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「恥ずかしくて婦人科を受診できません」|教えて! 山村菜実先生

女性特有の病気や医療に関する悩みに医師が答える新連載。回答者は、優しく丁寧なカウンセリングで人気の産婦人科専門医、山村菜実さんです。第1回は「婦人科が恥ずかしくて受診できない」というお悩みについて。

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婦人科に行くのが恥ずかしい・怖い

nami01_お悩み

からだにいいことアンバサダーにアンケートをとったところ、婦人科に抵抗を感じるという人は少なくありませんでした。「生理やおりものの話をするのが恥ずかしい」や「腟内に何か入れられることに抵抗がある」といった声のほか、「こんな悩みで行ってもいいの?」と受診の目安がわからず遠慮している人も。

そこで、自分に合うクリニックの選び方や「痛い・怖い・恥ずかしい」を払拭する受診のコツについて、菜実先生に教えてもらいました。

内診台では寝るくらいリラックスしてほしい

「婦人科はハードルが高い」という気持ち、よくわかります。私が診察する患者さんのなかにも、すごく悩まれた末に勇気を出して来てくださったという方が大勢いるので。婦人科の症状って家族や友人には言いづらいものが多いから、一人で抱え込んでしまいがちなんですよね。

nami01_患者

それに診察台や内診など、よくわからないけど痛そう、怖そう…というイメージもあると思います。知らない人にデリケートゾーンを見せるなんて、最初は恥ずかしいし抵抗感があって当たり前ですよ。

ちなみに、性交渉の経験がない人なら内診台に乗らずに診察することもあります。エコーも腟の中ではなくお腹の上から当てたりとか。なかには腟は無理でお尻のほうがラク、とおっしゃる方もいて、その場合は肛門からエコーを診たりもします。経腟に比べると精度は落ちますが、そういう方法もあるということで。

外陰部にかゆみや違和感がある場合はそこを見ることになりますが、内診台に抵抗があるならベッドで足を開いていただくなどの工夫もできますよ。

ただ、内診台って自動でウイーンと足を開いてくれるので、乗ったほうが患者さんご自身がラクかもしれません。自分で開こうとすると力が入ったり無意識に足を閉じようとしちゃうので。

内診は痛みはほぼないものなんですが、緊張してギュッと力が入ると痛くなっちゃうんです。なので、無理な話かもしれないけれどできるだけ力を抜いて、こちらに身をゆだねていただきたいです。なんなら寝ちゃっていいですよ〜、と(笑)。それくらいリラックスしていただけたら。

それでも怖い方もいると思います。その場合は医師に「私は内診台がどうしても苦手です」「腟のエコーが怖いです」と率直に相談してみてください。そうしたら、じゃあまずはベッドで診ましょうとかお腹の上からエコーしましょうとか、その方に合わせた診察に切り替えられるので。それで心の準備ができたらステップアップすればいいんです。

婦人科へは安心しに行くだけでもOK

あと、たまに聞くのが、気になる症状で受診したら「こんなことくらいで来たの?」などと心ない言葉をかけられたという話。患者さんは不安だから、意を決して婦人科に行ったわけですよね。それなのにこんなことを言われたら心がくじけますよ。それなら医者なんかやらなきゃいいのに! と言いたくなります。

こういう医師の言動で婦人科を嫌いになってしまう方もいると思いますが、声を大にして言いたいのは「そんな人ばかりじゃないですよ!」ということ。合わない医師に当たってしまったら“そんな先生はこっちから願い下げだ”くらいの気持ちで別の医師や医療機関を選んでください。大切な体のことですし、貴重な時間も割いているわけなので

nami01_医師

何か変だな、気になるなと感じることがあったらいつでも受診していただきたいんです。診察してみて何もなければよかった〜、だし。異常を見つけて治療することも大事ですが、患者さんの不安にしっかりと向き合って“問題ないよ、大丈夫だよ”と言って差し上げることも医師の役目だと私は思っています

ただし、同じことを大学病院などではやらないようにしてくださいね。大学病院を含む大規模な病院は高度医療を提供する場所なので、基本的には地域の一般病院からの紹介がないとかかれません。初診で“ちょっと気になるので来ました”はNGです。まずは地域の医療機関に相談に行くようにしましょう。

かかりつけ医の見つけ方

今、“まずは地域の病院で”と話しましたが、いわゆる「かかりつけ医」を持つことをおすすめします。

nami01_クリニック外観

自分に合うクリニックの見つけ方としては、まずけっこう見た目が大事だと思います。何度も通うことを考えると、心地よい、落ち着ける空間であってほしいですよね。開業医なら自分のこだわりを入れてクリニックをデザインをするはずなので、それが自分の好みにも合うなら感覚が近そう、とか。見た目が“肌に合う”かどうかは意外とポイントになってくると思いますよ。

次はスタッフの対応。ドクターがいくら良くても看護師やスタッフさんが冷たいとか信頼できないクリニックは微妙です。患者さんにとってスタッフは、場合によっては医師よりも接する時間が長い相手だったりしますよね。だからこそ、スタッフとの相性もチェックしたほうがいいと思います。

あとは口コミを信じすぎないこと。口コミってけっこう極端なことが書かれていたりしますが、書いた人がたまたま悪い印象を受けたのかもしれないし、昔の情報を書いているかもしれない。だから、できるだけ自分で行って確かめることをおすすめします。相性の良いクリニックが見つかるまで数件回れたら理想的ですね。

ものすごく混んでいるクリニックも私としてはおすすめしないかな〜。人気があるということかもしれませんが、あまりに混んでいるとどうしても一人ひとりの診察時間は短くなります。すると、先ほど話したような「内診台が怖い人はベッドで」みたいなきめ細やかな対応が難しくなるかも、と思います。それと、産婦人科専門医がいるというのは基本ですね。

いろいろ話してしまいましたが、悩みや不安が少しでもあるならとにかく婦人科に来てほしい! という思い、伝わったでしょうか? 恥ずかしさや怖さはあって当然なので、無理に抑えなくていいんです。その気持ちも含めて相談できるドクターと巡り合えることを願っています!

山村菜実先生への質問を募集中!

この連載では、産婦人科専門医で美容クリニック理事長でもある山村菜実先生への質問を受け付けます。ご応募いただいた質問の中から選ばせていただき、連載の中で山村先生からお答えします。

産婦人科や美容医療に関するお悩みや質問をぜひお寄せください!

締切:2025年3月31日(月)昼12時まで

*次回記事は2月25日(火)に公開予定です。

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