生理中のダイエット方法を紹介!運動や食事、過ごし方も詳しく解説
生理中は痩せにくい時期ですが、食事や運動などポイントを押さえて過ごすことで、無理なくダイエットができます。本記事では、生理中はなぜ痩せにくいのか、ダイエットをする際のポイントについて詳しく解説します。
目次
生理中のダイエットは意味がない・無意味といわれる理由とは?
生理中のダイエットは意味がないといわれている理由には、ホルモンバランスの影響が考えられます。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2つがあり、約28日周期で生理がきます。エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が変化するため、ホルモンバランスの影響で痩せにくい時期と痩せやすい時期があるのです。
生理中・生理後から排卵前・排卵後から生理前の3つの時期のうち、いつがダイエットに適しているのか、詳しく解説します。
生理中:無理なダイエットはNG
生理中は体に水分をため込みやすく、体重を落としにくい時期です。
生理直前から生理の前半にかけて、プロスタグランジンという物質の分泌が増加します。プロスタグランジンには、子宮収縮を促進し、不要になった子宮内膜を経血として体外に排出させる働きがあります。
プロスタグランジンは血管収縮作用や胃腸の動きにも影響を与えるため、腹痛や腰痛、吐き気や下痢の原因にもなるでしょう。
生理中は経血が排出されるため、貧血になりやすい時期です。生理中の腹痛や吐き気によって食欲が低下する方もいますが、貧血を予防するためにも食事制限ダイエットはおすすめできません。
また、激しい運動によってもプロスタグランジンの分泌量が増えるため、過度な運動でのダイエットも控えましょう。
生理後~排卵前:ダイエットに最適
生理後から排卵前は、ホルモンバランスから考えると、ダイエットに最適な痩せやすい時期です。
生理前から排卵前にかけて、女性ホルモンのひとつエストロゲンの分泌が増加します。エストロゲンには、代謝アップや肌のうるおいを守る、精神状態の安定や血管・骨の強化などの作用があります。
エストロゲンの分泌が増える生理後から排卵前の時期は、代謝アップによって運動のダイエット効果が出やすいだけでなく、精神状態も安定するため、ダイエットに最適な時期といえるでしょう。
排卵後~生理前:ダイエットをしても痩せにくい
排卵後から生理前は、体に栄養や水分を蓄えようとするため、ダイエットをしても痩せにくい時期です。
排卵後から生理前は、エストロゲンの分泌が減少し、プロゲステロンの分泌が増加します。プロゲステロンは、妊娠を維持しやすい体に整える働きがあります。そのため、体に栄養や水分を蓄えようとし、太りやすくむくみやすくなるでしょう。
また、生理前は食欲が増加したり、便秘になりやすくなったりするため、ダイエットをしても痩せにくいといえます。
生理中のダイエットが痩せにくい原因
生理中のダイエットが痩せにくい3つの原因として、食欲が増す、脂肪が燃焼しにくい、むくみやすくなることなどがあります。
生理中のダイエットが痩せにくい原因について、それぞれ詳しく解説します。
食欲が増しやすい
生理前はプロゲステロンの影響で、食欲が増しやすい傾向にあります。なぜなら、プロゲステロンの増加によって血糖値が急激に下がりやすくなるからです。中でも、炭水化物や甘い物が食べたくなる方が多いでしょう。
生理中に炭水化物や甘い物が食べたくなった場合、食品の種類や摂取のタイミングに注意することが大切です。お腹が空いた状態で炭水化物や甘いものを摂取すると、血糖値が急上昇します。
その結果、脂肪が付き太りやすくなってしまうため、血糖値の上昇が緩やかな食品や食事の最後に食べることを意識するとよいでしょう。
脂肪が燃焼しにくい
生理前は、女性ホルモンの影響で脂肪の分解が抑制され、脂肪が燃焼しにくい状態になります。
また、生理中に増加するプロスタグランジンによって、体は冷えやすくなります。その結果、基礎代謝も低くなりやすく、消費カロリーも減少傾向になります。
生理中は消費カロリーも減るため、痩せにくいでしょう。
むくみやすい
生理中は水分や塩分のバランスが崩れ、体に水分をため込みやすくなっており、むくみやすい傾向にあります。また、生理前は便秘にもなりやすいため、老廃物が体内にたまってしまい、むくみが悪化することもあるでしょう。
むくみがあると体重が落ちにくくなることから、生理中のダイエットは痩せにくいといわれています。
むくみ予防のために、十分な水分摂取を心がけましょう。目安としては、1日1.5Lの水分をこまめにとるとよいでしょう。また、便秘予防のために、食物繊維を積極的にとることもおすすめです。
つらい生理中を少しでも快適に過ごすためのコツやNG行動を、産婦人科医の高尾美穂さんが解説。お風呂や運動、お酒など、気になる生理中の過ごし方についてご紹介します。
生理中にダイエットをする際のポイント
痩せにくい生理中は、ダイエットでいくつか意識してほしいポイントがあります。規則正しい食事や、積極的な食物繊維の摂取などを意識することがポイントです。
生理中にダイエットをする際のポイントについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
規則正しい食事を心がける
女性ホルモンの影響によって生理中は食欲が増えやすくなるため、規則正しい食事を心がけましょう。
生理前から生理中は特に食欲が増す傾向にあるため、我慢しすぎずいつもより多めの食事でも問題ありません。ダイエットにおいて摂取カロリーの計算は大切ですが、生理中は1日単位ではなく、週単位や月単位でコントロールしてもよいでしょう。
生理前から生理中にかけて摂取カロリーが増えてしまっても、生理後に摂取カロリーを調整することが大切です。
1日3食の規則正しい食事で満足できない場合は、1回ずつの食事量を減らし、食事回数を4〜5回に増やしても問題ありません。また、間食する場合は、血糖値が急激に上がらないような食品を選ぶこともポイントです。
体を温めるような食事を意識する
生理中は、生理痛を軽減するためにも体を温めるような食事を意識するとよいでしょう。
生理中にはプロスタグランジンの分泌量が増えるため、体が冷えやすくなったり、腹痛や腰痛が生じたりします。体が冷える食事を摂取すると、子宮の周囲を冷やしてしまい、痛みの悪化につながる可能性があります。
そのため、体を温める生姜や根菜類、甘酒などを使ったみそ汁やスープを食べるとよいでしょう。体を温める食事は冷えや生理痛の緩和だけでなく、代謝アップにもつながるため、生理中は特におすすめです。
食物繊維を積極的に摂取する
生理前から生理前半はプロゲステロンという女性ホルモンの影響によって便秘になりやすく、生理中はプロスタグランジンの影響によって下痢になりやすい傾向にあります。
便秘予防のために、食物繊維を積極的にとるとよいでしょう。食物繊維が豊富な食材は、野菜や果物、玄米や雑穀などの未精製の穀物がおすすめです。また、こまめな水分摂取も心がけましょう。
逆に、食物繊維で下痢になりやすい体質の方は生理中の摂取を控えめにするなど、体調に合わせて食物繊維の摂取量を調整しましょう。
アルコールは控える
生理中はアルコールの摂取も控えるようにしましょう。アルコールは体の水分バランスを崩すため、むくみの原因になります。また、生理中は体内に水分がたまりやすく、むくみやすい時期です。むくみやすい生理中にアルコールを摂取することで、むくみが悪化する可能性があるでしょう。
アルコールが肝臓で分解される際には、エネルギーを大量に消費します。アルコールの分解にエネルギーを使ってしまうと、体脂肪燃焼のためのエネルギーが不足し、痩せにくくなることも。
生理中は、倦怠感や疲労感が強くなりやすい時期です。そのため、疲労感を強めたり、むくみを悪化させたりするアルコールは控えたほうがよいでしょう。
我慢やストレスをためない過ごし方を意識する
生理中は、なるべく我慢せずストレスをためない過ごし方を意識しましょう。
生理中は、精神的に不安定になったり体調が優れなかったりします。食欲も増えやすいため、食事量のコントロールも難しくなるかもしれません。しかし、生理後の痩せやすい時期に備え、生理中は食事を我慢せず、ストレスをためないように過ごすことで、生理後にスムーズにダイエットモードに入れるでしょう。
また、生理中に自炊が大変な方は、スーパーやコンビニ食品を上手に取り入れるのがおすすめです。ゆで卵やサラダチキン、納豆からはタンパク質、カットフルーツやバナナからはビタミンや食物繊維が摂取できます。
体を温めるために、インスタントみそ汁などの汁物をプラスしてもよいでしょう。
この記事では、ダイエット中でも食事を楽しみたい方に向けて、おすすめの痩せる食べ物を紹介します。健康的かつ満足感のある選択肢で、理想の体形を手に入れましょう。
生理中に食事から積極的に摂取したい栄養素
生理中の食事では、鉄分やマグネシウム、大豆イソフラボンやDHA・EPAを積極的に摂取することが大切です。これらの栄養素以外に、ビタミンBやビタミンCも意識的に摂取できるとよいでしょう。
生理中に積極的に摂取したい鉄分やマグネシウム、大豆イソフラボンやDHA・EPAの働きや豊富に含まれる食材について、詳しく解説します。
鉄分
生理中は鉄分が不足しやすいため、鉄分は意識的に摂取したい栄養素のひとつです。鉄分が不足すると貧血を招き、立ちくらみや頭痛、疲労感の原因になります。
鉄分は、レバーや赤身肉、カツオやマグロ、ひじきなどに多く含まれています。また、野菜であれは小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜が鉄分豊富です。
鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると、鉄分の吸収率が高まるため、ビタミンCの摂取も意識するとよいでしょう。
マグネシウム
生理中はむくみやすいため、マグネシウムを積極的に摂取しましょう。
むくみは体の水分バランスが崩れることで起きます。マグネシウムには体の水分バランスを整える働きがあるため、むくみの軽減に役立ちます。マグネシウムはバナナやアーモンド、ほうれん草に多く含まれているため、間食に取り入れてもよいでしょう。
また、マグネシウムはむくみ対策だけでなく、生理痛の緩和にも効果が期待できます。
大豆イソフラボン
生理中は女性ホルモンのバランスが崩れやすいため、大豆イソフラボンを摂取するとよいでしょう。
大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。大豆イソフラボンは、豆腐や納豆、豆乳に含まれています。そのため、生理中は大豆製品を食事に取り入れるよう意識しましょう。
DHA・EPA
生理中は、オメガ3系脂肪酸の一種であるDHA・EPAの摂取を意識しましょう。
DHA・EPAは、血液をさらさらにして、血行を良くする働きがあります。生理中は血管が収縮するため、血行が悪くなりがちです。そのため、DHA・EPAを摂取することで血行が促進され、生理痛の緩和が期待できます。
また、DHA・EPAには、体内の炎症を抑制する効果もあります。生理中に増加したプロスタグランジンは、痛みや冷えの原因のひとつです。DHA・EPAはプロスタグランジンの生成を抑え、体内の炎症抑制効果が期待できます。
DHA・EPAは、青魚やイクラなどの魚卵に豊富に含まれています。生理中は冷えや生理痛の緩和のためにも、DHA・EPAを積極的に摂取するとよいでしょう。
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生理中のダイエットにおすすめのトレーニングや運動方法
生理中のダイエットでは、過度な運動はNGです。しかし、運動方法によっては、生理痛の緩和やストレス解消に役立つため、無理のない範囲で取り入れてもよいでしょう。
生理中のダイエットには、有酸素運動やヨガ、ピラティスやストレッチがおすすめです。それぞれの運動がおすすめの理由を詳しく見ていきましょう。
有酸素運動
有酸素運動は、脂肪燃焼効果だけでなく、血行も促進されることから、むくみの解消にもつながります。また、有酸素運動はエンドルフィンの分泌を促進するため、生理痛の緩和も期待できます。
生理中の激しい運動は生理痛の悪化につながる危険性があるため、ウォーキングなど体への負担が少ない種目を選びましょう。
ヨガやピラティス
生理中は、ヨガやピラティスなどリラックス効果が期待できる運動がおすすめです。生理中は精神的に不安定になりやすく、ストレスもたまりやすい時期です。そのため、ヨガやピラティスであれば運動でストレス解消できるでしょう。
ただし、ヨガやピラティスのポーズによっては、運動強度が高いものもあります。そのため、生理中のヨガやピラティスは、体に負担のかからないポーズを選ぶことがポイントです。
ストレッチ
ストレッチは筋肉を緩め、血行を促進します。筋肉のコリや痛みを和らげる効果が期待できるため、生理痛の緩和にも役立つでしょう。また、ストレッチにはリラックス効果があるため、ストレス解消にもつながります。
生理中のストレッチは時間をかけてゆっくり行い、起床後や就寝前など、無理のない範囲で取り入れましょう。
まとめ
生理中に痩せにくい3つの原因として、食欲の増加や脂肪燃焼のしにくさ、むくみやすくなることなどが挙げられます。
しかし、生理後からは痩せやすい時期に入るため、ダイエットを成功させるためには生理中の過ごし方が大切です。体を温める食事や積極的な食物繊維の摂取、アルコールを控える、我慢やストレスをためない過ごし方を意識するなどがポイントです。
生理中は痩せにくいからといってダイエットをやめてしまうのではなく、生理後の痩せやすい時期を見越して、ポイントを押さえつつ無理なくダイエットを継続するとよいでしょう。