「いいにごり酢の日」制定記念セミナーで酢酸菌の魅力を体感!
11月25日は「いいにごり酢の日」。お酢は透明なイメージがありますが、発酵食品のお酢は自然な状態では“にごり”があるもの。にごりの正体である「酢酸菌」の驚くべき健康パワーに迫ります!
未来の食文化となる願いを込めて記念日を制定
お酢づくりに欠かせない酢酸菌ですが、実はよく見る透明なお酢には酢酸菌は含まれていません。
一方、江戸時代のお酢は酢酸菌が含まれた“にごり酢”でした。
最近の研究で、酢酸菌にはさまざまな健康効果があることがわかってきています。そこで、酢酸菌の価値や取り入れ方を発信するために複数の企業が集まって設立した団体「酢酸菌ライフ」が、11月25日を「いいにごり酢の日」に制定。
それを記念して行われたセミナーに行ってきました!
まずは、酢酸菌ライフに参画するキユーピー株式会社の奥山洋平さんと、お酢製造に300年以上の歴史を持つ株式会社庄分酢の高橋清太朗さんが登壇。
マヨネーズにお酢は欠かせないことからキユーピーと酢酸菌とのつながりも深いこと、江戸時代にさかのぼる庄分酢の酢づくりの歴史などが語られました。 また、これまでにごり酢を共同開発してきた経緯にも触れ、「未来の食文化になることを目指して記念日を制定した」と話しました。
にごり酢は令和によみがえった江戸グルメ
次に登壇したのは江戸料理文化研究家で時代小説家の車浮代(くるまうきよ)さん。
江戸時代、1657年に起きた明暦の大火をきっかけに食事が1日2食から3食になり、そこから食文化も一気に花開いていったそうです。
理由としては、火事の復興のために工事現場が出現し、そのまわりに食べ物の屋台ができてメニューをあれこれ選べるようになったこと。肉体労働をするには2食ではもたなかったこと。さらには、照明油の値段が下がり夜遅くまで起きていられるようになったことで、3食食べる習慣が定着したのだとか。
その中でお酢文化も徐々に広がります。当時のお酢の製法は酢酸菌にごり酢と似たものでしたが、日本酒と同じく“澄んだものが高級”という発想が生まれ、一部には透明なお酢も出回ったと言います。
ちなみに当時のお酢グルメの代表は酢漬け、なます、ぬた。今でもおなじみのメニューはこのころからあったそうです。
江戸時代後期にはお酢は大衆化。当時の握り寿司にもにごり酢が使われていました。「にごり酢は、いわば江戸グルメが令和に復活していると言えますね」(車さん)
酢酸菌で風邪や花粉症、疲れ、だるさまでケア!
酢酸菌の健康効果について解説したのは、イシハラクリニック副院長の石原新菜さん。
酢酸菌は(1)風邪、(2)花粉症、(3)疲労、(4)倦怠感という、まさにこれからのシーズンに気になる4大トラブルをケアするというから驚き!
酢酸菌を摂ると免疫の司令塔が活性化し、それによって全身の免疫細胞が活性化するのだとか。また、鼻水・咳といった感染症の症状や、花粉症による鼻づまりの症状も抑制。さらに他の発酵菌と掛け合わせることで免疫パワーの相乗効果が得られることもわかっています。
排便回数や量が増えるというデータもあり、“摂らない手はない”発酵菌ということがわかります。
石原さんからは「新しい健康法に飛び付いて、すぐに飽きてしまっては元も子もない。無理なく続く健康法として、日本の伝統食のいいところを取り入れるのはおすすめ」との発言がありました。
やさしく奥深い味わい。絶品にごり酢料理
会場では、にごり酢を使った特別メニューも登場。
にごり酢を愛する料理家・発酵マイスターの榎本美沙さんがメニューを解説し、セミナーのポイントであった免疫や腸活の効果をおさらいしました。
どの料理もやさしい味付けながら、うま味がしっかり感じられて美味! お酢のツーンとくる刺激はほぼなく、まろやかさとほのかな甘みが感じられました。
編集部が特においしい! と感激したのはにぎり寿司。にごり酢と少しの塩味だけで十分おいしくいただけました。家庭ではちらし寿司やいなり寿司を作ってもよさそうです。
にごり酢を購入したい場合は、まずお酢のコーナーをチェックしてみてください。一般的なスーパーではまだ取り扱いが少ないため、ネット通販で探すのもおすすめです。おいしく取り入れて健康を守れるにごり酢。これからも要注目です!