カサつき、爪問題、痛み、すべて改善!「足のトラブル」大百科【後編】
全体重を支える足は、加齢のサインが出やすい場所。後編でご紹介する、冷え・むくみや足の形のトラブル対策は、血流の改善とストレッチがカギになります。靴選びのポイントもおさえて、足の健康を守りましょう。
目次
冷えやむくみ、扁平足(へんぺいそく)など血流改善で一挙に解決!
足の冷えやむくみ、だるさといった悩みの原因が下肢の血流障害です。
「脚の静脈は、血液を下から上へと送ります。ふくらはぎの筋肉と、静脈内の『弁』とがこの働きを持ちますが、弁は妊娠による血流増加の影響などで壊れやすいもの。さらに、扁平足になるとふくらはぎの筋肉が張り、ポンプ機能が落ちて血液は足に停滞。老廃物がたまるうえに、温かく新鮮な血液も巡らなくなります」と、血管外科医の長﨑和仁さん。
ふくらはぎをよく動かし、筋肉が持つポンプ作用を最大限に活用するのが対策のカギとなります。
「足とふくらはぎをつなぐ『アキレス腱』を伸ばしてほぐせば、筋肉が静脈血を押し上げる働きが復活。冷えやむくみから扁平足まで、すっきり解決できますよ」
トラブルの原因を調べる「足の見えるか検診」
久道さんと長﨑さんが所属する下北沢病院では、足を徹底的に調べる「足の見えるか検診」を実施。トラブルの原因や対処法を知ることができます。
血流のトラブル(冷え、むくみなど)
足先や下肢(かし)の悩みの大半は、脚の血液が上へとうまく戻れなくなって生じます。悩み別に対策しましょう。
アラフォー世代からは脚の血流ケアが必要
脚の静脈血は下から上に流れます。下肢の静脈には逆流を防ぐ「弁」が、筋肉にはこの流れを助けるポンプ作用がありますが、両方とも年齢とともに劣化。40歳前後からは、血流をケアすることで多くのトラブルを防げます。
血流障害のサイン
- 足先の冷え
- 脚が重だるい、むくむ
- 脚がよくつる
- 足の肌が荒れる
- 足のシミ、黒ずみ
- 虫刺されが治らない
- かゆみ
足がつる
ふくらはぎをもんで予防
夜寝ている間に足がつるのは、日中の筋肉の張りが影響しています。普段から軽くふくらはぎをもみほぐす習慣を。
むくみ・冷え
寝るときは足を少しだけ上げる
就寝時は布団の下に座布団などを入れ、足をほんの少しだけ上げて。たまった血液が上半身へと巡るようになり、冷えやむくみが改善。
冷え
5本指よりも普通の靴下がおすすめ
冷え取りの観点からおすすめなのは、実は5本指靴下よりも普通の靴下。指同士がこすれることで熱が生まれ、冷えた指先が温まりやすいのです。
むくみ
弾性ストッキングは歩くときに着用
むくみ対策用の弾性ストッキングは、夜より、日中にはいて歩くことで効果を発揮。むくみがつらいときは市販のアイテムを試してみて。
足の形のトラブル
年齢を重ねると、徐々に足のサイズや形は変わっていくもの。「何かヘン?」と思ったら、見直しのサインです。
扁平足(へんぺいそく)
加齢とともにアーチはつぶれる
「土踏まず」のアーチが崩れた状態の足が、扁平足。加齢による筋力の低下が原因で起こり、痛みや足の疲れなどを引き起こします。
変形を防ぐ「アキレス腱伸ばし」
ふくらはぎとかかとをつなぐ「アキレス腱」が柔軟になれば、足のアーチへの負荷が減ります。血流も向上するので、冷え改善にも。
壁に手をついて足首を伸ばす
両手を壁について立ち、左足を1歩下げる。壁に体重をかけて右ひざを曲げたら、アキレス腱に伸びを感じながら30秒キープ。反対側も同様に、左右5回ずつ行う。
外反母趾(がいはんぼし)
重症化すると歩行への影響大
足の親指が外側に曲がり、付け根が内側に出っ張るのが外反母趾。痛むだけではなく、親指の力が落ち、歩行に支障をきたすことも。
足指ジャンケンで重症化を予防
変形が軽度なら、足指のストレッチで進行を防げます。手で足指を広げるほか、足指でグーチョキパーを何度か繰り返してみて。
トラブル激減! 正しい靴の選び方
靴が「だんだん足になじむようになる」ことはありません。最初から合う靴を選ぶためのポイントを紹介します。
ヒール
安定性ではブーツがベスト
もっとも安定するのは、足首と甲を固定できるブーツ。パンプスを買うなら、ストラップ付きを選ぶのがベターです。
- ウェッジソールで衝撃を吸収
- ヒールは太めで4cmまでに
スニーカー
試着に加えて曲がり方も確認を
サイズ感に加え、靴底の硬さや曲がり方もポイント。試着時は必ず店内を歩き、体重をかけてみて。
- つま先は1.5cm余裕をもたせる
- 足指の付け根でしっかり曲がる
- 靴底は硬いものがおすすめ
- かかとがしっかりしている
イラスト/のがみもゆこ 協力/下北沢病院
(からだにいいこと2024年12月号より)
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