます。特に夏は、高温多湿になり、ダニが繁殖しやすくなるため、定期的に干すように心がけましょう。
ただし、すでに生息しているダニには効果を期待できません。すでに生息しているダニには、60℃前後の熱を加え、掃除機などで吸引するのが効果的です。
臭いの原因をなくす
汗や汚れが染み付いた布団は、嫌な臭いが発生します。これらの嫌な臭いは、干して乾燥させることでとれます。定期的に干して除湿しておけば、臭いの発生を防ぐこともできるでしょう。
梅雨など布団を干せない日が続く場合は、布団用の消臭剤を活用したり、コインランドリーなどで乾燥にかけたりすると効果的です。他にも、布団乾燥機で湿気を飛ばすのも手軽にできるため、おすすめです。
寝心地が向上する
布団を干すことで、寝心地が向上します。湿気などを布団の繊維が吸い込むと、その分布団が重くなり、縮んでしまいます。布団を干して除湿すると、繊維が軽くなり、ふっくらとした布団に戻るでしょう。さらに布団自体も軽くなるため、寝心地の向上を期待できます。
また、カビや臭いなどのトラブルが改善されることで、布団の清潔さが保たれ、より快適に睡眠できます。快適な睡眠を取るためには、生活習慣以外に寝具を整えることにも意識を向けてみましょう。
布団の干し方の種類
布団の干し方には、天日干し以外にも部屋干しや布団乾燥機の使用などがあります。天日干しが主流ですが、花粉症などのアレルギーを持っている場合、抵抗があるといった方も少なくありません。それぞれの干し方について詳しく知っておきましょう。
天日干し
天日干しは、最も主流な布団の干し方であり、日光を利用して湿気を飛ばします。日差しが強い時期は、1時間干すだけでふっくらと仕上がり、費用がかからない点がメリットです。
他にも、紫外線の殺菌効果によって、嫌な臭いを抑えられたり、太陽の良い香りになったりするのも特徴です。
しかし、天日干しは、花粉やPM2.5などが付着する点がデメリットです。特に花粉症の方は、布団を天日干ししてしまうと、アレルギー症状が悪化してしまう恐れもあります。
花粉症などのアレルギーを持っている方は、時期に合わせて部屋干しや布団乾燥機などを活用しましょう。
部屋干し
部屋干しは、名前の通り、部屋の中で布団を干す方法です。天気が悪かったり、花粉が飛んでいたりしても1年中干せるのがメリットです。
部屋干しをする際は、ガラス越しでも日光が当たる場所で干しましょう。ガラスを挟んでいても、日光によって除湿や臭い飛ばしなどの効果を期待できます。
ただし、日当たりが悪かったり、湿気が多かったりすると、思うような効果を期待できない可能性があります。そういった場合は、エアコンの除湿をかけたり、サーキュレーターを回したりなどして、できるだけ湿気をなくすよう対策してみてください。
布団乾燥機で乾かす
布団乾燥機を利用すれば、天気や湿度などに左右されないのがメリットです。日光に当てるよりも、布団の温度を高くできるため、ダニ対策にも効果的です。一般的な布団乾燥機は、50℃以上の熱風を送り込めるため、最短1時間程度でダニを死滅させられます。
デメリットとして、布団乾燥機は8,000円〜15,000円程度の費用がかかります。布団を乾燥させる以外に用途がないため、そこまでの金額を出せない方もいるでしょう。さらに、生物由来の繊維を用いた布団には使えないケースもあるため、注意が必要です。
布団を干すのにおすすめの頻度とタイミング
布団を干すのにおすすめの頻度とタイミングは、夏と冬で異なります。特に冬は、日が落ちるのが早い上に、湿ってしまう可能性もあるため、適切なタイミングで干すことが大切です。
ここからは、布団を干すおすすめの頻度とタイミングについて紹介します。
夏に布団を干す場合
夏は、日差しが強いため、長時間干す必要はありません。おすすめなのは、午前中に1〜2時間干すことです。午前中は紫外線が強すぎないため、布団を干すのにベストです。
「長時間紫外線に当てたほうが湿気がとれるのでは?」とイメージする方も多いかもしれませんが、長時間干すのはおすすめできません。長時間日光に当てると、布団が傷んでしまうため、夏は短時間で済ませましょう。
冬に布団を干す場合
冬に布団を干す場合は、昼頃を目安に干すのがおすすめです。午前中は空気中の湿気を吸ってしまい、かえって逆効果になる可能性があるため、早い時間帯から干すのは避けましょう。
仕事をしている方は、昼頃に干すのが難しいかもしれませんが、できるだけ日差しが強い時間を意識するのがおすすめです。他にも、雨が降った次の日は湿気が多いため、避けるのが無難です。
おすすめの頻度
布団を干す頻度は、素材によって異なります。
ポリエステルや羊毛は、掛け布団は2週間に1回、敷布団は1週間に1回が目安です。木綿の場合は、掛け布団は2週間に1回、敷布団は週1回程度がおすすめです。
一方で羽毛や真綿の掛け布団は、半月〜1ヵ月と頻繁に干す必要はありません。敷布団に関しては、1ヵ月に1回程度で十分です。素材に合わせて適切な頻度で干すよう心がけましょう。
布団の干し方ポイント
せっかく布団を干すなら正しい方法で干したいですよね。布団の干し方のポイントを1つずつ詳しく解説していきます。
両面に日光を当てる
布団を干す際は、両面干ししましょう。片面を干すだけでは、中まで除湿されません。そのため、干している途中で裏表をひっくり返して、日光を当てるようにするのがポイントです。
部屋干しをする際も同様に、両面に日光や風が当たるよう、効率的に干しましょう。目安として、夏であれば片面1時間程度、冬は1時間半程度が目安ですが、肌に触れる面を長めに日光に当てて干すとより効果的です。
布団干し袋を利用する
天日干しをする際は、布団干し袋を利用してみましょう。布団干し袋とは、布団全体を覆えるカバーのことで、紫外線による布団の退色を防げます。さらに、布団に花粉やPM2.5などが直接付着するのを避けられるのもポイントです。
布団干し袋を持っていない場合は、シーツで代用することも可能です。ただし、物によってはシーツの色や汚れが付着する可能性があるため、その点に留意して利用しましょう。
クリーナーや掃除機をかける
天日干しの後、取り込んでそのままベッドや寝室に戻している方も多いのではないでしょうか。布団を取り込んだ後は、クリーナーや掃除機をかけて、布団に付着した花粉やPM2.5などの汚れを取り除きましょう。
クリーナーを使うことで、布団の内部にたまっているダニの死骸や糞を排除できます。布団表面をゆっくりと動かすよう意識しましょう。
布団を干す際の注意点
日常的に行っている布団の干し方が、かえって逆効果になっている可能性もあります。布団を干す際の注意点は、下記の通りです。
- 朝から夕方など長時間干すと逆効果になる可能性がある
- 叩くとダニの死骸が細かくなってしまう
- 日光の熱が冷めるまで広げておく
- 梅雨などに部屋干しする場合は風通しを良くする
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
朝から夕方など長時間干すと逆効果になる可能性がある
布団を長時間干すのは、NGです。長時間干すと、日光に当たりすぎて布団が傷んだり、湿気を吸ってかえって逆効果になったりする可能性があるためです。
平日など時間がない日に干すのは控え、時間のある休日に干しましょう。
叩くとダニの死骸が細かくなってしまう
従来は、布団を干した後は叩くのが一般的でした。しかし近年は、ダニの死骸が細かくなったり、生地が傷んだりすることから、叩かないほうがよいとされています。
ダニの死骸が細かくなることで、アレルギーを起こしやすくなるリスクもあるため、表面をなでるようにして汚れを取るだけで十分です。
日光の熱が冷めるまで広げておく
布団を取り込んだ後は、日光の熱が冷めるまで広げておきましょう。天日干し後の布団は熱を含んでおり、そのまま収納すると結露が生じてしまう可能性があります。そのため、熱が冷めるまで広げ、冷めた後に畳んでしまいましょう。
梅雨などに部屋干しする場合は風通しを良くする
梅雨など湿気が多い時期に部屋干しをする場合は、できるだけ風通しを良くしましょう。物干し竿やスタンドを立て、サーキュレーターなどの風が全体に当たるよう工夫するのがおすすめです。
もし布団をかけるスペースがない場合は、肌に触れる面を表にして広げ、サーキュレーターやエアコンの風を当てると乾燥させることができます。
まとめ
「布団は干す意味がない」といわれているのは、天日干しと布団叩きではダニを死滅させることができないためです。しかし、ダニやカビが繁殖しづらい環境にしたり、嫌な臭いを軽減したりするには効果的です。睡眠の質が向上するなど多くの効果を期待できます。
また布団を干す際は、季節や素材によって頻度や時間帯が異なります。本記事で紹介した内容を踏まえ、正しい方法で布団を干してみてください。