加速する薄毛・うねりを何とかしたい!|編集長の美髪への道
からだにいいことWeb編集長の古郡(ふるこおり)が、40代からのヘアケアについてプロに聞く連載。今回は、分け目の薄さや年とともに強くなるうねりやクセについて相談しました。果たして対策は?
目次
薄毛の猫毛でクセ強め。扱いづらい髪質です
話せばキリがないほど髪悩みが多い古郡ですが、最大の心配事は「薄毛」です。
若いころから細くコシのない猫毛でしたが、まだ思い悩むほどではありませんでした。それが30代半ばを過ぎたころから「おや? こんなに分け目が目立っていたかしら?」と感じることが増え、頭頂部だけでなく髪全体が年々薄く、頼りなくなってきています。
それと同時にうねりやクセも強くなり、猫毛・薄毛のくせに強めのうねりがあってまとまりづらい、という難儀な髪質になってきました。
これ以上薄くならない方法はないのか? 薄毛でクセまで強くなったらお手上げ! というわけで、本連載監修の辻敦哉さんに、すがる思いであれこれ聞いてみました。
「絶対ハゲる」から「髪は生えてくる」への変化
古郡 前回、辻さんから「白髪が黒髪に戻らないことはない」という心強い言葉をいただきましたが、今回ご相談したいのは「薄毛」と「うねり」です。私自身、一番悩みが深いのが薄毛でして、しかも猫毛なので本当に頼りない髪で。
辻 僕も猫毛なので気持ちはわかりますよ。今はパーマをかけていますけど、何もしなければかなり柔らかいコシのない髪質です。
古郡 えっ、そうは見えないです。さすが髪のプロ。
辻 うちは母方の親戚がみんな猫毛なんですよ。そのうえ髪や頭皮のトラブルがある人が多かったから、若いころは「自分も将来、ああなるんだ」と恐怖にかられていました。
古郡 それが今や人の髪悩みを解決する立場に。
辻 そうですね。髪や体のことを勉強していくうちに、薄毛とか脱毛といった、いわば“何かおかしな状態”には必ず原因があるとわかってきました。その原因を探って対策を取れば、高い確率で髪は生えてくると確信できるようになったんです。
古郡 「白髪は黒髪に戻る」に続いて「髪は生えてくる」。その言葉にすがりたいです。
40代からの薄毛の原因は血流にあり
辻 とは言え、今のは病的な脱毛症に当てはまる話で、古郡さんの場合はそれほどではないですよ。
古郡 そうですか? ちょっとホッとしました。ただ、客観的に見ると頭頂部なんか本当に薄くて。最近は写真を撮る機会があると、顔の写りより頭皮が透けていないかをチェックしてしまいます。
辻 とある調査で“成人女性の40%は薄毛が気になっている”というデータを見たことがあるので、悩んでいる人は想像以上に多いんですよね。女性の場合、40代以降の薄毛の原因としては、女性ホルモンの低下が大きいです。
古郡 女性ホルモンの話は連載初回でも伺いましたが、やはりそれが一番影響するんですね。
辻 はい。それは避けられない現実ですね。あとは血流の悪化も薄毛につながります。
古郡 前回「髪や頭皮に血流は大事」ということで、手足のグーパーを教えていただきました。
辻 そうですね。前回の話をもう少し詳しくしますと、頭皮のすぐ下、わずか米粒1粒分くらい下のところに毛根があり、そこに毛細血管が走っています。この毛細血管が髪に栄養を運んでいるんですが、何せ体の中心から遠いので、すぐに消えてしまうんですよ。「ゴースト血管」と言ったりしますが。
古郡 ゴースト血管、聞いたことがあります。血流が悪くなると毛細血管に血が流れなくなって、やがて血管自体が消えてしまうというものですよね。
辻 その通りです。大動脈のような大きい太い血管は、例えるなら幹線道路や高速道路。車=血液がたくさん、ビュンビュン通ります。そこから血管が枝分かれしてだんだん道が細くなっていくと、血液の流れが滞って末端までたどり着けないケースが出てきます。
古郡 そうすると髪や頭皮に血流が行きわたらなくなるんですね。
辻 はい。頭はもみあげから上の部分はほぼ毛細血管で、その最たる部分が頭頂部。だから、てっぺんが一番血流が滞りやすく薄毛になりやすいんです。血液は栄養を運び老廃物を回収するので、それが途絶えてしまうと当然頭皮や髪の状態は悪くなる。パターンこそ分かれますが、白髪が頭頂部から増えてくる方は同じ理由です。
傷んで重みを失ったら、髪はうねる
辻 うねりにも血流が大きく関わっています。
古郡 クセ毛って、毛穴がゆがんでいるからうねって生えてくる…みたいな話を聞いたことがあるんですが、そうではないのでしょうか?
辻 天然パーマの人は別ですが、40代から増えてくるうねりに関しては、ホルモンバランスの変化と髪の栄養不足が主な原因です。健康な髪はある程度の重みがあるのでストンとストレートに落ちていきますが、傷んでスカスカになった髪は浮いてきちゃう。それでうねるんです。
古郡 それは初耳でした。「若いころはストレートだったのに、年とともにうねってきた」という声はよく聞きますが、そういう理由だったとは。
辻 薄毛もうねりも血流悪化が原因で起こります。でもね、女性ホルモンの減少は仕方がないことですが、血流に関してはケアできるんですよ。
古郡 たしかに。女性ホルモンは減っても、血流を促進して髪に栄養を与えることはできますね。
辻 はい。だから血流アップを意識することはすごく大事です。僕は最近、美や健康のすべては毛細血管にあるんじゃないかと思うくらい、自分のなかで毛細血管ブームがきていますよ。
育毛のほとんどは血流が命
古郡 消えかけている毛細血管を復活させることが薄毛やうねりの解消には大切だということがわかりました。というか、白髪やダメージヘアなど髪悩みのほぼすべてに血流が関係していると言ってもいいですよね。
辻 本当にその通りで、育毛の95%くらいは血流にかかっていると思います。最後の枝分かれの部分で“白髪にはアントシアニン”など悩み別の対策がありますが、根っこは血流です。ぜひ前回もお伝えした手足のグーパーなどで血流促進してください。あと、ふくらはぎを動かすのもいいですよ。
古郡 ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれますね。
辻 「第2の心臓」のわけは、心臓から遠いところまで流れていった血液を、ふくらはぎのポンプ機能でまた心臓へと押し戻すから。ふくらはぎのポンプがしっかり働けば全身の血流が良くなります。こんなふうにかかとを少し浮かせた状態で軽くスクワットをすると、ふくらはぎを刺激できますよ。10〜15回くらいを目安にやってみてください。
薄毛をふんわりさせる乾かし方
古郡 血流アップを意識した生活を送って髪質改善を目指したいと思います。それはそれとして、今すぐちょっとでも薄毛を目立たなくする方法はないものでしょうか。
辻 古郡さんみたいな細くてコシのない髪質の人は、髪を洗ってドライヤーを当てるときに、ブラシを通しながら乾かすとふんわりしますよ。
古郡 いつもは普通に手でバサバサやって乾かしていました。
辻 ベリーショートの人って髪の毛がチクチク立っていますよね。本来、髪は頭皮に対して垂直に立って生えるんです。でも、伸びるにつれて重力で引っ張られて下向きになる。そこで、ブラシで毛流れに逆らうようにとかしながら乾かすと、本来の根元の立ち上がりを生かせるようになるんです。
古郡 やります。すぐに!!
辻 これだけでけっこう見た目は変わると思いますよ。
古郡 今日のお風呂上がりが楽しみになってきました。今回は血流について詳しく伺いましたが、そういえば頭皮マッサージの話が出てきていないなぁと。頭皮の血流をアップさせるにはやっぱり頭皮マッサージじゃないんでしょうか?
辻 もちろん頭皮マッサージは効きますよ。これまでにお話ししてきたことは、どちらかと言うと全身の状態を整えたりインナーケアで髪や頭皮を健やかにするものでしたが、頭皮をダイレクトに刺激することももちろん大切です。頭皮が硬いと顔もたるみますしね。
古郡 連載初回で「頭皮が硬い」と言われた身としては聞き捨てならないですね(笑)。では、次回は頭皮と顔たるみの関係について教えてください。
今回のまとめ
毛細血管のゴースト化を防ぐ
頭の上部はほぼ毛細血管しかないので、血流が滞って毛細血管が消滅してしまうと髪がやせ衰えてしまいます。血流アップを心がけて毛細血管のゴースト化を防ぐことが、薄毛・うねり対策に。
かかとを上げてスクワットをする
全身の血巡りを良くするには、ふくらはぎへのアプローチが効果的。かかとを上げたまま軽くひざを曲げるスクワットは、場所も取らず手軽にできるのでおすすめ。
ブラシでとかしながら髪を乾かす
髪を洗ってドライヤーをする際に、毛流れに逆らうようにブラシで溶かしながら乾かすと、根元が立ち上がりやすくなります。薄毛やボリュームダウンに悩んでいる人はぜひお試しを。
この日の夜、さっそくブラシでとかしながら髪を乾かしたところ、本当に根元がいつもよりふんわりして感動! しかも、とかすことで空気が入るせいか、普段よりドライヤーの時間が短縮できるうれしい効果も。
第4回「顔たるみを解消する頭皮ケア(仮)」は1月3日(金)に公開予定です。
[ 監修者 ]